安倍元総理が銃撃された事件の裁判で山上徹也被告の母親が出廷し、旧統一教会に入信したいきさつなどについて証言しました。裁判では、安倍元総理の妻・昭恵さんの上申書も読み上げられ、「ただ生きていてほしかった」などと悲痛な思いが述べられました。
「半年で5000万円」山上被告の母親が語る“旧統一教会”
衝立に囲まれ、時折、言葉を詰まらせながら語りました。
山上被告の母親
「本来であれば事件後、すぐにでも謝罪しなければと思っていたけど、なかなかできなかった。次男である徹也が大変な事件を起こしたことを心よりおわび申し上げます」
安倍元総理銃撃事件の裁判でこう謝罪したのは、山上徹也被告の母親です。
山上被告は2022年7月、奈良市で応援演説中だった安倍元総理を手製のパイプ銃で撃ち、殺害した罪などに問われています。
山上徹也被告(逮捕後の取り調べ)
「母親が旧統一教会にのめりこみ、多額の借金をして破産した」
旧統一教会に恨みがあり、安倍元総理が教団の関連団体にビデオメッセージを寄せていたことから殺害を決意したとみられている山上被告。
10月の初公判では「すべて事実です」などと起訴内容を認めています。
争点となっているのが「量刑」。母親が傾倒したとされる旧統一教会の活動が、事件の動機にどう影響したかという点です。
13日の裁判で、弁護側の証人として出廷した山上被告の母親。今、信仰している宗教について問われると…
山上被告の母親
「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)です」
裁判前に行ったJNNの取材に対し、母親は事件のあと、旧統一教会への信仰心が「より強くなった」と語っています。
入信した経緯については…
山上被告の母親
「統一教会(当時)の若い女性が訪ねてきて、長男(の病気)の話をした。その後、『姓名判断しましょう』『家系図を見たらいい』と言われ、教団の施設に来てくれと言われた」
その後、信者となった母親は「夫の自殺や長男の病気に心を痛め、半年ほどで5000万円の献金を行った」などと述べました。
弁護側
「5000万円払えば、(長男が)助かるかもしれないと思ったのか」
山上被告の母親
「そうです」
献金の元手は、6000万円の夫の生命保険金だったということです。
「ただ生きていてほしかった」安倍昭恵さんの上申書も読み上げ
また裁判では、安倍晋三元総理の妻・昭恵さんが記した上申書が読み上げられました。
安倍昭恵さんの上申書
「事務所から電話があり『夫が撃たれた』と。思わず『えーっ』と大きな声を出してしまいました。病院に着いて、医師から説明を受けて『ああ、ダメなんだ』と、夫の死を悟りました。耳元で『しんちゃん、しんちゃん』と呼んだら、手をほんの少し握り返してくれたように感じました。体はまだ温かく、頑張って待ってくれていたんだなと。ただ夫に生きていてほしかった。夫に長生きしてもらいたかったのです。それが妻である私の心情です」
判決は、2026年1月21日に言い渡される見通しです。
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