「ぜんそく」の発作が秋に起きやすい理由
2016-10-14 12:00:05
執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士)
気管が狭くなることで、呼吸がしにくくなる「ぜんそく」。
秋は特にこのぜんそくの発作が起きやすくなるといわれています。
なぜ、秋はぜんそくが起きやすいといわれているのでしょうか?また、発作が起きた場合にはどのように対応すればよいのでしょうか?
今回は秋に特に増えるといわれている「咳ぜんそく」について、解説していきます。
秋に多い「咳ぜんそく」
秋になるに従い、咳が止まらなくなり、呼吸がしづらくなってしまう。
これが、秋に増加傾向となる「咳ぜんそく」と呼ばれる症状です。
咳ぜんそくは、ぜんそくの一歩手前の症状だといわれており、放置しておくと呼吸がほとんどできなくなる重度のぜんそくへ移行してしまう可能性もあります。
そのため、「最近、咳が続いている」と感じた場合には、この咳ぜんそくを疑ったほうがよいかもしれません。
なぜ、秋に多くなる?
秋になってくると、周囲の環境はどんどん変化していきます。
晴れの日が多かった夏に対し、秋は秋雨前線や台風などの影響により、短時間で気圧が変化しやすくなります。
また、朝晩は涼しい一方でまだ日中は暑さを感じることも多く、気温の差も激しくなります。
気圧の変化と、温度の変化。
この二つの変化は、空気の通り道である気道にとって大きな負担となり、ぜんそくのような症状をひき起こしやすくなると考えられています。
秋はダニによるぜんそく誘発も
またぜんそくの発症原因として、ダニやハウスダストなどのアレルギーによるものもあります。
夏は高温多湿なため、特にダニが発生しやすいのですが、秋口はそのダニが死に、吸い込みやすくなってしまうため、アレルギーによるぜんそくの発症が増えるとも考えられています。
風邪とぜんそくの見極めの仕方
秋は、風邪もひきやすい時期と言われています。では、風邪とぜんそくはどのように見極めればよいのでしょか?
見極める上で大切となるのが、「咳がどれだけ続いているか」という点です。
風邪による咳の場合、のどの炎症はどれほど長くても1~2週間で改善します。
しかしぜんそくの場合には、3週間以上続くことが多くみられます。
そのため、「咳が3週間以上続く」という場合には、ぜんそくを疑い、近隣の医療機関を受診するようにしましょう。
ぜんそくの発症を抑えるために
ぜんそくの発症を抑えるためには、「アレルゲンを家の中にため込まないこと」そして「気温の差によって気道に負担をかけない」ことが大切です。
こまめに部屋の換気および掃除を行い、アレルゲンであるダニやハウスダストを家へため込まないようにします。
そして、外と家の間での温度差を少なくし、適宜羽織るものなどを用意して、「部屋に入ったとたんに過度に涼しい」「部屋から出ると寒い」といったような状態を防ぐようにしましょう。
<執筆者プロフィール>
山村 真子(やまむら・まこ)
看護師・西東京糖尿病療養指導士、一児&犬二匹の母親兼主婦。現在は医療系ライターとして執筆活動中
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情報提供元: mocosuku