ソニーα7R IIはアマ向けオートからプロクオリティ動画にも対応できる懐の広いカメラ
2016-11-29 19:00:00
ソニーのミラーレス一眼カメラ「α7R II」は、有効画素数約4240万画素の裏面照射型35mm判フルサイズイメージセンサーを搭載するプロ及びハイアマチュアをターゲットにした本格派のカメラだ。
レビュー2回目は、多彩な機能を紹介していく。
セルフタイマー、ドライブモード、ISO感度設定はコントロールホイールの左右ボタンに設定されている。ハイエンドのデジタルカメラとしてはダイレクトに機能を呼び出すボタンが少ないように思うが、4つのカスタムボタンとコントロールホイールの下ボタン、中央ボタン、コントロールホイールの回転などに機能を割り当てることで補うことができる。
デフォルトではシャッターボタンそばのカスタムボタン1にホワイトバランス、カスタムボタン2にはフォーカスセットボタンが設定されている。 特に動画を撮る際には、場面ごとにしっかりとホワイトバランスを合わせておきたいので、ホワイトバランスをダイレクトに呼び出す機能は必須とも言える。
用途によって静止画ならフォーカスセット、動画メインの使い方ならピクチャープロファイルを割り当てておくなど、ユーザーの好みに積極的にカスタマイズできる。
撮影モードにはオートモードやシーンモード、パノラマモードがあり、初心者でも高画質を手軽に楽しめるよう配慮してある。特に逆光や暗所で設定が難しいと思ったら、オートモードにしておくと良いだろう。
シーンに合わせてコントラストやサイドを調整するオートモード以外に、撮影者の意思で写真の印象づくりをする「クリエイティブスタイル」や「ピクチャーエフェクト」がある。さらに、本格的な動画の画作りを可能とする「ピクチャープロファイル」機能を搭載する。
ピクチャープロファイルには、「S-Log2」などの本格的なガンマ設定や、カラーモードなど細かい設定が可能だ。カラーグレーディングによってフィルムのような映像に仕上げることができる。
クリエイティブスタイルには、スタンダード、ビビッド、ニュートラル、クリア、ディープ、ライト、ポートレート、風景、夕景、夜景、紅葉、白黒、セピアとフィルムのイメージや、被写体に応じて選べるスタイルが用意されている。さらに、パラメーターを自分好みに調整することも可能だ。
イメージをより強調できるピクチャーエフェクトには、トイカメラ、ポップカラー、ポスタリゼーション、レトロフォト、ソフトハイキー、パートカラー、ハイコントラストモノクロ、ソフトフォーカス、絵画調HDR、リッチトーンモノクロ、ミニチュア、水彩画調、イラスト調と多彩なエフェクトが用意されている。こうした機能はフォトレタッチでも再現できるが、被写体によって使いたくなってしまう楽しめる機能だ。
動画撮影は、MP4、AVCHD、XAVC S HD、XAVC S 4Kと4つの記録方式をサポート。4K(3840×2160ドット)の高解像度動画撮影ならXAVC S 4Kや、テレビでの鑑賞・Blu-rayディスクへの保存が主な用途ならAVCHDなど用途によって選べる。なお、XAVC S 4Kで撮影し、変換なしでYouTubeへのアップロードも可能だ。
残念ながら動画の撮影時間には、29分の制限が掛けられている。 撮影終了後に再度、録画ボタンを押すことで動画撮影が可能だが、ライブや舞台撮影など長時間の撮影用途ではビデオカメラで定点撮影しつつ、アップをα7R IIで撮影するなど工夫が必要だ。
α7R IIは、「α7R」の高画質化と使いやすさの追求がメインであるため、革新的な機能は4K動画撮影程度にとどまっているが、一つ一つの機能の掘り下げ方が深く、思わずうなってしまうほど良くできている。
プロ向けの機能とアマチュア向けの機能があるため複雑な印象も受けたのだが、スキルアップしてこんな風に撮りたいと思った時の操作やカスタマイズ面での懐の深さや、プロ向けの高画質で動画を撮るための非圧縮4:2:2 8bit HDMI出力が可能という機能面など、使う人に応じて多彩な顔が浮き上がる、そんなカメラだ。
次回は高感度の画質や実写をチェックしていきたいと思う。
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情報提供元: クチコミ.jp