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「税調は“嫌われ役”」減税メニュー並ぶ税制改正に元会長が警鐘 財源の議論はどこへ【サンデーモーニング】| TBS NEWS DIG

国内
2025-12-07 16:43

物価高対策として政府が推奨している「おこめ券」。これを配布しないと決めた自治体が出てきています。いったいなぜなのでしょうか。


【写真を見る】嫌われ役だった税調「ワラ人形にクギも…」実際の写真


政府が推奨も「おこめ券に使う予定ない」

物価高の影響は、年末年始の食卓にも出てきています。


――クリスマスは?


お客さん
「(ケーキ)なしです」


材料費などの値上がりを価格転嫁できず、洋菓子店の倒産も急増。通常の半額以下で販売された、トッピングなしのケーキも人気だといいます。


おせち料理の具材もすべて値上がり。


カネハツ食品・企画開発部 西房雄 部長
「ホタテを諦めました。入れたかったですね」


価格高騰でメニューを変更せざるを得ないケースも。


こうしたなか打ち出された政府の物価高対策ですが、一筋縄でいきそうにないのが...


鈴木憲和 農水大臣(11月21日)
「おこめ券の配布は、今の価格では思うようにお米を買えない方々に対して...」


政府は、自治体への交付金を拡充したうえで、1人当たり3000円ほどの「おこめ券」配布を推奨していますが、自治体側からは早々に異論も...


大阪・交野市 山本景 市長
「おこめ券に(交付金を)使う予定はない。経費としてお金がかかるので、その分減ってしまう」


大阪・交野市の山本市長は、「おこめ券」の配布について、経費率が20%を超え、特定の業界への利益誘導にもつながると批判。交付金は「水道料金」や「給食費」の支援などに充てる方針だといいます。


大阪・交野市 山本市長(5日)
「農林水産大臣の顔色を見て判断するというのは、このケースではよくない」


3日には、政府による自治体向けの説明会が行われましたが、「配布しない」と決めたところも。


杉浦みずきキャスター
「江戸川区は『おこめ券』を配布しない方針ですが、区民はこれをどのように受け止めているのでしょうか」


――お米食べるの好き?


江戸川区民
「好きです」
「出来ればその辺(おこめ券配布)は、やってもらえると助かります」


江戸川区民
「今じゃ3000円でコメは買えないでしょ、5kg。だから、(おこめ券は)意味がないんじゃないかな」


住民の賛否が分かれるなか、江戸川区は「おこめ券」配布の代わりに、低所得者世帯を対象にした「現金給付」を行う方針。


「おこめ券」を推奨する政府の方針に対しては、コメの販売店からも...


米屋のよっちゃん 吉田功 代表(5日)
「長期的な戦略的なビジョンがないというのは、みんな痛感してると思います。半年・1年、国民がそのおこめ券で生活が楽になるわけではないので、付け焼刃みたいな、その場しのぎの政策なので」


難しいかじ取りを迫られる物価高対策。その裏付けとなる財源も課題です。


「ワラ人形作られた」自民党税調は“嫌われ役”

2日、国の財政を議論する審議会が、片山財務大臣に意見書を提出。


財政制度等審議会 十倉雅和 会長(2日・財務省)
「財務財政余力を確保することが重要である」


安定的な財源を確保するよう、クギを刺したのです。


高市政権で決めた補正予算18兆円のうち、11兆円は国債に頼る状況。「安定的な財源」としての税金を巡る議論も、佳境を迎えています。


4日、自民党本部には減税を訴える業界団体の姿がありました。来年度の税制の見直しを議論する「税制調査会」へのアピールです。


今回、自民党税調の議論で目立つのは、減税のメニュー。


▼「住宅ローン減税」▼「自動車関連の減税」▼「投資に関する非課税枠の拡大」などが検討されている一方、代わりの財源としての増税の議論は控え目です。


自民党税調といえば、かつては、総理総裁ですら口出しをためらう「聖域」とも言われた“税制の権威”。必要と考えれば、世論の反対の強い増税を目指したことも。


その税調会長を6年務めた、野田毅・元衆院議員は、消費税の前身ともいえる“売上税導入”を目指した当時について...


元自民党税制調査会長 野田毅・元衆院議員
「ワラ人形が作られたんですよ。クギを打ち込まれて、市中引き回されて。きつかった」


税制見直しの議論が佳境を迎える自民党税調。かつて、その税調会長を6年務めた野田氏は、その役割について...


元自民党税制調査会長 野田毅・元衆院議員
「党税調は『嫌われ役』なんです。増税はみんな嫌だから。国民から喜ばれるようであれば、党税調は仕事をしていない」


“嫌われ役”の税調はどこへ... 「放漫財政」に警鐘

ただ、高市政権となって、その自民党税調にも変化が...


自民党 小野寺五典 税調会長(2日)
「新たな税調の体制の下、今までとの考え方を少し変えまして…」


財政規律派で知られる宮沢前会長は交代。その後任に指名された小野寺会長は、総理の意向を重視する考えです。


自民党 小野寺五典 税調会長(3日)
「高市総理の発言につきましては、皆さん重く受け止めている」


高市政権の掲げる「責任ある積極財政」によって、財政出動や減税メニューだけが先行することがあってはならないと、野田元税調会長は警鐘を鳴らします。


元自民党税制調査会長 野田毅・元衆院議員
「積極財政、万歳ではなくて、『責任ある財政』でいいんですよ。でなければ『放漫財政』です。国民の生活・暮らしを守っていくためには、目先の様々な要望に甘い顔をして、積極財政を加速するのはどうなのか」


今回の税制見直しの議論は、国民の暮らしを守るものとなるのでしょうか。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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