ISO102400の高感度撮影に対応する「EOS 5D Mark IV」の新イメージセンサーテスト
2017-01-15 19:00:00
キヤノン「EOS 5D Mark IV」は、35mm判フルサイズイメージセンサーを搭載。
前機種から画素数を上げ、さらにレスポンスも良くなるなどデジタルカメらしい進化を遂げている。今回は、有効画素数約3040万画素となった新しいイメージセンサーの特徴を探ってみたいと思う。
EOS 5D Mark IVに搭載される35mmフルサイズ 約3040万画素CMOSセンサーは、常用ISO感度100~32000、拡張ISO感度として102400に対応する。イメージセンサーに内蔵されたデュアルピクセル CMOS AFによって、デジタル一眼レフカメラの中でも最高クラスの高速ライブビューAF撮影が可能だ。さらに、タッチパネルによるAFポイント指定が使いやすいと感じた。
動画機能としては、デジタルシネマ規格であるDCI 4K(4096×2160ドット)30Pの高精細な動画撮影を可能としている。これまでの「EOS 5D」シリーズの中でも、ライブビューおよび動画撮影機能が進化したモデルといえる。
新機能の一つとして、位相差オートフォーカスを実現するために1つの画素を2つに分けたデュアルピクセル CMOSの機能を利用した「DPRAW」機能を搭載する。この機能は付属の画像編集ソフト「DPP(Digital Photo Professional)」で、ピントの位置の調整およびボケの位置を変更することができる。
実際に試してみたところ、ピント位置の変更は微調整というレベルで、まつげの先コンマ数ミリピントを調整したいという用途なら実用できるかな…というところだ。背景のボケシフトに関しても、遠景のボケが左右に動かすことができるのだが、静止画では劇的に変わるというわけではないため使いこなしが難しいと感じた。
一方で、DPRAWで保存したファイルは一般的なRAWデータの倍の容量となっているため、縦方向の画素補完で6000万画素相当の画像生成ができるのでは?と妄想してしまうのだが、どうだろうか?
それでは、恒例のISO感度別比較を行ってみたいと思う。今回は、ISO3200からISO102400までを1段ずつISO感度を変更して撮影を行った。
ISO100はノイズがなく高精細。レンズの性能がそのまま反映される、そんなシビアな画素数だ。
画素ピッチが狭い高画素機だけにISO3200でもノイズリダクションの影響が若干みられるが、極端な荒れはなくコントラストもしっかりと出ている。ISO6400では輝度ノイズが若干増えた印象を受けるが輪郭などしっかりとしており実用的な感度と言えるだろう。
ISO12800では、色が均一ではなくまだら模様が見え始めている。常用できるISO感度の上限はこのあたりだろうか。
ISO25600では色の分離が悪くなり、輪郭がぼやけはじめている。拡張感度となるISO51200ではカラーノイズも出始めており、輪郭がかなり甘い。最高感度設定となるISO102400では、カラーノイズと輝度ノイズによってコントラストも低下している。いわば手持ち撮影をせざるを得ないような緊急用のISO感度と言える。
ISO感度の上限はISO6400もしくはISO12800と言ったところだが、3040万画素の高画素機でこの高感度耐性は素晴らしい。
次回は、EF24-70mm F4L IS USMによる実写チェックを行ってみたいと思う。
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情報提供元: クチコミ.jp