エンタメ
2026-06-09 16:00
俳優の永作博美が主演を務める、TBS系火曜ドラマ『時すでにおスシ!?』(毎週火曜 後10:00)。いよいよ9日に最終回を迎える本作。坪井敏雄監督に親子の距離感や第二の人生を描く上で大切にしたこと、永作博美、松山ケンイチの印象、そして最終回の見どころについて話を聞いた。
【写真多数】豪華キャスト11人を一挙紹介!
■“親子の距離感”に込めたリアリティー
――第二の人生や家族の在り方を描く本作で、こだわったことや大切にしたことを教えてください。
本作は、自分の子どもが巣立っていった後、「この先どうしよう」と考えるところから始まる家族の物語です。
僕自身にも子どもがいますし、男女の違いはあれど、世代的にはみなとさんとほぼ同じ。また、撮影現場を支えるスタッフやその親世代も、ちょうど同じような年代の人が多くて。だからこそ、その世代ならではの実感やリアリティーが、多くの方に響くのではないかと思っていたので、丁寧に描けるように撮影していました。
――そのリアリティーを描く上で、特にこだわった部分はありますか?
親子の描写で特に大切にしたのは距離感です。
母親が息子に対してどのような距離感で接するのかという部分については、僕自身の目線だけではなく、女性プロデューサーの意見も参考にしました。また、事前にみなとさんと近い状況にいる50代くらいの方々へのリサーチも行っていました。
僕自身が直接お話を伺ったわけではありませんが、そのリサーチにはかなり時間をかけていて、その方々が実際にどんな生活を送り、どんなことを考えているのかといったリアルな部分を拾い上げながら、台本にも反映していきました。
■「お鮨を食べたい」と思ってもらえる映像を目指して
――永作さんとの対話の中で生まれたシーンはありますか?
台本制作の段階での話になりますが、永作さんご自身のお子さんとのエピソードを取り入れた部分があります。第1話で、みなとさんがベンチで渚の幼少期について語るシーンで、いくつか出てくるエピソードのうち、一部は事前に永作さんから伺ったお話を反映しています。
また、練習玉で思わず涙を拭うシーンも、永作さんのお話がきっかけでした。実際に練習用に持ち帰っていた練習玉しか手元になかった時に、感極まって涙が出てしまったことがあり、その練習玉で涙を拭ったというお話を聞いて、「それはいいな」と思い、作品に取り入れました。
第1話ラストのシーンに取り入れたことで、作品の中でも大事な場面になったと思います。永作さんとしっかりコミュニケーションを重ねたからこそ生まれたシーンでした。
――鮨アカデミーという舞台を描く上で、意識したことやこだわったことはありますか?
鮨アカデミーという場所には、さまざまな世代の人たちが一つの目的を持って集まります。日常生活ではなかなかない環境ですし、もう一度学生時代のように、仲間と同じ目標に向かうような感覚を味わえる場所でもあると思うんです。だからこそ、一致団結する空気感やチーム感もしっかり描いていきました。
監修・協力で入ってくださっている「銀座おのでら」が運営する「GINZA ONODERA 鮨アカデミー」の川澄健先生と、「銀座おのでら」統括総料理長・坂上暁史親方が常に撮影現場にいてくださったので、困った時にはすぐ助けていただけました。
食というのは、生きていく上でど真ん中にあるものです。視聴者の皆さんの「お鮨を食べたい」という気持ちをしっかり満たせるように、映像としてもおいしそうに見える撮り方を意識していました。
実際、僕らはいつも目の前でお預けを食らっているので(笑)。撮りながらおなかが空いてきたりするんですよね。
■永作博美の“姉御肌”と松山ケンイチの職人魂
――本作を通して感じた永作さんの印象を教えてください。
永作さんとは今回初めてご一緒させていただきました。撮影現場の中心にいてくださる方ですし、みんなを引っ張っていくパワーがあります。年齢を感じさせないほど本当にエネルギッシュで、全てを受け止めてくださる。とても素敵な女優さんです。
みなとさんは陸上部出身という設定なので、走るシーンに向けて「ちゃんと練習したほうがいいよね」という話になり、実際にコーチを呼んで練習を行いました。
その時、「まずアップしましょうか」と走り始めたら、永作さんを先頭に、その場にいたスタッフ7、8人まで自然と一緒に走り始めたんです(笑)。「そこまで引っ張ってくださるんだ」と驚きました。柔らかい姉御肌の魅力がある方です。
――松山さんについてはいかがでしょうか?
松山さんは、大江戸という特殊なキャラクターをどう作るか、ご本人も最初はかなり悩まれていました。
1クール前の日曜劇場『リブート』でもご一緒していて、その時はケーキ職人役に挑まれていましたが、今回は鮨職人。いろいろなネタを扱わなければいけませんし、魚をさばいたり開いたりもしなければなりません。何度も同じクオリティーのものを再現するのは簡単ではない中、本当に熱心に勉強されていた姿が印象的でした。
そうした積み重ねがあった上で、「笑わない人」という軸を持ちながらも、たまに見せる「しまった!」という表情などを加えながら、少しずつ大江戸というキャラクターを作り上げてくださいました。もしかするとやりすぎた部分もあったかもしれませんが(笑)、視聴者の皆さんも楽しみにしてくださっていた部分だったと思います。
改めて「さすが松山ケンイチさんだな」と感じました。引き出しが本当に多いですし、笑いを取る場面だけでなく、決めるべきところではしっかり芯のある芝居を見せてくださる。永作さんとの相性もとても良くて、素晴らしいコンビだったと思います。
――特にそう感じられた場面はありますか?
この作品の特徴でもあるのですが、お二人のシーンは比較的長く見せる場面が多いんです。
ただ二人が会話しているだけというシーンも多くて、作り手としては「どう見せようか」と悩むこともあるのですが、お二人の場合はかけ合いや表情のやりとりも含めて、ずっと見ていられるんですよね。
第1話を撮っていた時点で、「いいシーンができたな」と感じる場面がいくつもあって、これなら今後も安心してお二人のシーンを見せられるという手応えがありました。
例えば、第1話ラストの公園のシーンもそうですね。お二人の力があってこそ生まれた場面だったと思います。
■それぞれが選ぶ未来――最終回で描かれる“次の一歩”
――ほかにも本作を通して印象に残っている出来事はありますか?
柿木胡桃役のファーストサマーウイカさんとは、『凪のお暇』(2019年)以来だったのですが、本当にツボを押さえてくださる方ですし、とても器用なんです。手先も器用なので、むしろ下手に見せてもらわなければいけないくらい、実は何でも上手にできてしまう。
前半の撮影では、「胡桃のダメなところってこういうところですよね」といった話もしながら進めていきましたが、しっかり形にできたと思います。
僕が担当したのが第1話、第2話、第9話、最終回だったこともあって、佐野史郎さん演じる立石船男や、山時聡真さん演じる森蒼斗というキャラクターに、いつの間にかさまざまな設定が乗っかっていたことも面白かったです。
――最終回の見どころを教えてください。
みなとさんの目線でいうと、自分の息子がどんどん成長して離れていく。そういう親子の程よい距離感というものも、この作品の大きなテーマです。
第9話では、みなとさんの息子で、新幹線の運転士を目指す渚くん(中沢元紀)がテレビ番組に出演していました。
どれだけ自分の成長を親に見せられるかということも、ある意味では親孝行なのかなと思うので、渚くんの成長にも注目していただきたいです。
その上で、みなとさんと大江戸が最終回に向けてどんな選択をするのか。生き方という意味でも、二人の関係性という意味でも、大事な局面を迎えます。
さらに胡桃さん、立石さん、森くん、セザール(Jua)たちアカデミーの仲間が、この濃密な3か月を経てどんな道を選ぶのかも見どころです。
この作品には悪い人が出てこないので、安心して見ていただけると思います。家族や友人、自分自身のことを少し持ち帰って考えられるような、温かいドラマになっています。いろいろな世代の方に、『時すでにおスシ!?』を通して感じたことを、それぞれの形で受け取っていただけたらうれしいです。
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■“親子の距離感”に込めたリアリティー
――第二の人生や家族の在り方を描く本作で、こだわったことや大切にしたことを教えてください。
本作は、自分の子どもが巣立っていった後、「この先どうしよう」と考えるところから始まる家族の物語です。
僕自身にも子どもがいますし、男女の違いはあれど、世代的にはみなとさんとほぼ同じ。また、撮影現場を支えるスタッフやその親世代も、ちょうど同じような年代の人が多くて。だからこそ、その世代ならではの実感やリアリティーが、多くの方に響くのではないかと思っていたので、丁寧に描けるように撮影していました。
――そのリアリティーを描く上で、特にこだわった部分はありますか?
