フランシスコ教皇が亡くなって16日。いよいよ次の教皇を決める選挙「コンクラーベ」が開かれます。有力候補者の名前が取りざたされるなか、「偽の情報」が出回るなど、すでに情報戦も繰り広げられています。
次の教皇選ぶ「コンクラーベ」まもなく開始
高柳光希キャスター:
いよいよ約14億人というカトリック教徒を率いる最高指導者「ローマ教皇」を選ぶ選挙、コンクラーベが行われます。このコンクラーベ、ラテン語で「鍵がかかった」という意味ですが、なぜこういった名前が付けられているか知ってますか。
肉乃小路ニクヨさん:
密室で決められるという話は聞いていたので、その密室にするために鍵がかかった部屋に入れられているのではないでしょうか。
高柳キャスター:
おっしゃる通りです。由来は13世紀にまでさかのぼります。教皇が変わるタイミングで約3年間、教皇が決まりませんでした。3年間空位が続き社会不安になり、市民が枢機卿らを鍵をかけて閉じ込めたというものが由来です。
2013年のコンクラーベの際、枢機卿の方は「(レストランを訪れ)おいしいカルボナーラを作ってくれないか。コンクラーベは4日目に入ると、乾燥したパンと水が出てくる」と冗談交じりに話していたそうです。
そして今回のコンクラーベですが、投票権を持っている80歳未満の候補者、133人が参加します。携帯電話の持ち込みが禁止されていて、外部との連絡は緊急時以外できません。さらに、1時間半前から通信電波を遮断する措置もとられています。
1人1票を持っており、投票用紙に名前を書いて手書きで投票します。3分の2以上の投票者が集まると決定しますが、情報漏えいを防ぐために投票用紙などは投票ごとに燃やし、その際に煙が出ます。この煙がコンクラーベの中でもかなり注目されています。
煙の色で結果を公表し、決まった場合は「白」、決まらなかった場合は「黒」となり、再び投票に移ります。見ている人たちも煙の色に一喜一憂する、そのような場面もあるそうです。
井上貴博キャスター:
一つの宗教の長を選ぶということ以上に、これは世界中の政治的な影響力も計り知れません。今回は日本人が2人参加しているということで、注目すべきポイントが多いなと感じます。
肉乃小路ニクヨさん:
フランシスコさんという以前の教皇が、世界の多様性を重視して枢機卿を選んだことで日本人も増えたという話は聞いてます。
愛され続けた教皇フランシスコ カレンダーやTシャツも今なお販売
高柳キャスター:
まもなくコンクラーベが始まるバチカンから伝えてもらいます。
仁熊邦貴記者:
私のすぐ後ろにサンピエトロ大聖堂がありまして、そのすぐ右奥にあるのがコンクラーベが行われるシスティーナ礼拝堂になります。
屋根の部分に付いている煙突は、5月2日にコンクラーベのために消防隊員らが設置しました。実はこのコンクラーベの期間しか煙突は見ることができないそうです。
新しい教皇が選ばれなかった場合は、煙突から黒い煙が上がり、選ばれた場合は白い煙が上がります。過去には白と黒が混ざって灰色の煙が出て混乱したということが何度もあったそうで、今は白い煙とともに同時に鐘が鳴らされることになっています。
コンクラーベは日本時間の7日午後11時半から始まります。まだ7時間ほど前ということもあり、こちらを訪れている人はそこまで多くはありませんが、今日1日で最大25万人が訪れるという予測もあります。
コンクラーベが始まるということで、こちらは非常に盛り上がっており、ホテルの価格も通常の2倍近くになっています。周辺には色々なグッズショップがあるので、コンクラーベにあやかった商品を探してみましたが、神聖なイベントということで関連商品は見つかりませんでした。
ただ、今も売れ続けているという商品があります。教皇フランシスコの写真が印刷されたTシャツです。こちらは今も売れ続けているということです。
さらにこちらの教皇フランシスコの写真が印刷されたカレンダーです。
実は2026年のカレンダーなのですが、こちらも売れているということです。教皇フランシスコは、平和を訴え続けて弱い人たちの声に耳を傾けた。市民の教皇として非常に人気が高く、今でも愛され続けています。
井上キャスター:
今のTシャツはおいくらぐらいですか?
仁熊記者:
10ユーロだったので約1600円ですね。カレンダーも、それぐらいの値段でした。
出水キャスター:
Tシャツとカレンダー両方に「PAPA」と書かれていましたから、いかに人々の心の支えになっていたかというのが伝わってきますね。
仁熊記者:
ちなみにカバンは売り切れていました。
井上キャスター:
広場に取材陣がいるという形だと思いますが、周辺にホテルなどがあるのですか?
仁熊記者:
ホテルが非常に多い地区になっていて、予約が取れない状態が続いています。
出水キャスター:
25万人を広場に収容できるのでしょうか?
仁熊記者:
4月に行われた葬儀の時も約25万人が集まったと言われていますが、この広場を埋め尽くすように人がいて、さらに道がずっと続いていますが、そこも人で埋め尽くされていて、入れないという状況が続いていました。
肉乃小路ニクヨさん:
投票用紙を燃やして煙を出すということですが「白い煙」と「黒い煙」はどのように色の違いを出すのでしょうか?
仁熊記者:
燃やすストーブも、普段はシスティーナ礼拝堂の中にはないそうで、今回特別に設置されたそうです。投票用紙を燃やすわけですが、化学薬品と一緒に燃やして「黒」と「白」の色を分けているということです。
井上キャスター:
今回もかなり時間がかかるのではないかと言われてますね。
仁熊記者:
バチカンで20年以上取材する記者に話を聞くと、6~7回ぐらい投票があるのではないかと言っていました。
枢機卿の皆さんは普段はここにはおらず、世界各地の教会にいて、ほとんどお互いのことを知らないそうです。さらに、教皇フランシスコの時代に枢機卿の顔ぶれは大幅に刷新されていて、投票する枢機卿133人のうち約8割にあたる108人が新しく任命された方だと言われています。
世界71か国にわたる枢機卿は、ほとんど一緒に過ごしたことがないので、この準備期間や投票期間を通じて投票先を決めていきます。さらに食事の時間などで密談をして、投票する先を一本化していくようなことも言われています。
==========
<プロフィール>
肉乃小路ニクヨさん
ニューレディー
銀行・保険会社など金融業界でキャリアを積む
独自の視点で経済・お金・人生観を語る
仁熊邦貴
JNNパリ支局長
2024年10月 大阪からドイツやイタリアなどEU各国で現地取材
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「水道水がおいしい都道府県」全国1位は?“蛇口からミネラルウォーター”の地域も【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】