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音楽ファイルは1つじゃないの? 知らないと困ってしまう音楽ファイルの種類と違い

2016-10-31 10:00:00

ソニーのウォークマンやアップルのiPodシリーズといった携帯プレーヤー、スマホやパソコンで聞く音楽は、音楽CDも含めて当然デジタル形式になっています。

こうした音楽データのデータ形式=ファイル形式には、様々な種類が存在しています。 そして、ファイル形式によっては、所有しているプレーヤーで再生できたり、できなかったりといった困ったことも起きます。 さて、こうした音楽ファイル形式にはどういったファイルがあるのか、皆さんはご存知でしょうか?

音楽ファイル形式と拡張子

まず、デジタルオーディオを扱う際に出てくるややこしい問題として「ファイルの拡張子」があります。たとえばMP3はファイルの拡張子が「.mp3」となりますよね。

これだけならわかりやすいのですが、これが動画ファイルのAVI形式だった場合、 拡張子が「.avi」であっても、音声ファイルはMP3形式で収録されているといったデータがあるのです。

また、AAC形式のファイルであった場合、 利用される拡張子は「.aac」だけではありません。「.wav」「.avi」「.mov」「.mp4」「.3gp」「.3g2」「.m2ts」「.m4a」「.m4b」 「.m4p」「.mkv」「.mka」といった拡張子も使われます。

これは、音声ファイルの圧縮・展開(復号)にAACが利用されているためです。 このため、AACを圧縮・展開できる端末では再生できますが、それに対応していない場合、再生ができません。

また、MP3でもデータの圧縮・展開に複数のCODECが存在しているので、ケースによりますが特定のプレーヤーでは再生できないMP3ファイルも稀にあります。

このように音声ファイルの拡張子は、圧縮・展開形式を意味しているときとそうではないときがある点に注意してください。

圧縮・展開に必要なCODECと著作権保護

様々にある音楽ファイルの圧縮・展開方法ですが、パソコンやスマホなどで拡張が可能な機器では、音楽再生用のCODEC(コーデック)と呼ばれる圧縮・展開用のプラグインを後から組み込むことで、ありとあらゆる音楽ファイル形式を再生することができるようになります。

たとえばAACに対応していなかったらAACが再生できるCODECを導入すればOK。スマホやパソコンでは、再生できないファイルがあったら、CODECを探してみるといいでしょう。

ただし、DRMと呼ばれる著作権保護機構を備えたファイル形式の場合、再生できるCODECがあってもDRMキーがないと該当する音楽ファイルを再生することはできません。

有料配信でDRMのかかった音楽は、その音楽をダウンロードした端末でだけ再生できるようになっています。別の端末にコピーや移動をしても再生することはできません。

音の可逆圧縮と非可逆圧縮

「音の可逆圧縮と非可逆圧縮」ということについても理解しておきましょう。 デジタル家電で扱えるオーディオは、圧縮機能を用いて圧縮されているものがほとんどです。これは、非圧縮の生データは、巨大なサイズになってしまうためです。

特に何万曲も保存したいとなった場合、保存用のメモリーも大容量である必要があります。そこで音楽ファイルは圧縮機能を用いてファイルを圧縮し、サイズを小さくしています。

音楽データを圧縮して元に戻した際、元の音源データをそっくりそのままに戻せるものを「可逆圧縮」と呼びます。 逆に、圧縮して戻したときに、元の音源データには戻せないものを「非可逆圧縮」と呼びます。

デジタル家電で扱える音楽ファイルには、この2種類が存在しています。 ちなみに最近流行りの「ハイレゾ」は、元の音源データに戻せる可逆圧縮の形式が使われます。

非圧縮の音楽データってあるの?

実は、あります。それがWAV形式とAIFF形式です。

WAV形式はWindowsで対応している形式で、AIFFはMacOSで対応している形式です。

いずれも無圧縮で音楽CDと同じ44.1kHzの量子化16ビットであれば、音楽CDとまったく同じ音質で記録することができます。ただし、MP3やAACで再生時間5分の音楽が数Mバイトであったとした場合、WAVもAIFFも数十Mバイトと、大きなデータサイズになります。

ということを踏まえた上で、主な音楽ファイル形式について紹介したいと思います。

代表的な音楽ファイル形式「MP3」

MP3はMPEG-1 Audio Layer-3の略でMPEG-3の略ではありません。 このファイル形式は、世界で最も普及している音楽ファイル形式です。

980円のオモチャのような携帯音楽プレーヤー、ガラケーから、iPodやウォークマンに代表される高級オーディオプレーヤー、さらにはiPhoneやAndroid端末、パソコン(Windows/MacOS/Linux含む)といった、あらゆる機器で再生が可能になっています。

このMP3は非可逆圧縮の仕組みを上手に使っています。 人の耳では聞き取れない部分を間引いてデータが圧縮されているのです が、ほとんどの人は気にならないでしょう。 現在の音楽ファイル形式の事実上の主流になっていると言えます。

その扱いやすさから、音楽ファイルの有料配信や音楽CDを端末に取り込むといったケースでは、MP3が多く利用されます。

またMP3は、音声ファイルを高品質に保ちながら、データサイズを小さくできるので、動画データの音声部分にMP3が使われることもあります。

Windows向けの音楽ファイル形式「WMA」

マイクロソフトのリリースしているOS「Windows」で使える音楽ファイル形式が「WMA」です。WMAというのは、そのものずばり「Windows Media Audio」の頭を取ったネーミングとなっています。

WindowsパソコンではWindows Media Playerを使って再生が可能ですが、その他の機器に関しては、対応・非対応が異なっています。

このWMAもMP3同様、非可逆圧縮が基本です。 MP3の対抗馬として登場してきたのですが、MP3にとってかわるまでには至っていません。

ただ、このWMA形式はオプションで可逆圧縮(ロスレス圧縮)が可能なことに加え、DRM(著作権保護)をかけることもできます。 有料の音楽配信(著作権保護あり)のサイトでは、このDRM付きWMAを使って配信しているところもあります。

MP3形式とは異なり、Windowsパソコン以外で再生できるのかが不明なため、同形式のファイルを扱っている商用のサイトでは、再生可能かを確認するためのテスト再生用のデータを配布していたりします。サービスを利用する際は、再生可能な環境であるのかをチェックしておくといいでしょう。

iTunesで普及が加速した「AAC」

AACという音楽ファイル形式は、iTunesで採用されていることもあり、iPhoneが普及している日本では、MP3に次いでポピュラーな音楽ファイル形式と言えます。 このファイルも非可逆圧縮で圧縮されます。

MP3よりも圧縮率が高めで、音質の劣化は少ないとされています。日本ではBSデジタル放送や地デジの音声にAACが利用されています。  この商品の関連情報を見る

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情報提供元: クチコミ.jp

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