
イチローさん(52)がスポーツを好きになる喜びやうまくなる楽しさを子どもたちに伝えるイベント、「第1回 イチローDREAM FIELD DAY(ドリームフィールドデイ)」(11月29日、埼玉・和光市)が開催され、コーチとして参加したテニスの錦織圭(35)、サッカー元日本代表の内田篤人さん(37)とともに小学4年生~中学3年生の161人と交流した。
イベントを通じて、イチローさんが子どもたちに伝えたかった思いとは―。さらに、今オフメジャー挑戦を表明している岡本和真(29)、村上宗隆(25)がメジャーで成功するためのポイント、来年3月に迫ったWBCを戦う侍ジャパンの選手たちへの思いを聞いた。
メジャーで戦うポイントは“前”の打球
Q.子どもたちと交流して、野球を好きになってくれるかなという予感だったり、感触だったりは?
イチロー:うまくできる、今までできなかったことができる、その感触を味わってほしい。いずれ野球という競技に興味を持ってもらう、そのきっかけになったら凄く嬉しいです。
Q.イチローさん自身も若い世代と触れ合うことで何か刺激を受けたりってありますよね。
イチロー:若い世代にもほどがあるけどね、今日は(笑)単純にかわいい、楽しそうにしている表情を見たら僕も幸せな気持ちになる。
Q.メジャーリーグと子どもたちの未来について。イチローさんはかねてから、日本人メジャーリーガーに野手が少ないとおっしゃってますよね。今回村上選手、岡本選手と野手がメジャーリーグに挑戦します。
イチロー:最高のバッターの2人でしょう、日本で。それがDHじゃなくて、野手として毎日見られる。やっぱり守備も見たい。すごく楽しみにしてます。
Q.イチローさんは外野手ですけれども、戦っていくためにメジャーでどんなことが必要になってくると思いますか。
イチロー:サードは“前”でしょうね。前の打球で下から投げられるか。体勢を立て直して、じゃなくて、片手でいける。右でベアハンド(素手)で捕って、強い球が投げられるかどうか。こいつ弱いと思うともうそこを一気に攻められる。なかなかそれは、大変なことだと思うんですけど、アメリカでプレーしてる選手はマイナーの選手はみんなできますからね。サードは結構それがポイントだと思いますね。
きっかけはイチローさんのタイムリー
Q.村上選手が小学生の頃、09年のWBC(第2回)決勝のイチローさんのセンター前のタイムリーを見て野球により打ち込んだそうです。来年3月にWBCが迫っていますが、選手たちのプレーが子どもたちにどのような影響を与えてほしいですか。
イチロー:16年前になるんだね、もう。それが今度はメジャーリーグに挑戦するっていう、いいね。そのストーリーは理想的ではあるんですけど。子どもたちはやっぱり影響を受けます。トップのレベルの野球、どんな選手なのか、どんなプレーをするのか。あとはどんな態度でプレーするのか。これは高校生にも伝えることがあるんですけど、選手たちの姿を子どもたちが見てる。影響を受けやすいんですよね。好きな選手がこういう態度でプレーしているっていうのが、もう素直に入ってくる。良くも悪くも。だからそれは日本代表としてプレーしてる選手たちには、意識してほしい。ただ感情を表すんじゃなくて、これを見て影響される人たち、子どもたちがたくさんいるっていうことは知っておいてほしいといつも思ってます。
Q.イチローさんは、今後大好きな野球とどういう向き合い方をしていきますか?
イチロー:どうしましょうね。僕は体が動くうちは、今やってることを。例えば、九州国際大付には、牟禮 翔(むれ しょう、2年)っていうとんでもないバッターがいます。チーム全体として「いやもうイチローいらないだろ」って。「いや俺たちの方が上手いだろう」って、チームのほとんどがそうなったら、僕はそこ行って見せる理由がないから。そこまで僕が落ちてしまうか、もしくは彼らが上がってくるか。彼らに上がって欲しいですけど、僕はなるべくキープしたいし、なんだったら上がりたいって思ってる。そこは大事にしてるところですね。
今回みたいに競技の違うトップの選手と交流して、こういうことも面白いなって。新しいことなんで、今までやってることをもちろん継続しつつ、外に出て、身体を動かして太陽を浴びてっていうのは、人間にとって、すごく大事なことなんだっていうことを伝えていけたらいいですね。これからも。
・「インフルにかかる人・かからない人の違いは?」「医師はどう予防?」インフルエンザの疑問を専門家に聞く【ひるおび】
・【全文公開】“ラブホテル密会” 小川晶・前橋市長の謝罪会見【後編】「どちらからホテルに誘うことが多かった?」記者と小川晶市長の一問一答(9月24日夜)
・「あんな微罪で死ぬことはないだろう…」逮捕直前にホテルで命を絶った新井将敬 衆院議員「この場に帰って来れないかもしれないけども、最後の言葉に嘘はありませんから」【平成事件史の舞台裏(28)】
