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市販薬と似た成分の処方薬「OTC類似薬」保険適用見直しの議論本格化 「丁寧に議論してほしい」年間10万円の負担増える患者も 厚生労働省

国内
2025-11-12 17:11

病院で出される解熱剤などの「処方薬」。ドラッグストアでも買える成分のものは、保険適用を見直そうという動きが出ています。患者の負担は、どれくらい増えるのでしょうか。


埼玉県川口市にあるドラッグストア。


薬剤師 伊藤拓海さん
「こちらがアレルギー性鼻炎に用いられる薬。一方で、OTC類似薬といわれるものは医療用医薬品になるので、処方箋調剤のほうで受け付ける薬になります」


同じ店内にある調剤薬局に案内してもらうと。


薬剤師 伊藤拓海さん
「先ほどと同じフェキソフェナジンという成分の薬で、OTC類似薬と言われるもの」


「OTC類似薬」とは、医師の処方箋が必要なもので、解熱鎮痛剤や保湿剤など、市販薬と成分がほとんど同じ薬を指します。


患者が全額支払う市販薬に対し、保険適用の対象である“類似薬”は、1割から3割の自己負担で済みます。この保険適用の見直しに向けた議論を国は本格化させています。


厚生労働省の資料によりますと、4日分の解熱鎮痛剤について、3割負担であれば、およそ36円で購入できますが、保険適用から外れれば121円、市販薬だと最大768円となります。


20代
「(病院に)行けるときは行って、安く保険適用内で買うんですけど、それが適用外になっちゃうと出費が大変ですね」
40代
「私自身がそんなに薬を常時使わない人なので、急に100%(負担)と言われても、そんな実感がないっちゃないですね」
30代
「薬を連日もらうためだけにお医者さんに行くみたいなのが、医療リソースを圧迫していると思うので」


見直しの背景にあるのが、膨らみ続ける医療費です。高齢化などに伴って、2023年度は30年前のおよそ2倍となる48兆円と過去最高に。


日本総研の試算では、“類似薬”を保険適用から外した場合、医療費を最大1兆円削減できるとしています。


日本総研 成瀬道紀 主任研究員
「保険から外すことにより、薬の無駄遣いもなくなるし、受診回数が増えることもなくなることがメリット」


現役世代の保険料の引き下げを訴える日本維新の会は、自民党との連立合意書に「薬剤の自己負担見直し」を盛り込んでいます。


負担の増加を心配する患者も。


水泳教室のインストラクターで、石川県に住む花岡修子さん(57)。5年前に大腸がんを患い、今も通院しながら抗がん剤を服用しています。


花岡さんは抗がん剤の副作用で手足が腫れるため、医師から処方された軟こうや保湿クリームを使っています。


花岡修子さん
「(Q.何種類が『OTC類似薬』?) いま服用しているのが、6種類。6種類のうち3種類が『OTC類似薬』」


治療や検査、薬など医療費の総額は年間20万円ほど。もし“類似薬”が保険適用から外れると、さらに10万円の負担がかかるといいます。


花岡修子さん
「仕事にも、家庭にも、影響が出る。命とお金がかかっていることなので、成り行きが心配。医療費が厳しいのは分かるが、丁寧に議論してほしい」


政府は、子どもや低所得の人、慢性疾患のある患者に「配慮すべき」としていて、年末までに結論を出す方針です。


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