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仕事中、猛烈な睡魔に襲われて… 眠気を覚ます方法ある?

2017-11-24 18:30:05


執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
自堕落をしているわけでもない、夜更かしもしないでしっかり寝たはず…
それなのに、仕事中に襲ってくる睡魔。
そんな経験、誰しもお持ちではないでしょうか。
今回は、日中に起こる睡魔の原因を検証し、眠気覚ましの方法もご紹介しましょう。

仕事中の睡魔


仕事中に襲ってくる睡魔の原因として、次のようなことが挙げられます。

睡眠リズムの影響


人間の身体には眠りと覚醒のリズムがあります。
とくに昼間は、午後2~4時ころに眠たくなるという説。
ヨーロッパの昼寝の習慣「シエスタ」や、日本の間食の習慣「おやつ:八つ時は午後3時ころのこと」は、身体の眠りのリズムがゆえんの社会的風習としてよく知られています。
人間は本来昼間も眠くなるもので、そのタイミングがたまたま仕事をしている時間に現れる、というのがこの説です。

昼食の影響


昼食に糖質の多いものを食べすぎると、食後の血糖値上昇により尿の中に糖が排出されます。
そうすると、余分な糖を薄めようと腎臓が多量の水分を排出して多尿となり、結果、糖が失われて眠気を感じてしまうという説。
この症状が出やすいのは食後2時間ほど経過したころといわれています。

オフィス環境の影響


閉め切った狭い部屋に大勢の人がいるなど、オフィス内の環境も原因のひとつかもしれない、という説です。
室内の二酸化炭素濃度が上昇して高レベルになると、仕事のパフォーマンスが低下し、眠気を引き起こしやすいといわれています。

病気の影響


ただし、日中の眠気も異常なまでのレベルになると、病気の可能性も否めません。
たとえば、次のような原因が指摘されます。
・睡眠不足症候群
 慢性的な睡眠不足状態になっている、生活リズムが乱れ睡眠時間も不規則になっている状態です。
・睡眠時無呼吸症候群
 睡眠時に無呼吸状態が断続的に起こる状態です。
 眠っているつもりでも眠っていないのですが、本人には自覚がありません。その影響から、日中激しい眠気に襲われることがよくあります。
・過眠症など睡眠障害
 ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症など、過眠の睡眠障害が原因となります。
・自律神経失調症や甲状腺の病気、うつ病など
 ストレスなどが引き起こす疾患ですが、どれも精神的な症状として、身体がだるい、疲れが取れない、やる気が出ない、いくら寝ても眠いなど、眠気を払拭できない状態に陥っていることがあります。

日中の眠気対処法


病気の場合は別として、眠気を解消する方法をいくつかご紹介しましょう。

いっそ眠ってみる!


思い切って眠ってしまいます。
ただし、長い時間はいけません。
15分くらいの短い仮眠をとると、スッキリします。
運転時の睡魔を鎮める対策としてもおすすめですよ。
昔ながらのシエスタやおやつには、これと同じ発想、つまり「眠いなら短く休む」という意味が込められています。

とにかく行動してみる!


眠気は、デスクでじっとしていると余計に増します。
トイレで顔を洗う、外気に触れる、深呼吸をする、ストレッチをする、誰かと話す、目薬をさす…など、何かしら動いて眠気を覚ますのも手でしょう。
なかには、耳たぶを引っ張ったり、ほっぺたをつねったり、痛覚を刺激し自分をいじめることで眠気と戦う、という手法もあるようですよ。

室内の空気をリフレッシュしてみる!


オフィス環境の影響についてお話しましたが、二酸化炭素濃度の上昇が考えられる環境であれば、新鮮な空気を室内に入れると、スッキリして眠気から解放されることもあります。

飲み食いしてみる!


脳を刺激するため、コーヒーやドリンク類を飲んだり、ガムや飴を食べたりする方法も、眠気覚ましに効果があるでしょう。
ただし、カフェイン依存にならないよう、ほどほどに。

まずは生活習慣の改善を


ここまでご紹介した対処法は、いずれも即効性が目的ですが、もっと中期的に大切にすべきは、生活習慣の改善です。
仕事以外の疲れや寝不足をオフィスに持ち込まないように、生活習慣を見直しましょう。
とくに、睡眠の質を高めることを意識して、夜グッスリ眠る習慣ができると、日中の睡魔も少なくなるはずです。
眠気覚ましの方法はさまざまですが、もし、あなた独自の効果的な方法を見つけたら、ぜひ周囲の方に教えてあげて、世の中に拡散させてくださいね。
なお、あまりにもひどい眠気が続くときは、病気の可能性がある、ということをお忘れなく。
睡眠外来など病院の受診も考えてみましょう。
【参考】厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf)
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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