富士フイルム「X-Pro2」の完成度の高いフィルムシミュレーションと高感度の画質に驚愕
2017-02-28 10:00:00
クラシカルなデザインが特徴的な富士フイルムのハイエンドミラーレスカメラ「X-Pro2」に搭載される新イメージセンサーの画質はどうだろうか?
X-Pro2のダイヤルによるアナログ操作は、自然に写真を一枚一枚丁寧に撮りたくなるから不思議だ。そのためファインダーでのピント合わせも楽しくなる。
そんなX-Pro2のデジタルな部分、イメージセンサーと画像処理についてチェックしてみたいと思う。
搭載するイメージセンサーは新開発の「X-Trans CMOS III」、2430万画素の高精細画質に加えて像面位相差オートフォーカスを実現するための画素の範囲も広がり実用性も高くなっている。設定できるISO感度は100から51200まで、便利なズームレンズを使用する際には高感度でも綺麗に撮れることがありがたいのだが、果たして高感度画質はどうだろうか?
こちらはISO200で撮影したものだが、この中央付近をISO1600から51200までテスト撮影してみたので、それで画質をチェックしていこう。
ISO1600や3200はしっかりとノイズが抑えられており実用性が高い。ISO6400ではややざらつきが見え始めるが、コントラストがしっかりしているため見劣りはしない印象。
ISO12800では輪郭の甘さが出ているものの、実用的に使えるレベルの画質だ。拡張感度となるISO25600では輝度ノイズが多くなる一方で、カラーノイズが抑えられているため不快な印象がなく自然に見ることができる。
ISO51200は解像感が失われているものの、コントラストの再現性だけはしっかりと行うよう絵作りされていることがわかる。また、カラーノイズを強く消そうとすると色情報が失われ全体的に彩度が下がってしまうのだが、写真を見るとそのような傾向がないところからデジタル処理の上手さを感じた。
イメージセンサーの画質制御が良くできているのは、流石フィルムメーカーといったところだろうか。画像処理には専用プロセッサ「X Processor Pro」を搭載し、画像処理だけではなく高速オートフォーカスや撮影レスポンスの良さにも貢献しているのだという。
画像処理にはもうひとつの特徴として、フィルムシミュレーションがある。微粒子で高画質なポジフィルム「Provia」やコントラストと彩度が高い「Velvia」、黒が印象的なモノクロフィルム「ACROS」など、色で写真に個性を付けることができる。
カラー情報が無くなることで、陰影や形状が印象的になるACROS。レトロなイメージを強めにしたセピアなどのモードとは違い、新しさを残しつつ正当派な印象を受けるACROSは、使えば使うほどモノクロ写真が楽しいと思えるようになるだろう。
X-Pro2は、フィルムシミュレーションの完成度が高く、いわゆる「撮って出し」状態で充分過ぎる程個性をだすことができる。高感度性能も良好で、作品作りに最適なカメラだといえる。次回は、X-Pro2と相性が良い単焦点レンズ「フジノンレンズ XF35mmF2 R WR」との組み合わせで撮影を楽しんでみたいと思う。
関連記事
情報提供元: クチコミ.jp