親子の描写で特に大切にしたのは距離感です。
母親が息子に対してどのような距離感で接するのかという部分については、僕自身の目線だけではなく、女性プロデューサーの意見も参考にしました。また、事前にみなとさんと近い状況にいる50代くらいの方々へのリサーチも行っていました。
僕自身が直接お話を伺ったわけではありませんが、そのリサーチにはかなり時間をかけていて、その方々が実際にどんな生活を送り、どんなことを考えているのかといったリアルな部分を拾い上げながら、台本にも反映していきました。
■「お鮨を食べたい」と思ってもらえる映像を目指して
――永作さんとの対話の中で生まれたシーンはありますか?
台本制作の段階での話になりますが、永作さんご自身のお子さんとのエピソードを取り入れた部分があります。第1話で、みなとさんがベンチで渚の幼少期について語るシーンで、いくつか出てくるエピソードのうち、一部は事前に永作さんから伺ったお話を反映しています。
また、練習玉で思わず涙を拭うシーンも、永作さんのお話がきっかけでした。実際に練習用に持ち帰っていた練習玉しか手元になかった時に、感極まって涙が出てしまったことがあり、その練習玉で涙を拭ったというお話を聞いて、「それはいいな」と思い、作品に取り入れました。
第1話ラストのシーンに取り入れたことで、作品の中でも大事な場面になったと思います。永作さんとしっかりコミュニケーションを重ねたからこそ生まれたシーンでした。
――鮨アカデミーという舞台を描く上で、意識したことやこだわったことはありますか?
鮨アカデミーという場所には、さまざまな世代の人たちが一つの目的を持って集まります。日常生活ではなかなかない環境ですし、もう一度学生時代のように、仲間と同じ目標に向かうような感覚を味わえる場所でもあると思うんです。だからこそ、一致団結する空気感やチーム感もしっかり描いていきました。
監修・協力で入ってくださっている「銀座おのでら」が運営する「GINZA ONODERA 鮨アカデミー」の川澄健先生と、「銀座おのでら」統括総料理長・坂上暁史親方が常に撮影現場にいてくださったので、困った時にはすぐ助けていただけました。
食というのは、生きていく上でど真ん中にあるものです。視聴者の皆さんの「お鮨を食べたい」という気持ちをしっかり満たせるように、映像としてもおいしそうに見える撮り方を意識していました。
実際、僕らはいつも目の前でお預けを食らっているので(笑)。撮りながらおなかが空いてきたりするんですよね。
■永作博美の“姉御肌”と松山ケンイチの職人魂
――本作を通して感じた永作さんの印象を教えてください。
永作さんとは今回初めてご一緒させていただきました。撮影現場の中心にいてくださる方ですし、みんなを引っ張っていくパワーがあります。年齢を感じさせないほど本当にエネルギッシュで、全てを受け止めてくださる。とても素敵な女優さんです。
みなとさんは陸上部出身という設定なので、走るシーンに向けて「ちゃんと練習したほうがいいよね」という話になり、実際にコーチを呼んで練習を行いました。
その時、「まずアップしましょうか」と走り始めたら、永作さんを先頭に、その場にいたスタッフ7、8人まで自然と一緒に走り始めたんです(笑)。「そこまで引っ張ってくださるんだ」と驚きました。柔らかい姉御肌の魅力がある方です。
――松山さんについてはいかがでしょうか?
