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太るのはお酒のせいじゃなかった!?

2017-07-20 12:00:00

お酒を飲むと太る?

皆さんこんにちは、書籍「一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書」(扶桑社)の著者、鈴木祐です。

「お酒はダイエットの大敵!」とよく言われます。缶ビール1本でもカロリーは150kcalを超えますし、酒飲みなオジサンほどお腹が出ているイメージもあります。
アラサー女子の皆さんも、お酒のカロリーを気にすることがあると思いますが、そもそもお酒を飲むと太るのでしょうか?

実は、アルコールとダイエットに関する研究は、1980年代から何度も行われています。まずは実験で行われた研究データを見てみましょう。
2006年にオランダで行われた実験では、太りぎみな34人の男性に1日450mlのワインを飲み続けてもらいました。
1日の食事量は変えず、いつもの食事に330kcalも余分なカロリーを追加した計算です。
ところが4週間後、全員の体重にはまったく変化がありませんでした。みんな体脂肪も増えておらず、実験前と同じ体型をキープしていたのです。

肥満になるほどの悪影響はない

もうひとつ、2014年にイタリアで行なわれた実験でも似たような結果が出ており、ダイエット中にアルコールを飲もうが飲むまいが、減量の成功とはまったく関係がなかったとのこと。どうやら、お酒を飲んだだけでは、そう簡単には太らなそうです。

ここで「お酒を飲むと食欲が増すんじゃないの?」と思った人もいるでしょう。お酒では太らないとしても、アルコールのせいで食欲がアップするから太るという考え方です。

この問題については、2011年にマイアミ大学がおもしろいリサーチをしました。
この研究チームは120,877人の男女を集め、全員の飲酒量と摂取カロリーを4年にわたって記録したのです。
その結果わかったのは「酒をよく飲む人ほど体重が増えやすい傾向はあるが、その影響は4年で0.19kgぐらい」という事実でした。
お酒が好きな人ほどお菓子やファストフードに手を出す傾向はあったものの、肥満になるほどの悪影響はないようです。

つまり、ここまでのデータをまとめると、以下のような結論になります。
1. 酒のカロリーでは体重はほぼ増えない
2. アルコールによる食欲増加の影響も大したことがない

アルコールはカロリーが高いものの、体重の増加には結びつきにくい性質があるようです。お酒好きにはちょっとうれしい話ですね。

1日2~3杯まで

もっとも、いくらデータで「お酒は太らない」という結論が出ても、感覚的に納得できない人は多いでしょう。
ちょっと居酒屋に入れば、ビール腹の中年男性がいくらでも目に入るからです。
が、これはおそらく原因と結果の取り違えでしょう。つまり、「お酒をたくさん飲むから太る」のではなく、「お酒をたくさん飲むような乱れたライフスタイルの人が太る」のです。

しかし、いくらお酒が太らないと言っても、アルコールの過剰摂取が体に悪い事実に変わりはありません。
美容や健康のためにも、1日2~3杯までに止めておくことをオススメします。

参考文献
・Beulens JW, et al. “The effect of moderate alcohol consumption on fat distribution and adipocytokines.”(2006)
・Cresci B, et al. “False and true pre-treatment predictors of weight loss in obese patients starting a program for lifestyle change.”(2014)
・Mozaffarian D, et al. “Changes in diet and lifestyle and long-term weight gain in women and men.”(2011)
・French MT, et al. “Alcohol consumption and body weight.”(2010)
・Shelton NJ, et al. “Association between alcohol calorie intake and overweight and obesity in English adults.”(2014)


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情報提供元: michill (ミチル)

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