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意外に知らない「ビタミンC」 管理栄養士が解説

2016-11-01 18:30:33


執筆:永吉 峰子(管理栄養士)
数あるビタミンの中でも代表的なイメージがある「ビタミンC」。
冬に向けビタミンCが配合されたドリンクなどのCMなども増え、積極的に摂取する方多いのではないでしょうか。
そんなビタミンCについて「そもそもどれだけ摂ればいい?」「摂りすぎは害?」などの疑問を持たれている方も多いかと思います。
そこで今回は、ビタミンCについて管理栄養士が詳しく解説いたします。

そもそもビタミンCって何?


ビタミンCは水に溶ける水溶性ビタミンの一種。
細胞間をつなぐコラーゲンというたんぱく質の合成に必要な物質です。その為、皮膚や粘膜などを健康に保つ働きがあります。
またビタミンC自身はとても酸化されやすく、自ら酸化されて体を有害な活性酸素から守る抗酸化作用の働きも持っています。
更に、ビタミンCにはシミの元になるメラニンを無色化する働きもあります。このような働きから美容の為に摂取する方も多いようです。
その他にストレスへの抵抗力を高めたり、鉄の吸収をよくしたりする働きもあります。
そしてビタミンCは人間の体内で合成することができません。ですから食事などからきちんと摂取する必要があります。

ビタミンCって1日にどのくらい必要?


通常は1日に100㎎必要


ビタミンCの成人に必要な量は100㎎/日(レモン1個分)です。
ビタミンCは水に溶けやすい性質を持っています。
余分に摂取したビタミンCは尿から排泄されて体内に貯めておくことができないので、毎日継続して摂取する必要があります。

ストレスや病気がある方は必要量が多い


特にビタミンCが必要とされているのが、激しい運動をする方や病気の方、強いストレスを感じている方です。こうした方は、自然と必要量が高まっているとされています。
よく「風邪にはビタミンC」と言われますが、これは風邪の症状が体にとってストレスとなっていることに由来します。ストレスに抵抗する為には通常よりも多くのビタミンCが必要なのです。
また美容の為にコラーゲンを飲まれている方は、「コラーゲン合成に必要なビタミンCを同時にとっておくとよい」と言われています。
ただ、残念ながらこうした説に対して「具体的にあと何mg必要なのか」ということは正確にはわかってはいません。
その為風邪やストレスがある方などは、まずはビタミンCが多い果物や野菜を不足しないように摂取することが大切です。
それと1回に大量に摂取せずこまめに補給することもポイント。特に運動されている方は、運動の前後に摂取するとよいでしょう。

ビタミンCが不足するとどうなるの?


数週間全く野菜や果物類を食べないなど、ビタミンCが長期的に不足すると「壊血病(かいけつびょう)」という欠乏症になります。
壊血病は血管などの細胞がうまく合成できずに弱くなり、体の各所から出血する病気です。また、ストレスや寒さ、ウイルスや細菌に対する抵抗力の低下もみられます。その為疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったりします。
ビタミンCは主に野菜や果物に多く含まれている為、食事のバランスが崩れている方はビタミンCの欠乏に注意する必要があります。
また必要量が高まっているストレスの多い方や病気の方も不足に注意が必要です。

ビタミンCを摂りすぎたらどうなるの?


過剰に摂取したビタミンCは尿から排泄される為、よほど長期間にわたって大量に摂取しない限りは過剰症の心配はないとされています。
しかし、一部ではビタミンCの過剰により頭痛が引き起こされるといった報告もあります。
その為サプリメントなどを利用する際は、必ず1日の目安量を守るようにしましょう。

管理栄養士推薦、手軽に摂取できる食べ物・飲み物


野菜はカラーピーマン!


ビタミンCは野菜では赤ピーマンや黄ピーマンに多く含まれています。
ビタミンCは水に溶けやすいため、さっと炒めて「きんぴら風」にすると栄養素の減少が少なくて済みます。緑色の普通のピーマンにもビタミンCは多いので、ミックスして作ると見た目も鮮やかでおすすめです。
その他の野菜ではブロッコリーやカリフラワーにも多く含まれています。
そしてこれらの調理法のおすすめは蒸すこと。蒸すことでビタミンCが水に溶けださず、調理による減少も少なくて済みます。電子レンジを活用すると簡単にできておすすめです。

手軽に摂るならキウイと柿!


野菜よりも比較的手軽に摂ることができるのが果物です。
中でもキウイや柿にはビタミンCが多く含まれています。その他にもオレンジなどの柑橘類やイチゴにも多く含まれています。

不足時はビタミンCドリンク!


どうしても果物や野菜が摂取できない場合は、果物ジュースやアセロラドリンクなどのビタミンC配合ドリンクを活用することも1つの方法です。
ジュースはなるべく果汁100%でストレートタイプのものを選びましょう。特に風邪で食欲のない時は水分・糖分・ビタミンCが一緒に摂れるのでおすすめです。
いかがでしたでしょうか。
寒くなる季節はどうしても風邪をひきやすくなってきてしまいますね。デザートに果物をちょっと加えたり、野菜の種類や調理法に気を使ったりして上手にビタミンCを摂取してみてください。
<筆者プロフィール>
永吉峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中

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情報提供元: mocosuku

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