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歯ブラシはやっぱり電動がイイ? 歯医者さんが薦めるのは

2017-03-25 18:30:29


執筆:影向 美樹(歯科医師)
近年では家電量販店などで様々な種類の電動歯ブラシが販売されています。
実際に購入された方の中には、その仕上がりの良さに「もう手放せない!」と長く愛用される方がいる一方、しばらく使ってはみたものの、やはり手動にもどってしまったという方も多くみられます。
「それではどちらの方がよりメリットが大きいのか?」とよく尋ねられるのですが、手動にも電動にもそれぞれにメリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いと言い難いのも事実です。
今回は電動歯ブラシに興味をお持ちの方や、一度は購入したもののイマイチそのよさがわからないと思われる方に、手動歯ブラシと電動歯ブラシのそれぞれの良さや欠点などをご紹介していきたいと思います。

汚れの落ち具合はどちらも変わらないが・・・


手動歯ブラシと電動歯ブラシを比較すると「電動歯ブラシのほうが汚れがよく落ちる」と思われがちです。
実際に購入された方の中にはその点を魅力に感じた方も多いようです。
しかし実のところ、汚れ(プラーク)の落ち具合に関してはどちらもそれほど差はありません。
もしもどちらかを選んで、汚れがイマイチ落とせないと感じているのであれば、それは歯ブラシが歯にきちんと当たっていないからです。
つまり歯ブラシは歯の1本1本にきちんと当てさえすれば、手動であれ電動であれ、きれいに汚れを落とすことができるのです。
ただ手動と電動の大きな違いは、その効率にあります。
同じ汚れを落とすにしても、手動と電動ではかかる時間に大きな差があり、電動歯ブラシと同様に汚れを落とそうとすれば、手動ではその何倍もの時間がかかってしまうのです。
したがって『効率よく歯の汚れを落とす』という点においては、電動歯ブラシのほうが圧倒的に有利だと言えます。

手動歯ブラシの良さは『シンプルである』という点


一度は電動歯ブラシを買ってはみたものの、結局手動に戻ってしまったという方の話でよく聞かれるのは「電動歯ブラシは面倒なことが多い」という点です。
電動歯ブラシはその名の通り、電気がないと動かないため電池の交換や充電が必要です。
また構造上、ある程度の重さがあること、さらにブラシの交換などでランニングコストがかかる点も『面倒』と感じる要因のようです。
それをふまえると、手動歯ブラシは形状や価格のシンプルさが最大のメリットと言えるでしょう。また歯や歯茎の状態によって力加減を自身で自由に変えられる手軽さも良い点です。
よって歯磨きの仕方に多少の自信があり、自分のペースで毎日きちんと磨ける方は手動の歯ブラシを好まれる方が多いです。

電動歯ブラシは高機能なものほどメリットが大きい


電動歯ブラシと言っても、機能によって汚れの落ち方も変わってきます。
近年販売されている電動歯ブラシは、『電動歯ブラシ』『音波歯ブラシ』『超音波歯ブラシ』の3種類にわけられ、とりわけ『超音波歯ブラシ』は超音波振動が細菌に直接作用する効果が期待できるため、プラーク(歯垢)の除去効率が最も高いです。
電動歯ブラシは種類も豊富で、価格にも大きな差があります。
しかしやはり価格が高いものほど機能に優れており、一方で安価なものの中には手動よりも汚れが落ちないばかりか、かえって歯や歯茎を傷つけてしまう恐れもあります。
そのためもし電動歯ブラシを使用するのであれば、どの種類を選ぶにしろ、あまり安価なものはお勧めできません。
電動歯ブラシは高機能であればあるほど、メリットも大きくなります。

手早く効率よくするには…


手動歯ブラシも電動歯ブラシも汚れを落とす点において差はありません。
ただ手動歯ブラシは価格が安く、使い勝手も良い一方で、きれいに汚れを落とすにはそれなりの技術と時間が必要になります。
電動歯ブラシはコスト面や使い勝手は手動歯ブラシよりも劣りますが、短時間で細かい汚れを落とすことができる点においては手動よりも有利です。
歯磨きの仕方にあまり自信のない方や、効率よく歯磨きを行いたい方には電動歯ブラシがお勧めです。
<執筆者プロフィール>
影向 美樹(ようこう・みき)
歯科医師。歯科医師免許取得後、横浜と京都の歯科医院にて勤務を経て、現在は医療系ライターとして活動中

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情報提供元: mocosuku

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