松山さんは、大江戸という特殊なキャラクターをどう作るか、ご本人も最初はかなり悩まれていました。
1クール前の日曜劇場『リブート』でもご一緒していて、その時はケーキ職人役に挑まれていましたが、今回は鮨職人。いろいろなネタを扱わなければいけませんし、魚をさばいたり開いたりもしなければなりません。何度も同じクオリティーのものを再現するのは簡単ではない中、本当に熱心に勉強されていた姿が印象的でした。
そうした積み重ねがあった上で、「笑わない人」という軸を持ちながらも、たまに見せる「しまった!」という表情などを加えながら、少しずつ大江戸というキャラクターを作り上げてくださいました。もしかするとやりすぎた部分もあったかもしれませんが(笑)、視聴者の皆さんも楽しみにしてくださっていた部分だったと思います。
改めて「さすが松山ケンイチさんだな」と感じました。引き出しが本当に多いですし、笑いを取る場面だけでなく、決めるべきところではしっかり芯のある芝居を見せてくださる。永作さんとの相性もとても良くて、素晴らしいコンビだったと思います。
――特にそう感じられた場面はありますか?
この作品の特徴でもあるのですが、お二人のシーンは比較的長く見せる場面が多いんです。
ただ二人が会話しているだけというシーンも多くて、作り手としては「どう見せようか」と悩むこともあるのですが、お二人の場合はかけ合いや表情のやりとりも含めて、ずっと見ていられるんですよね。
第1話を撮っていた時点で、「いいシーンができたな」と感じる場面がいくつもあって、これなら今後も安心してお二人のシーンを見せられるという手応えがありました。
例えば、第1話ラストの公園のシーンもそうですね。お二人の力があってこそ生まれた場面だったと思います。
■それぞれが選ぶ未来――最終回で描かれる“次の一歩”
――ほかにも本作を通して印象に残っている出来事はありますか?
柿木胡桃役のファーストサマーウイカさんとは、『凪のお暇』(2019年)以来だったのですが、本当にツボを押さえてくださる方ですし、とても器用なんです。手先も器用なので、むしろ下手に見せてもらわなければいけないくらい、実は何でも上手にできてしまう。
前半の撮影では、「胡桃のダメなところってこういうところですよね」といった話もしながら進めていきましたが、しっかり形にできたと思います。
僕が担当したのが第1話、第2話、第9話、最終回だったこともあって、佐野史郎さん演じる立石船男や、山時聡真さん演じる森蒼斗というキャラクターに、いつの間にかさまざまな設定が乗っかっていたことも面白かったです。
――最終回の見どころを教えてください。
みなとさんの目線でいうと、自分の息子がどんどん成長して離れていく。そういう親子の程よい距離感というものも、この作品の大きなテーマです。
第9話では、みなとさんの息子で、新幹線の運転士を目指す渚くん(中沢元紀)がテレビ番組に出演していました。
どれだけ自分の成長を親に見せられるかということも、ある意味では親孝行なのかなと思うので、渚くんの成長にも注目していただきたいです。
その上で、みなとさんと大江戸が最終回に向けてどんな選択をするのか。生き方という意味でも、二人の関係性という意味でも、大事な局面を迎えます。
さらに胡桃さん、立石さん、森くん、セザール(Jua)たちアカデミーの仲間が、この濃密な3か月を経てどんな道を選ぶのかも見どころです。
この作品には悪い人が出てこないので、安心して見ていただけると思います。家族や友人、自分自身のことを少し持ち帰って考えられるような、温かいドラマになっています。いろいろな世代の方に、『時すでにおスシ!?』を通して感じたことを、それぞれの形で受け取っていただけたらうれしいです。
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