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野菜、魚、肉。「干す」となにがどうかわる?

2017-05-11 18:30:41


執筆:永吉 峰子(管理栄養士)
最近話題の「干し野菜」。
野菜以外にも干物など干した食材は私たちの身近な食材です。
しかし、干すことで一体どんな変化が起こっているのかはあまり知られていません。
そこで今回は、食材を干すことでどういう変化が起こるのか、解説したいと思います。

干すことでどうかわる? ~野菜・きのこ編~


保存性アップ


水分が多い状態だと、カビや細菌が繁殖しやすく傷みの原因になってしまいます。
干すことで水分が蒸発し、カビなどの繁殖がしにくくなるので保存性がアップします。

おいしさアップ


干すことで水分が蒸発する分、野菜やきのこの糖分や旨み成分が濃縮されます。
その結果甘みなどを感じやすくなり、おいしく感じることがあります。

栄養価アップ


干し野菜やきのこは水分が抜けており、その分栄養素も濃縮されます。その為多くの干し野菜やきのこは生よりも多くのビタミンやミネラルを含んでいます。
また、きのこは日光にあたることでビタミンDの素がビタミンDに変化します。その為干したものの方がビタミンDの含有量が多くなります。

噛みごたえアップ


切り干し大根のように、干した野菜やきのこは嚙みごたえがある食感になります。
嚙みごたえがあると少しの量でも満腹感が得やすくなります。特にダイエットをしている方には嬉しい変化です。

干し野菜は加熱して食べるのがおすすめ!


サラダなど野菜を生で食べる場合は、みずみずしさやシャキッとした食感がおいしさの大きな要因となっています。
干し野菜は水分を蒸発させているので、生で食べるより炒めたたり焼いたりして加熱して食べることがおすすめです。
加熱するのであれば、キャベツやレタスなどの葉野菜やもやしなども干し野菜にすることができます。

干すことでどうかわる? ~魚編~


保存性アップ


魚にも雑菌類がついています。その為野菜同様、水分を蒸発させることで雑菌の繁殖を抑えて保存性をアップさせることができます。
また魚の場合、干物にする際は塩水につける処理をしています。
高い塩分濃度では細菌やカビが増殖できないので、このことも保存性アップの要因になっています。

美味しさアップ


水分が抜けることで旨み成分が濃縮し、美味しさを感じやすくなります。
魚の場合は、この旨み成分が干すことで表面にでてくると言われており、更に美味しさを感じやすくなります。
また、塩水につけることによりくさみが取り除かれることも美味しさの要因です。

干物は塩分注意!


魚を干す加工をすることで増えるのが塩分です。干物を食べる際は、しょうゆなど他の調味料をかけないようにしましょう。
特に高血圧気味の方は注意が必要です。また最近では塩分控えめの干物も販売されていますので上手に利用しましょう。

干すことでどうかわる? ~肉編~


保存性アップ


肉にも雑菌類がついています。その為野菜や魚同様、水分を蒸発させることで雑菌の繁殖を抑えて保存性をアップさせることができます。

美味しさアップ


水分が抜けることで旨み成分が濃縮し、美味しさを感じやすくなります。
また干している間にも熟成は進み、旨み成分であるアミノ酸が作られます。この熟成も美味しさの要因となっています。

「干し」をご家庭でするには野菜が簡単!


味がよくなり栄養価も高くなる干した食品ですが、肉や魚は温度管理や湿度管理をして乾燥させないと食中毒の要因となってしまいます。
特に外で干す場合は温度管理が難しい為、リスクは高まります。
その点野菜であれば温度管理は必要なく、簡単に作ることができます。いただきものや、買いすぎた時におすすめです。
食品を干すことで、美味しさや保存性に多くの変化があります。干し野菜にチャレンジしたり干物を食べたり、是非食卓に取り入れてみてくださいね。
<筆者プロフィール>
永吉 峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中

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情報提供元: mocosuku

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