「野菜を毎日350g摂取するコツ」を管理栄養士が紹介
2016-11-21 18:30:43
執筆:永吉 峰子(管理栄養士)
日本人の多くが陥っている野菜不足。
1日に必要な野菜量は350gと知っていても、実際に摂取するのは中々むずかしいものですね。
そこで今回は管理栄養士が、調理のポイントなど簡単にできる方法を解説いたします。
まずは摂るべき量を「料理」で知ろう
野菜を350g摂取する為にまず知っておきたいのが、料理にした時にどのくらいの量を食べたら350gを満たせるかということ。
料理ベースで覚えておくと、外食や惣菜を買う時も活用することができて便利です。
厚生労働省の食事バランスガイドによると、1日に必要な野菜料理の量は5~6皿程度とされています。
1皿の目安は、サラダなどの生野菜は両手1杯程度。酢の物やお浸し、きんぴらなどは小鉢1杯で1皿分です。野菜炒めや野菜中心の煮物を大き目のお皿で食べた場合は2皿とカウントします。
毎食野菜を摂る習慣を!
野菜を毎日350g摂取するには、毎食野菜を食べることが大切。
1日に必要な野菜料理の量5~6皿を1食や2食で摂ろうとすると、とても大変です。
1日3食、毎食少しでも野菜を取り入れるようにしましょう。
朝食は前日準備がポイント
・サラダ類は前日に盛り付けを!
朝は時間がないので朝食の準備はさっと済ませたいですよね。時間がない中でもしっかりと野菜を摂るには、野菜料理を前日の夜に準備をしておくとよいでしょう。
生野菜のサラダは盛り付けておき、朝はドレッシングをかけるだけにしておきます。
また根菜類などをカットして耐熱の容器にいれておけば、朝レンジで加熱するだけで温野菜を作ることができます。
最近では、電気で調理できるスープメーカーなども登場しています。スープメーカーのタイマー機能を活用すれば朝に出来立てのスープを味わうこともでき、冬には特におすすめです。
・和食派には具沢山味噌汁がおすすめ!
和食の朝食はヘルシーなイメージがありますが、意外と野菜が不足しがちになります。これは和朝食のおかずに鮭などの魚、納豆などたんぱく源のおかずが多い為。
また、和朝食に合う野菜のおかずというと、煮物やきんぴらなど手間がかかるものが多いことも要因となっているようです。
そんな和朝食で野菜を摂るのにおすすめなのが、野菜をたっぷりと入れた具だくさんの味噌汁です。味噌汁であれば、忙しい朝でも手軽に作ることができます。
また汁ごといただく料理の為、水に溶けてしまったビタミンなどの栄養素ももれなく摂取でき効率的です。具材にする野菜はどんなものでも問題はありませんが、おすすめはキャベツなどの葉野菜。葉野菜ならば短時間で加熱できます。
また、加熱でカサが減る為にたっぷりと摂ることができます。小松菜やほうれん草などは、冷凍を活用すると時短につながります。
朝のおすすめレシピ『サラダ風味噌汁』
忙しい時にでもさっと作ることができ、洋食にも合います。だしは前の晩に用意しておくか、冷凍しておくと時短につながります。
【材料】※2人前
・だし 1.5カップ
・味噌 30g
・レタス 大2枚もしくは小3枚
・ミニトマト 4個
・キャベツ 大2枚もしくは小3枚
【作り方】
1.レタスとキャベツは1口大にちぎる。
2.だしを煮立たせキャベツを入れて煮、再びしたらレタス、ミニトマトを入れる。
3.レタスがしんなりしたら味噌を溶かしいれる。
昼食は食事バランスが大切!
昼食は外食やコンビニなどを利用したり、家では残り物や冷凍食品で済ませたりと、簡単に済ませがちになることが多い食事です。ですから意識して野菜料理をプラスすることが大切です。
外食を利用する場合は、できるだけ定食やサラダのセットとなっているものを選びましょう。定食を選ぶ時に注意したいのが、副菜の選び方。副菜に冷ややっこや納豆を選ぶ方もいますが、これでは野菜の摂取にはつながりません。
サラダやおひたしなど野菜を使ったものを選ぶようにしましょう。
最近では、レストランやコンビニ惣菜で「1日の野菜の1/○が摂れる」と表記されているものもあります。こういったものも活用されるとよいと思います。
夕食はメイン料理にも野菜を取り入れて!
・付け合わせの野菜が量を稼ぐポイント
夕食に一汁三菜で野菜のおかずを何品も作れればベストですが、毎日となると難しいですよね。
そんなときは、肉や野菜のおかずにも野菜を上手に取り入れるようにしましょう。一番簡単な方法は、野菜の付け合わせをたっぷりと付けることです。
付け合わせの量は片手1杯程度あると、十分に野菜が摂取できます。付け合わせと言っても、人参やかぼちゃなど焼いただけのものなど簡単なもの問題ありません。
調理をする時はオーブントースターで焼いたり、レンジで蒸したりするとメインと同時に調理で着ておすすめです。
夕のおすすめレシピ『焼きかぼちゃのアレンジレシピ』
素焼きのかぼちゃを翌日には副菜にアレンジします。まとめて素焼きにしておくと、簡単に調理することができておすすめです。人参でも同じようにできます。
≪素焼き≫
このまま付け合わせなどに使えます。
【材料】※作りやすい分量・かぼちゃ 1/4カット~1/2カット
・オリーブオイル 適量
【作り方】
1.かぼちゃは4mm程度の厚さのくし形にカットする。
(かぼちゃが固ければレンジで少し加熱するとカットしやすくなります。)
2.温めたフライパンにオリーブオイルを敷き、かぼちゃを入れる。
3.表面に焼き色が付いたら、水をかぼちゃが半分隠れるくらいまで加えて蓋をし、弱火で3分程度蒸す。かぼちゃに楊枝がささればできあがり。
≪かぼちゃの甘酢漬け≫
素焼きを多めに作り、一緒に作っておくと翌日の副菜になります。
【材料】※作りやすい分量
・かぼちゃの素焼き 10枚程度
・だし、醤油、酢、酒、水 各大さじ2
・砂糖 大さじ3
【作り方】
1.小鍋に調味料をすべて入れ、砂糖を溶かす。
2.タッパーなどに①を入れ、かぼちゃを入れて一晩置く。
≪かぼちゃのチーズ焼き≫
素焼きが余った時のおすすめレシピ
【材料】※作りやすい分量
・かぼちゃの素焼き 10枚程度
・とろけるチーズ、マヨネーズ 適量
【作り方】
1.耐熱容器に素焼きのかぼちゃを盛り、マヨネーズをかけてとろけるチーズをのせる
2.オーブンまたはオーブントースターを余熱し、①を入れて焦げ目がつくまで焼く。
野菜を摂取するには、事前の準備などちょっとした工夫がポイントです。
少しの工夫をすることで、上手に野菜摂取の習慣をつけてみて下さいね。
<筆者プロフィール>
永吉峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中
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情報提供元: mocosuku