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interview 大谷亮平

2018-05-13 07:00:00

Profile
1980年生まれ。2003年、俳優として韓国を拠点に活動を始め、2016年より日本での活動を開始。現在、ドラマ「ラブリラン」に出演中。今後は、Hulu「ミス・シャーロック」、映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」、NHK平成30年度後期連続テレビ小説「まんぷく」と出演作が控えている。

 5月に公開となる映画「ゼニガタ」で、昼間は居酒屋経営者、裏では闇金屋というハードボイルドなダークヒーローを演じる大谷亮平さん。オファーが来たときの心境を伺うと。
「日本映画でのスクリーンデビューなので、新たなスタートが切れた喜びと“おっ、こういう役が来たか”というのが正直な気持ちでした。僕の演じる銭形富男は10日で3割という超暴利で金を貸し付ける闇金屋。自分とは縁のない裏社会の役に戸惑いましたが、台本を読むとお金の貸し借りは別として、ストーリー自体が面白かったし、出演者たちの個々のキャラクターが魅力的なので、やってやるぞという気持ちで臨みました」

 富男の元へお金を借りに来るのは、一癖も二癖もある、金の魔力に取り付かれたアウトローな連中ばかり…。
「みんなが強烈なキャラクターだからこそ、僕は一歩引くことを意識しました。何かに追われ、何かを発散している『動』の人物とは真逆の『静』の位置に立って、冷静沈着に物事を転がしていく。富男の何事にも動じず揺るがないという部分は映画の核になる部分だと思ったので、そこは大切にしました」

 メガホンを取ったのは、園心温監督に師事し『新宿スワン』や『リアル鬼ごっこ』などに助監督として参加した綾部真弥監督。監督からは、どんな状況でもブレず、カウンター越しにドンと構えた姿は富男そのものだったと絶讃されている。
「富男のやっている行為や闇金という仕事はまったく理解できるものではないのですが、彼の相手を見て淡々と物事を進めていく部分は共感できたし、内に秘めた弟への想いが終盤で見えてくる流れも好きです。一緒に闇金業をしながらも凶暴な性格ゆえに容赦ない暴力で債権者を追い込む弟を抱え、このままでいいのかと自問自答する姿、まったく動じなかった富男が見せる人間っぽさにも注目してもらえたら嬉しいです」

 その弟役を演じるのは『凶悪』や『あ々荒野』などで圧倒的な存在感を残した小林且弥さん。突如兄弟の元に表れ、銭形での就労を志願するボクサー崩れの役には人気エンターテインメント軍団『BOYS AND MEN』の田中俊介さん。ほかにも現実逃避の末、銭形兄弟に泣きつく債務者役に安達祐実さんなどと脇を固める俳優陣も豪華だ。

「現場は若い連中が集まって、皆でワイワイという感じで楽しかったです。でも居酒屋でのシーンなど、夜のシーンが多かったので終止暗くて。しかも撮影中には台風が直撃して大荒れで、晴れ間を見た記憶がまったくないんですよ。でも今となればそのどよーんとした感じも映画の雰囲気にマッチしていてよかったと思います。この映画は出てくる人みんなが腐ってる(笑)。自分が助かるためなら人の弱みを見つけて借金の代わりにしたり。でもそういう腐った部分が人間らしくて、面白いじゃないですか。それに苦しんでいたり、どうにかしようとあがいてる姿は、抱えている問題が違えど共感できる部分もあると思うし、そっちに行っちゃいけないよという教訓にもなるので、銭に侵された闇の世界を覗き見する感覚で作品を楽しんで欲しいです」

 その役柄によって様々な表情を見せてくれる大谷亮平さん。最後に今後やってみたい役を伺うと『現役アスリート』という答えが返って来た。
「色んな役を演じたいと思うのですが、現役でできるものは限られると思うんです。例えばもう学生という役は僕には無理だと思いますし。学ランとかきたらコメディになっちゃうわけで(笑)。そう考えると、現役のスポーツ選手は、今のうちにやっておきたいなと。寂しいけれど僕より年下の方達が続々と引退している世界なので、現役ボクサーとか、野球選手とか、今しかできない役をやってみたいです」

ゼニガタ

監督/綾部真弥 脚本/永森裕二
出演/大谷亮平、小林且弥、佐津川愛美、田中俊介、玉城裕規、安達祐実、升毅、渋川清彦 他
公開/5月26日(土) 全国ロードショー

TEXT/Satoko Nemoto
PHOTO/Isamu Ebisawa
STYLIST/Yoshihiro Fukami
HAIR&MAKE/MIZUHO(vitamins)

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情報提供元: michill (ミチル)

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