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鼻毛や耳毛… 伸ばしっぱなしで、カラダに悪影響はない?

2018-06-15 18:30:35


執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
鼻毛にしても耳毛にしても、長く伸びて鼻や耳から飛び出しているのは「見苦しい」ものです。
ましてや周囲の人に指摘されたらとても恥ずかしく感じますよね。
それでは、たとえば「私は見た目なんか気にしない!自然に任せて伸ばすのが信条よ」という人の場合(笑)、伸ばし放題でも健康上の問題はないのでしょうか?
また、何らかの手入れが必要だとしたら、正しい方法はあるのでしょうか。

ムダ毛ではない:鼻毛の役目、耳毛の役目


鼻毛には次のような役割があります。

空気を吸い込むときの「フィルター役」:ほこりや粉塵、空気中の微粒子やウィルスが体内に侵入するのをカットする役割


鼻から息を吸ったときに取り込む空気に水分を補給:息を吐くときに水蒸気が鼻毛を濡らし、吸い込む空気に水分を補給。吐いた呼気の水分を回収する


吐いた息に含まれる熱を回収し、吸った空気を温める


一方、耳毛にも次のような役割があります。

ごみやほこりが耳の中に入るのを防ぐ「フィルター」機能


冷たい外気を遮断して耳の中を温め、耳の機能を維持


音を吸収する吸音機能


どうして長く伸びるの?


都会の汚れた空気のせいで鼻毛や耳毛は長くなる…などと昔から言われますが、これには根拠はありません。
どちらも加齢によって毛周期が長くなるため、目立ちやすくなると考えられています。
毛周期とは「毛が生え変わる周期」のことで、若いころは毛周期が短くて「産毛」で抜けてしまっていたのが、加齢にともない抜けなくなって、フサフサと長く成長してしまうということです。
このことに加え、鼻毛は鼻粘膜の老化によって長く伸びるともいわれています。
また、耳毛は「男性ホルモン」の関与が指摘されています。
実は耳毛はひげや胸毛と同じように男性だけに生える「男性毛」に分類されていて、男性ホルモンの影響で太く長く濃くなるとのこと。
そのほか、大きすぎる音を聞くと耳を守るために耳毛が伸びるという説もあります。

とはいえ気になる身だしなみ


さて、お待たせしました冒頭の問い「伸ばし放題」の回答です。
鼻毛も耳毛も、たとえ長く伸びたとしても健康に害があるとはいわれていません。
ただし、あまり長くなりすぎると痒くなったり、耳毛の場合はガサガサと音を立てて聞こえたりすることもあります。
それよりも、伸び放題でいるとやはり見た目が気になりますね。
ですから「身だしなみ」としてある程度手入れをすることは必要でしょう。
次項からは適切なケアの方法をご説明します。

鼻毛の処理


手っ取り早いからと鼻毛を手や毛抜きでむやみに抜いてはいけません。
粘膜を痛めたり、抜いた毛穴からバイ菌が入ったりします。
鼻毛は抜くのではなく、ハサミや鼻毛カッターで短く切りましょう。
鼻の内部を傷つけないように、出ている部分だけを丁寧にカットしてあげることです。
鼻毛は粘膜を刺激しているので、短く切ると(短く切り過ぎるのはNG!)粘膜の調子がよくなるという人もいます。

耳毛の処理


男性毛としての耳毛は、ひげや胸毛と同様にムダ毛だという人もいますが、身だしなみとして伸びすぎた耳毛のセルフケアをする場合は、鼻毛と同じ「耳毛カッター」があります。
安全に耳の皮膚を傷つけないように毛をカットできます。
鼻毛のケアと両方に使える商品も出回っています。
また、ムダ毛という見地から「毛抜き」を使う人もいますが、無理に引っこ抜くと皮膚を傷つけるためあまりおすすめできません。
このようなセルフケアが頻繁で煩わしいという人は、ワックス脱毛や永久脱毛など、プロの手に委ね美容的に処置する方法もあります。
ワックス脱毛は、ムダ毛処理をしたい部分にワックスを塗り、毛とワックスを密着させ毛根から一気にムダ毛を抜き取ります。
永久脱毛は、毛根や毛をつくる細胞を破壊して毛が生えてこないようにする方法です。
レーザーや脱毛器を使います。
いずれも利用する場合は事前によく調べて、専門店で受けることをおすすめします。
お伝えしてきましたように、鼻毛も耳毛も伸ばし続けても深刻な健康被害はありません。
しかし、周囲を不快にさせないよう「精神衛生」上のマナーとして、適度な手入れは必要です。
どちらも大変デリケートな部分ですから、無理なケアはしないで適切な方法を選びましょう。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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