17日から東南アジアのラオスを公式訪問される愛子さま。ラオスは今年、日本との外交関係樹立70周年で、愛子さまにとってこれが初めての海外公務となります。
現地では、国家主席を表敬訪問するほか、晩さん会に参加される予定です。
女性皇族 海外公務デビュー国の“共通点”
高柳光希キャスター:
皇室の歴史として注目されているのが、天皇の娘や孫にあたる女性皇族、内親王としての海外公務が、愛子さまで4人目という点です。
【皇室の国際親善デビュー】
1995年 黒田清子さん:ブラジル
2015年 小室眞子さん:エルサルバドル・ホンジュラス
2019年 佳子さま:オーストリア・ハンガリー
2025年 愛子さま:ラオス
様々な国がありますが、どのように選ばれているのでしょうか。
TBS報道局社会部 宮内庁キャップ 岩永優樹 記者:
基本的には相手国からオファーがあり、そこから両陛下や日本政府の意向もあり決まっていきます。
これまでの国際親善デビュー国には、2つの傾向があります。
一つは、▼日系の移民が多い国で、親日国であることです。
もう一つが、どの国も飛行機で乗り換えをしないといけないような、非常にフライトが長い、▼体力的にタフな訪問だということです。こういった若い皇族方のデビューには向いているのかもしれません。
上皇ご夫妻から愛子さまへ 受け継がれる公務スタイル
高柳キャスター:
そして見ていきたいのが、愛子さまの公務のスタイルです。
2002年、雅子さまに抱かれて姿を見せられたのが、生後4か月の愛子さまです。多くの人が訪れたため驚かれた様子もありました。
2003年、1歳のときには、沿道の人たちに“お手振り”を披露されました。
2008年、6歳のときの学習院初等科の運動会では70m走で、余裕をもって1位になる姿を披露されました。
2021年、成年皇族になられた愛子さま。大学卒業後は「日本赤十字社」に入社されました。
愛子さま(2024年・当時22歳)
「社会人としての一歩を踏み出したのだと、身の引き締まる思いがいたしました」
2024年10月には、お一人での地方公務に初めて臨まれ、「紙すき」を体験されました。
TBS報道局社会部 岩永記者:
愛子さまは、おっとりされている面と笑顔の柔らかさが共存している感じがあって、前のめりな感じがなく、とても癒されるという印象ですね。
その中でも印象的だったのが、2025年5月に能登半島地震の被災地である石川・七尾市を訪れた際の一場面です。
高齢の方が椅子に座っており、目線を合わせるために、ご自身が床に膝をついてお話しになられました。
今でこそ驚きも少ないシーンだと思いますが、被災地の訪問やお見舞いの際に、膝をついて目線を合わせてお話になるというのは、最初は上皇ご夫妻が始められたものです。
その姿は、後に「平成流」とも呼ばれるようになり、ご両親の両陛下にも受け継がれ、孫の愛子さまも同じような姿で公務をされています。
ベトナム戦争の爪痕残るラオスへ
高柳キャスター:
今回、11月17日~22日の日程で愛子さまが訪問するのが、東南アジアのラオスです。
正式名称は「ラオス人民民主共和国」で、だいたい日本の本州と同じくらいの大きさ、人口は約790万人、愛知県と同じくらいの人口です。
「タート・ルアン」や「ワット・シェントーン」といった寺院の訪問に加えて、現地では国家主席の表敬訪問や、晩さん会などにも臨まれるということです。
そのほか訪問先として注目されているのが、「COPEビジターセンター(不発弾資料館)」です。
TBS報道局社会部 岩永記者:
ラオスは「世界で一番不発弾が残ってる国」と言われ、ベトナム戦争時に投下された爆弾が今でも多く残っています。
戦争が終わって以降、2万人以上の方が不発弾で死傷されているという現実もあります。「COPEビジターセンター」は、そうした歴史を紹介、啓発する施設です。
日比麻音子キャスター:
今回が愛子さまの初めての海外公務ということですが、今年はこれまでも様々なご公務をお勤めでしたね。
TBS報道局社会部 岩永記者:
2025年は戦後80年にあたる年で、6月には沖縄、9月には長崎に、ご両親と一緒に行かれたというのが非常に印象的でした。
ラオスのベトナム戦争は、戦後80年という括りではないですが、こうして戦争で傷ついた方に心を寄せていくという意味では地続きだと思いますので、非常に意義深い公務だと考えています。
高柳キャスター:
天皇陛下も2月に、「愛子にも戦争によって亡くなられた方々や苦難の道を歩まれた方々に心を寄せていってもらいたいと思っています」ということもお話しされています。
高柳キャスター:
愛子さまが訪問されるラオスでは、お土産として、殺傷能力の高いクラスター弾の不発弾を溶かして作ったスプーンなども販売されています。
TBS報道局社会部 岩永記者:
地元の方がこういったものを作り、お土産として売ることで、生活費を得ているという状況があります。
ただ材料を探しに行くこと自体が危険なことなので、これを100%美談にして良いかは、意見が分かれるところです。
愛子さま、お一人で初の海外公務 記者の準備は?
高柳キャスター:
ご両親と一緒に手を繋いでる姿が印象的だった愛子さまが、いよいよお一人で海外を訪問されるというのは、いろいろ考えるところがありますね。
南波雅俊キャスター:
ラオスといえば、日本のNPOが立ち上げた病院で、子どもたちを無償で診ているというような状況もあります。
愛子さまご自身も赤十字社で働かれているので、ボランティアや医療に対して、思いもあるのではないでしょうか。
TBS報道局社会部 岩永記者:
愛子さまは日本赤十字社で働かれており、公私ともにそこに心を寄せてらっしゃる方です。
そのような小児病院への訪問は、ご自身にとってもかなり意義深い公務だと考えてらっしゃると思います。
日比キャスター:
いよいよお一人での初めての海外公務ですが、記者の皆さんにとっても記念すべき取材になると思います。準備などはどのような感じで進めているのでしょうか。
TBS報道局社会部 岩永記者:
ラオスはビザの取得や取材も大変なので、まだバタバタしている部分もありますが、やはり初めての愛子さまの海外訪問ということで、カメラに映らない部分もしっかりと目に焼き付けてたいなと思っております。
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<プロフィール>
岩永優樹
報道局社会部 宮内庁キャップ
趣味は散歩 エスニック料理を愛する
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