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確定拠出年金「個人型」「企業型」はどう違うの?メリットとは?

2017-08-07 12:00:00

そもそも確定拠出年金とは?!

①そもそも確定拠出年金とは、どのような制度なのでしょうか?

確定拠出年金とは私的年金制度の一つです。
すなわち、確定した掛金を拠出し、その掛金および運用収益の合計額を基にして給付額が決定される年金のことで、その拠出された掛金は個人ごとに区分されます。

主なポイントとして、
◇将来給付を受ける年金額は、掛金の運用次第で変わってくる
◇その運用は、自分で行う
といった内容が挙げられます。

また、受けられる給付は下記の通りです。
◇老齢給付金(年金または一時金)
◇障害給付金(年金または一時金)
◇死亡一時金(一時金)
なお、場合によっては、脱退一時金を受け取れる可能性もあります。

②確定拠出年金には、「企業型」と「個人型」の2パターンがあります。

「企業型」とは、企業(事業主)がお金を出して掛金を拠出するものです<注1>
一方、「個人型」とは、自分でお金を出して掛金を拠出するものです。

メリットとデメリット

それでは、確定拠出年金にはどのようなメリット・デメリットが考えられるのでしょうか?
ここでは、それぞれ主なものを見ていくことにします。

<メリット>

①掛金支払時に税制上の優遇策あり
「個人型」の場合、自分で出した掛金は、その全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になります(「企業型」であっても、自分で掛金の一部を拠出している場合も同様のメリットがあります)。
例えば、年収400万円のサラリーマンの方で、年間276,000円の掛金を拠出した場合、およそ14,000円の所得税が減税になります<注2>
(なお、「企業型」の場合には、企業(事業主)が出した掛金は会社の損金になります。)

②運用益は非課税
一般の金融商品の場合には、運用益が生じた場合には源泉分離課税が課せられますが、確定拠出年金の場合には、運用益は非課税になります。

③将来もらえるお金が増える可能性あり
運用次第では、将来もらえるお金を増やすことができます。これが最大のメリットと言えるかもしれません。

<デメリット>

①受取時に課税対象になる(老齢給付金・死亡一時金・脱退一時金)

◇老齢給付金を受け取る場合
年金で受け取る場合は雑所得、一時金で受け取る場合は退職所得として、それぞれ所得税等の課税対象になります。
(前者は「公的年金等控除」の対象、後者は「退職所得控除」の対象となる点では、税制上の優遇があるとも言えますが、課税対象になりますのでここではデメリットとさせていただきました。)

◇死亡一時金を受け取る場合
みなし相続財産として、相続税の課税対象になります<注3>

◇脱退一時金を受け取る場合
一時所得として、所得税等の課税対象になります。
なお、障害給付金を受け取る場合については、上記3つと異なり、非課税になります。

②原則60歳までは引き出しができない掛金を拠出した分も、運用によって得た分も、一部の例外を除いて<注4>60歳になるまでは引き出せません。

③将来もらえるお金が減る可能性あり
運用如何によっては、将来もらえるお金が減る可能性があります。
つまり、運用次第で増える可能性もありますが、反対に減る可能性もある、ということです。

④特別法人税が今後課税される可能性あり
確定拠出年金には、実は積立金全額に対して、毎年1.173%の税金が課税されるという特別法人税というものが存在します。
ですが、今現在は企業年金の運用状況が悪化しているため、課税の停止措置がなされております。
つまり、今のところはこの特別法人税は課税されておりません。
現時点では、平成32年3月末まで課税の停止措置が延長されることになっておりますが、今後はどうなるかはわかりません。
ですので、今後の大きなリスクとして、この特別法人税の課税が発生するおそれがある、ということにご留意いただければと思います。

注意すべきこととは?

以上、確定拠出年金の主なポイントについて見てみてきましたが、最後に注意すべき点をご紹介しておきます。

①ふるさと納税を使っている方は、その減税効果が薄れるおそれあり
ふるさと納税を使う際には、所得状況に応じて、得をするための『上限額』があります<注5>
「個人型」あるいは「企業型」で掛金の一部を自分が拠出する確定拠出年金の場合、その全額を所得控除できる優遇策がありますが、その優遇策を使う結果ふるさと納税の『上限額』も変わってきますので、ご注意いただければと思います。
例えば、給与年収400万円の場合<注6>、確定拠出年金(個人型)無しの場合と、確定拠出年金(個人型)の年間掛金276,000円の場合で比較しますと、ふるさと納税の『上限額』は、それぞれ42,756円と36,254円になります。

②「企業型」確定拠出年金のある会社に勤務していて、退職・転職した場合
資格喪失後(退職・転職後)6か月以内に、必ず移管手続を行うようにしてください<注7>
というのも、6か月以内に手続きを行わないで放置しておきますと、国民年金基金連合会に強制的に資産が移されるのですが、この場合には掛金拠出も運用もできなくなり、毎月の手数料だけが取られる状況に陥ってしまうからです。

<注1>マッチング拠出の場合(従業員が掛金の一部を拠出する場合)もあります。

<注2>扶養親族0名、所得控除額の合計980,000円、税額控除は一切なし、のサラリーマンの方の場合で計算。

<注3>ただし、他の退職手当等を含めて、法定相続人1人あたり500万円までは非課税。

<注4>一部の例外とは、障害給付金をもらう場合、死亡一時金をもらう場合、加入期間が通算3年以下で企業型にも個人型にも加入できなくなる場合。

<注5>その計算式は、下記①と②の合計額になります。
①(個人住民税所得割額×20%)÷(100%-基本分10%-所得税率×復興税率1.021)
②自己負担2,000円

<注6>扶養親族0名、所得控除額の合計980,000円、税額控除は一切なし、のサラリーマンの場合で計算(上記<注2>と同条件)。
・確定拠出年金(個人型)なしの場合
住民税所得割額は約173,000円で、ふるさと納税の『上限額』は42,756円
・確定拠出年金(個人型)の年間掛金276,000円の場合
住民税所得割額は約145,400円で、ふるさと納税の『上限額』は36,254円

<注7>転職先の「企業型」に移管する、あるいは「個人型」に移管。なお、一定の場合には脱退一時金をうけとることも可能。


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情報提供元: michill (ミチル)

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