自民党の派閥の裏金事件の解明に向けて、衆議院・予算委員会は、安倍派の会計責任者だった松本淳一郎氏への参考人聴取を行いました。焦点のキックバック再開の経緯についても、新たな事実が明らかになっています。
【写真を見る】聴取を受け、下村氏は取材に対し「私自身が再開を指示したことはない」
「現職の議員ではありません」“異例”参考人聴取で新たな事実
27日朝、都内のホテルで行われた安倍派の元会計責任者・松本氏の参考人聴取。衆議院・予算委員会の安住委員長や与野党の理事が出張し、質疑は非公開という異例の形で実施されました。
焦点となったのは、政治資金パーティー券のノルマ超過分のキックバックがいつ始まったのか。そして、再開した経緯でした。
安住淳 予算委員長
「『事務局長として、あなたが不記載を所属議員に指示をしたのか』と質問をいたしました。これについて松本氏は、『私自身は指示したつもりはございません』『前任の事務局長から“こういうやり方をやっている”と伺っていました』。(松本氏が)『いつからやっているのですか』と伺っても、(前任の事務局長から)『分からない』と言われた」
2022年にキックバックを再開した経緯については。
安住淳 予算委員長
「幹部会議の出席者および、還流の再開を求めた“ある幹部”について質しました。(松本氏は)『お名前の言及は差し控えます』と。『その方は現職ですか』と確認したところ、『現職の議員ではありません』という返答がありました」
松本氏は、「安倍派の幹部から再開を求められた」「その幹部は現職議員ではない」ことを明らかに。
また、キックバックの取り扱いについて話し合った2022年8月の幹部会議について、「これまでのやり方を引き継ぐことになった。どうやってもおかしいと思って、私はおかしいと申し上げた」と証言。
この幹部会議に参加したのは塩谷元文科大臣ら4人で、このうち現職でないのは塩谷氏と下村元文科大臣の2人です。
安住淳 予算委員長
「結論から言えば、この2人のうちのどちらかということになるんではないかとは思ってます。今の時点でそれ以上のことは申し上げられません。ただ、松本氏もかなり明確におっしゃってたのは、『自ら進んで、議員は話してほしい』と」
27日の聴取を受けて下村氏はJNNの取材に対し、「私自身が再開を指示したことはない」と否定。一方で、2022年7月ごろ、再開を求める安倍派内の声を松本氏に伝えたとも明らかにしました。
ただ、「キックバックを復活しろと言ったわけではない」と主張しました。
立憲民主党 山井和則 予算委筆頭理事
「こういう責任を松本さんだけが取らされて理不尽だなということは、みんな感じたんじゃないでしょうかね。そういう意味では改めて、やっぱり意思決定をした安倍派幹部の責任が重い」
野党側は、「食い違いを確認する必要がある」と主張しています。
星浩さん「はっきりさせる必要が出てきた」
ホラン千秋キャスター:
だんだんと、キックバックを再開したのはどなたかなのか、絞られてきてはいますが…
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
2つポイントを申し上げます。
1つは、いつまでこの問題をやっているんだって話がありますよね。しかし、それは議員が事実関係をはっきりさせないから、やらざるを得ないというのが実態です。
それからもう1つ、この問題になぜみんながこだわるのかというと、1度はキックバックをやめようと確認して、その後再開した。やめようと確認したということは、違法で、悪いことをやっている自覚があったということです。
ということは、これは法的に立件される可能性があります。それでみんな逃げ腰になっているんですけれども、ここまでだんだん焦点が絞られてくると、やっぱり決着をつけましょうと。明確に誰がどういう形で言ったのか。
必要があれば立件の手続きを進めてもらうということをやらないと、全体がうやむやのままになって、いつまでも続きます。他の政策を進める上でも、はっきりさせる必要が出てきたと思います。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年
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