頭皮がたるむと顔もたるむ? 頭皮の老化と顔のカンケイ
2019-07-19 18:30:00
執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
『フェイスラインがぼやけてきた』『ほうれい線のハの字型が目立ってきた』『口角が下がってきた』…
いずれも顔のたるみを痛感する憂鬱な現象です。
20代から始まるともいわれていますが、なかには『顔がたるむと見た目年齢は10歳以上老ける』という恐ろしい指摘もあります。
そんな悩ましい顔の老化現象に、頭皮のたるみが連動している事実をあなたは知っていましたか?
顔のたるみの原因
まずは以下の項目を参考に、顔のたるみ度をチェックしてみましょう。
顔の輪郭(フェイスライン)がぼやけてきた
顔が大きくなったように感じる
口角が下がってマリオネットラインができた
ほうれい線がハの字型に目立ってきた
目の下から頬にゴルゴ線ができた
涙袋がたるんで目の下にしわができた
頬がたるんできた
二重あごになってきた
さて、あなたはいくつ当てはまりますか?
こうした顔のたるみは、次のような原因によって起こると考えられています。
加齢による老化
コラーゲンやエラスチンが減少して皮膚の伸縮性が衰え、肌の張りやつやが失われる
光老化
紫外線によって体内に活性酸素ができ、コラーゲンやエラスチン繊維を破壊し皮膚の老化を促進する
顔の筋肉の老化
顔を作っているさまざまな筋肉が老化して、皮膚のたるみを生み目の下や頬などがたるんだ状態になる
頭皮のたるみも無関係ではない!
そして、意外に思うかもしれませんが「頭皮のたるみ」も原因のひとつです。
考えてみると、顔と頭は一枚の皮膚でつながっていますから当然と言えば当然かもしれません。
どうやら、今まではこの点があまり注視されず、顔のケアばかりに関心が向けられていたようです。
ですから、たるみの解消を目指して一生懸命顔を手入れしても全く効果がない…という声も多く聞かれました。
顔のたるみと頭皮のたるみを関連づけて総合的にケアをする…という考え方は、ハッとして腑に落ちる感じがするかもしれません。
それでは、頭皮のたるみはどうして起こるのでしょうか。
やはり顔のたるみと同様、保湿やバリア機能が弱くなり、水分や栄養が行き届かず頭皮が老化している、ということが指摘されています。
原因も顔のたるみと同じく、加齢や光老化の影響、さらには乾燥や睡眠不足、過激なダイエットなどの生活習慣の乱れが挙げられます。
これらによって代謝が衰え、細胞の補修力を脆弱にするという「老化」にあずかる点も強調されます。
同じ年齢でも頭皮や顔のたるみによる「見た目年齢」が違ってくるのは、生活習慣の差によるところが大きいと言えるでしょう。
頭皮のたるみ度チェック
美髪アドバイザーでヘアケアガイドの田村マナさんによると、頭皮のたるみ度合いを判断するために、次のようなセルフチェックが紹介されています。
当てはまる項目が多いほど、頭皮のたるみは深刻だそうです。
こめかみと頭頂部の頭皮を比較すると、頭頂部の方が動きにくい
髪の毛の分け目はいつも同じところに作っている
肩や首が凝っている
フケが出やすい
頭皮が赤くなることがある
12時過ぎまで起きていることが多い
加工食品を好む、外食ですませる、といった食事が多い
【参考】KOSE ビューティエテルナ(https://www.kose.co.jp/eterna_agingcare/aging/aging30.html)
頭皮にハリが出ると顔も引き締まる!
前述の頭皮のたるみを改善していくことで、頭皮と顔をトータルでケアすることができるとして、おもに次のようなケアが推奨されています。
頭皮の血行促進
自分で簡単にできる頭皮のマッサージで、頭皮の血流をアップさせましょう。
両手5本の指の腹を使って、頭をつかむようなイメージで、耳の上→てっぺんとサイドの間のもっとも出っ張っている部分→頭頂部の順に頭皮を動かします。
頭皮は敏感なので、強い刺激を与えるのではなくやさしくほぐす感じ、1回に30秒ほど行います。
頭皮の保湿
血行促進も大事ですが、頭皮には乾燥も大敵です。
風呂上がりにタオルドライをした後、保湿成分入りの頭皮用美容液などを使って、頭皮の代謝や血行を促してあげると効果的です。
頭皮が濡れていて毛穴が開いていると、美容液が浸透しやすいと言われています。
なお、洗浄力の強いシャンプーは頭皮の乾燥を招きますので気をつけましょう。
規則正しい良質な睡眠
アンチエイジングに欠かせない成長ホルモンがしっかりと分泌されるためには、入眠直後に現れる深いノンレム睡眠(徐波睡眠)が必要です。
睡眠の最初の3時間にいかにぐっすり眠るかが大切と言われています。
眠りが浅いと成長ホルモンの分泌量が少なくなる可能性が考えられます。
また、朝起きたら太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ「セロトニン」という物質が分泌されます。
そうすると、夜は睡眠ホルモンである「メラトニン」が分泌され、眠気を感じて寝つきが良くなります。
良質な睡眠は、この二つのホルモンの好循環によってもたらされ、アンチエイジングにつながるのです。
たんぱく質・ビタミン・ミネラルの摂取
過激なダイエットは、一方で偏った食生活をしているともいえます。
まだ若いのに頭皮と顔にたるみが出てきたら、ダイエットによる乱れた食生活が細胞や生理機能を老化させているかもしれません。
とくに頭皮ケアには、細胞やホルモンをつくるタンパク質とそれを促進するビタミンやミネラルの摂取が欠かせません。
大豆、季節の野菜や果物、わかめなどの海藻類が推奨されています。
バランスの良い食生活をしていると、摂取した栄養素は自然に身体が必要とする機能に有効活用されますので、健康にも美容にも良い効果が生まれます。
このように、顔や頭皮の直接的なケアに加え、食生活や睡眠といった基本的な生活習慣を整える、内側からのケアも大切だということがお分かりいただけたかと思います。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku