ソニーと”ツアイス”の融合がコレだ!動画撮影にも使える「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA」
2016-12-05 19:00:00
ソニーのフルサイズに対応するEマウント用レンズ「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)」は、カール・ツァイスレンズの描写力を味わえるハイエンド単焦点レンズだ。
50mm F1.4と言えば、35mm判では標準レンズと呼ばれ単焦点レンズとしてもポピュラーな存在だ。その特徴はF1.4という明るさながらコンパクトで比較的価格が安いというもの。
しかし、Planar T* FE 50mm F1.4 ZAは昨今の高画質ハイエンドレンズの風潮に乗ったプロ、ハイアマチュアの厳しい要求にも応える本格的なレンズだ。 外観は50mmレンズとは思えないほど重く、下手なズームレンズよりも大きい。そんな大きくて重いレンズを金属外装でしっかりと包み込んでいる。
レンズ鏡筒の根元には絞りリングがあり、オートのほかに絞りリングでマニュアル操作が可能だが、動画撮影時のいわゆる滑らかなアイリス操作を実現するために側面には「クリック」スイッチがある。このスイッチをオフにすると絞りリングのクリックがなくなり、滑らかな絞り操作が可能となる。
また、ツアイスレンズでありながらオートフォーカスでピント合わせができるのもαシリーズの特権だ。 シビアなピント合わせもαシリーズのコントラストAFと位相差AFを組み合わせたオートフォーカスなら、狙ったところにピッタリと合うのだ。
最近は使うことがなくなった公衆電話を絞り開放で撮影してみた。 絞り開放ではピント面が非常に狭くなるのだが、一方で収差を抑えているため収差に埋もれることなくピント面が100%その解像感を保っているように感じた。 ボケ味は自然にとろけるようにボケていく。なめらかにボケていき、そしてプッシュダイヤル付近の小さな文字はもう読むことができないほどボケている。
F5.6まで絞った遠景の描写は文句なしの解像力を発揮した。 α7R IIの高解像度4240万画素イメージセンサーの性能を引き出し、遠くのベランダ手すり一本一本がしっかりと解像している。
50mmといえば望遠レンズではないが、あまりにも雲が巨大だったためまるで望遠レンズで一部を切り出したかのような写真が撮れた。 太陽の光が当たって真っ白に見える部分と、雲の厚さで徐々に暗くなっていくグラデーションがしっかりと繋がっている。流石に雲に解像感は関係ないが、それでも輪郭には細かい粒子があるように感じられた。
絞りを少し絞ってF2で解像感とややボケを狙って古さを出してみた。鉄のサビ感と表面のザラザラ感がしっかりと描写されているが、数cm奥にある壁面の模様はもうボケ効果がきいている。
横からの太陽光があたる綺麗なテーブルを絞り解放F1.4で撮影。存在感のある立体的な画になった。周辺の柔らかいボケとテーブルの影が美しい。
古い建物と新しい建物が並ぶ築地市場付近は独特のコントラストがあって面白い。壁面の模様やヒビ、塗装のハゲなどがリアルだ。対照的に新しい建物は汚れ一つない綺麗な壁面が手に取るようにわかる。
50mmレンズはスナップ撮影には狭すぎると感じるかも知れないが、撮りたいものが明確なら広角レンズより扱いやすい。絞り開放で被写体を浮き上がらせることもでき、表現の幅と使い勝手の良さがある。
極端なパースが付かないため、街撮りでも自然なバランスの写真撮影ができる。反面広角レンズのような効果が付けづらいため、パースペクティブによるインパクトのある写真は苦手だ。
Planar T* FE 50mm F1.4 ZAは、カール・ツァイスのプラナーレンズらしい像面平坦性と光学設計によって、絞り開放から安定した像面と高コントラストを実現している。 映画のような被写界深度の浅い動画撮影にも適しており、プロユースも視野に入れてしっかりと作り込まれている。
サイズ感から気軽なスナップ撮影用レンズとはいかないが、ポートレート撮影や記録写真、映像製作など本格的な用途に最適化された、ずっと使い続けられる一本だと言える。
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情報提供元: クチコミ.jp