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ダイヤル操作によるクラシックカメラのDNAを受け継いだ「X-Pro2」操作性をチェック

2016-12-13 10:00:00

クラシカルなデザインが特徴的な富士フイルムのハイエンドミラーレスカメラ「X-Pro2」の特徴的な機能を紹介する。

X-Pro2は、ダイヤル操作を中心としたクラシックカメラの良さをデジタルカメラと融合させ、「今風」に進化させたミラーレスカメラだ。それは、デザインや質感、そして操作性を含めたカメラの趣味性を極めると同時に、プロ向けとしても信頼性のある操作方法が作品作りに役立つという側面も持つ。

これまで富士フイルムの「X」シリーズやクラシックカメラを使いこなしているユーザーなら今更となるかも知れないが、クラシカルな操作系をもつX-Pro2だからこそ、ダイヤル操作による露出設定についてあらためて紹介していきたいと思う。

ボディー正面にはシャッタースピードダイヤル、レンズの根元には絞りリングがある。シャッタースピード、絞りリングともに「A」ポジションがあり、両方をAにすることでシャッタースピードや絞りを自動で調整して露出を決める「プログラムオート」モードになる。

シャッタースピードをAにしたまま、絞りリングを回して、例えば、 F2に設定することで「絞り優先オート」となり、絞り値F2にあわせてシャッタースピードが自動で決定する。

この状態でシャッタースピードダイヤルを変更すると「マニュアル露出」になる。 モニターに表示される指標を目安としてシャッタースピードや絞りリングを調整することで、自分が意図した「明るさ」で撮影できる。

さらにこの状態で絞りリングをAに戻せば「シャッタースピード優先オート」となる。 このように、それぞれのダイヤルの組み合わせで、露出モードを直感的に切り替えながら撮影ができるというわけだ。 また、シャッタースピードダイヤルでは1段刻みというやや大雑把な露出設定しかできないが、前面のフロントコマンドダイヤルで1/3段刻みの露出調整が可能だ。

X-Pro2の特徴は、露出設定をクラシカルなダイヤル操作で行えるだけではない。マニュアルフォーカスについても、しっかりと作り込まれている。

レンジファインダーカメラのような外観をしているだけに、距離計によるピント位置の確認はもちろん可能だが、クラシックカメラの光学ファインダーに仕込まれたスプリットイメージを電子的に再現した「デジタルスプリットイメージ」で確実なピント合わせを可能としている。

デジタルスプリットイメージは、分割されたイメージのズレをピントリングで調整するというもので、イメージのズレがなくなるとピントが合致したことを示す。OVFや背面モニターではピントの確認が難しいが、この方法なら確実にピント合わせができる。

また、OVFでも電子スプリットイメージが表示されるのも、ファインダーにこだわり続けたX-Pro2の誇れる点だ。

そのほか、コントラスト方式によるピークポイントを色で表示する「フォーカスピーキング」機能もある。フォーカスピーキングは画面全体のどこでもピント合わせが可能なので、三脚で固定した状態でも素早くピント合わせが可能だ。しかし、コントラストが低い被写体など苦手なケースもある。

このように、クラシックカメラの露出コントロールやマニュアルフォーカスの良さを受け継ぎ、現代風にさらに進化させているというのがX-Pro2というカメラだ。

一方で、最先端とも言える位相差AFや画面を埋め尽くすほど広いAFエリアなど、デジタルカメラとしての性能もしっかりと追求している。 前回紹介したとおり、秒間8コマの連写など基本機能はハイレベルだ。

側面にはSDカードスロットが2つあり、2枚のSDカードを大容量ストレージとして使用する「順次記録」や、2枚のSDカードに同じデータを記録する「バックアップ記録」、RAWデータとJPEGデータを分けて記録する「RAW/JPEG分割記録」などプロ仕様に応える機能を搭載する。

X-Pro2の基本撮影機能はダイヤル操作で行えるが、デジタルカメラとして豊富な機能をもつためよく使う機能を簡単に呼び出したいと思うもの。そこで活用できるのがファンクションボタンなどに機能をカスタマイズする機能だ。上面のFnキーなどのほかに、背面の方向キーなど様々なキーを自分用にカスタマイズできるので便利だ。

クラシックカメラのDNAを持つX-Pro2の機能を中心に紹介してきたが、次回はデジタルカメラとしての画質などをISO感度別の比較をもとにチェックしてみたいと思う。

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情報提供元: クチコミ.jp

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