LTE今更聞けないスゴさと素朴な疑問!速度は? CAって? キャリアの違いって?
2016-10-07 10:00:00
スマホやガラケー所有者が電話をかけたり、インターネットにアクセスしたりするときに使われる通信規格が「LTE(4G)」(または4G LTE)。みなさんは、この通信規格について、どのくらい知っていますか?
たとえば接続速度、高速だと言ってもどのくらいの速度なのか? またLTEだったら、仕組みはドコモでもauでもソフトバンクでも変わらないのか? 今後はどうなっていくのか?といったことについて解説していきたいと思います。
LTEの名前が表す意味
LTEとはLong Term Evolutionの略称です。この言葉は規格全体を表しています。「LTEとはこの技術だ」というようなカッチリと決まった定義がされていないのです。
Long Term Evolutionとは、文字通りLong(長い)、Term(期間)、Evolution(進化)、「長い期間をかけて進化していく」という意味になります。わかりやすく解説すると「次世代通信規格への移行を長い時間をかけて進化させていく途中の技術」という意味になります。
そのため日本の大手キャリアであるドコモ、au、ソフトバンクでは、各社のLTE通信で割り当てられている周波数帯に違いがあります。ドコモはドコモが使える範囲、auはauが利用できる範囲、ソフトバンクはソフトバンクの割り当て範囲でLTE通信サービスを提供しています。
そのため通信できる最大速度が違ったり、SIMフリー端末を使った場合、対応している周波数の違いで特定のキャリアだけ通信が遅くなってしまったり(全周波数に対応していない)といったようなことが起きます。
各キャリアが提供するLTEの速度
このLTEですが、ドコモではXi(クロッシー)と呼ばれるサービスがLTEになります。当初は最大75Mbpsでのサービスでしたが、その後、112.5Mbps、150Mbpsといった具合に最大速度を向上してきています。
これは、複数の周波数帯で通信を行うように技術が進化(Evolution)してきたためです。同様にauでは最初は75Mbpsから始まり、100Mbps、150Mbpsへと進化してきました。ソフトバンクも76Mbps、110Mbps、150Mbpsへと進化してきました。
そして各社の速度は、現在ではより高速になってきています。その理由が「CA」(キャリアアグリゲーション)と呼ばれる技術です。
「CA」(キャリアアグリゲーション)とは?
最近よく目にするのが「CA」(キャリアアグリゲーション)。 CAは、通信規格の異なる方式を同時に利用することで速度を高める技術です。 75Mbpsの速度が最大であったとしても、その回線を2本同時に利用することで75+75=150Mbpsへと速度を向上させることができます。
たとえば、LTE通信に加えてWiMAX2+通信、LTE通信に加えてWi-Fi通信、といったように規格の異なる方式を同時に利用することで通信の高速化を行うわけです。
キャリアごとに提供しているサービスが異なるので、このCAを利用した最大速度は、ドコモが262.5Mbps、auが225Mbps、ソフトバンクが187.5Mbpsとなっています。
通信速度は理論値でしかないことに注意
最大で262.5Mbpsで通信できるからといっても、それは理論的な値です。 実際の速度は理論値の6~8割程度、実際の速度にして最大210Mbps程度であると考えたほうがいいでしょう。
そして、その最大210Mbpsの回線(基地局)に通常は、数人(4~5人)が接続します。基地局1つにつき、数十回線以上が用意されていますが、数人で1回線分の速度を分け合うようになっています。
つまり、最大実効210Mbpsの回線を丸ごと1台のスマホで利用できれば非常に高速ですが、210Mbpsを5人で分け合うとなると210Mbps÷5人=42Mbps相当となる可能性もあるのです。
本来は端末1台ごとに1回線を丸ごと分け与えることができることが理想です。 しかし、実際にはそうした仕組みは、コストや設備からみても不可能といってもいいでしょう。となると、通信の快適さを改善するためには、回線の速度を高速化していくことが効果的というわけなのです。
実際はもっと複雑なのですが、ざっくりした計算でいえば、 どんな人にも100Mbps以上で通信できるようにしようとした場合、 5人が1回線に接続しても、元の通信回線で500Mbps以上の速度が確保されていれば、提供できるわけです。 各キャリアが躍起になって通信速度を向上させているのは、こうした理由もあるのです。
ちなみにスマホのSIMフリー端末では、対応している周波数が異なるため、キャリアごとに接続速度が異なったりしますので、事前にチェックしておくといいでしょう。
日本で大人気のiPhoneですが、こちらは3大キャリアに対応しているので、そうしたことを気にせずにキャリアを乗り換えることができます。
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情報提供元: クチコミ.jp