一度開封したペットボトルの飲み物、何日までなら大丈夫?
2017-05-15 18:30:27
執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
持ち運びに便利なペットボトル飲料。
開封してすぐに飲みきることができないこともありますよね?
では、開封してしまった場合、安全に飲むことができる期間は、どのくらいなのでしょうか。
そこで今回は、日にちの目安や保存法の注意点を紹介します。
「安全」の基準
加工食品の安全を確かめる方法は、賞味期限を見ることです。
日ごろ何気なく見ているかもしれませんが、賞味期限とは「定められた方法により保存した場合に、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限」を言います。
賞味期限は、厚生労働省と農林水産省により作成されたガイドラインをもとに定められています。
メーカーや業界団体の中には、このガイドラインをもとに、より厳格に管理しているところもあります。
ガイドラインによると、賞味期限の設定には、理化学試験、微生物試験、必要に応じて官能検査を実施します。どの試験結果も、食品の特性を一般的な指標をもとに数値化されています。
これにより、合理的・科学的な根拠が明らかとなり、品質劣化を客観的に判断することができるようになります。
とはいえ、商品数が膨大なものや、開発サイクルが早いものなどに対して、食品ごとに試験・検査をすることは現実的でありません。
そのため、食品の特性などを十分に考慮し、似た特性を持つ食品であると判断された場合、他の試験や検査結果を参考にしながら、期限を設定することが認められています。
開封したペットボトルは安全じゃない!?
賞味期限は、「定められた方法により保存した場合」の期限です。開封するとその条件は満たされなくなるため、賞味期限による安全性は保証されません。
なぜなら、水や飲料に含まれるさまざまな原材料は、空気に触れると劣化が進むからです。
また、唾液が入ると、口の中の細菌がペットボトル内に侵入し、増殖してしまいます。
これは、直接口をつけた場合に限らず、ストローで飲んだ場合も同様です。
細菌の増殖は見た目ではわからない
多くの細菌にとって繁殖に適した温度帯は、10~45℃です。とくにヒトの体温程度の30~37℃が最も繁殖が盛んになります。
常温はこの温度帯に入りますし、夏場の日なたや車内の温度は30℃を超えるため、繁殖はさらに盛んになります。
ですから、できるだけ冷蔵庫や涼しく直射日光の当たらない場所で保管することが大切です。
ただし、たとえ冷蔵庫に入れていても劣化は進みます。
劣化が進むと、変色したり異臭がしたり沈殿物が出たりと、比較的わかりやすい変化が起こることもあります。
ただ、細菌の繁殖などは、身体に悪影響を及ぼすこともあるにもかかわらず、見た目やニオイといったわかりやすい変化がありません。
ですから、開封して劣化が進む可能性があるペットボトル飲料は、品質に気をつけなければならないのです。
開封したペットボトル、飲める日にちと保管の注意点
製品の表示には「開封後は必ず冷蔵庫に保管し、なるべくお早めにお飲みください。」と記載してあります。
ここでいう「なるべく早め」とはどのくらいなのでしょうか。
口をつけて飲む場合
手持ちサイズの場合はたいてい口をつけて飲みます。
唾液から細菌が入るため、当日のうちに飲み切りましょう。
できるだけ冷蔵庫や日の当らない涼しい場所で保管します。
取り分けて飲む場合
大きいサイズのペットボトルなど直接口をつけずに取り分ける場合は、2~3日以内に飲み切りましょう。
必ずふたを閉めて冷蔵庫で保管します。
原材料の劣化は食品や条件によって異なるため、一概に時間を決めることはできませんが、ほとんどのメーカーでは2~3日を目安として注意喚起をしています。
健康な身体を維持するために、1日に飲料として1.2~1.5Lを補給することが必要です。
適切な水分補給のためにも、ペットボトル飲料はその日のうちに飲みきるということを心がけることがいいでしょう。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku