ひとより一歩先行くデジカメ撮影テクニック~各モードの意味と機能を理解する~
2017-08-17 10:00:00
フィルムフイルムカメラの時代は、今のデジカメのように撮影して直ぐに写真を確認できなかったため、写真には失敗写真と呼ばれる写真が数多くありました。
また、35ミリのフィルムで撮影できる写真の枚数は、標準では24枚、多くても36枚と少なく、デジカメのように、その場で失敗写真を消して取り直しもできませんでした。そのため、1枚も無駄にしたくないという気持ちを持って、1枚1枚を大事に撮影したものです。
フィルム時代の失敗写真の中には、明らかなピンボケ写真ではなく、周囲の明るさが足りなかったり、逆に太陽光直下のために明る過ぎたり、といった理由で失敗となった写真もありました。こうした写真も、現在のデジカメなら、撮影後にレタッチソフトを使って簡単に修正もできます。
写真が上達するというのは、失敗写真を撮らなくなるという意味でもあるのです。
フィルムでもデジタルでもカメラは、撮影条件に合わせて、その都度、絞りの調整、シャッター速度の変更といったことが必要になります。フィルムカメラの時代からデジカメ時代の今に至るまでに、自動で撮影条件に合わせて撮影できるようにカメラの機能は大きく進化してきたのです。
このようにフィルムカメラの時代から、デジタルカメラに移り変わっても、撮影者が満足する写真を撮ることと、失敗写真をなくすことは、カメラの究極の目的であることには変わりはありません。
カメラが進化を続けてきたおかげで、今では誰が撮影しても、それなりの見栄えのある写真が撮れるようになりました。いわゆる明らかな失敗写真は、ほぼ存在しなくなったと言っていいでしょう。
しかしそれは、全自動モードで撮影した場合での話です。最近のデジカメは、全自動のモードにしておけば、シャッターボタンを押すだけで、普通に失敗のない写真が撮影できます。
しかし、全自動モードは、誰が撮っても同じ感じになります。もし、自分らしい写真を撮影したいと思ったら、全自動モードだけでは満足できなくなります。
全自動モードは、撮り手の個性を消してしまうからです。
写真を作品と考え、自己表現としての写真を求める人にとっては、全自動モードは、かえって邪魔な機能と感じるかもしれません。
そこで、「個性も失わない」、しかも「失敗写真にもならない」、そんな望みを解決するために、いまのカメラには様々な撮影モードが搭載されています。
カメラをみれば、どのカメラにも、撮影モードは1つだけでなく複数のモードが搭載されていますよね。
それぞれがどういった機能であるのか知っていますか?
各モードを理解し、使い分けることで、自分らしい様々なバリエーションの写真が撮れるようになります。
ということで、今回は「デジタルカメラに搭載されているモード」について説明します。
基本的なモードは、どのデジカメも似たり寄ったり
ほとんどのデジカメのシャッターボタンの近くには、モードを変更するダイヤルが搭載されています。そのダイヤルには、アルファベットで「P」「S」「A「M」「Sp」といったモードが用意されています。それらのうち、以下の3つはどのメーカーでも、ほぼ同じ意味になります。
Pモード(プログラムオート)
シャッタースピードや絞り値、オートフォーカスはカメラ任せ。ただし、ホワイトバランス、ISO感度、露出補正は、自由に設定できるようになっているモードです。
Pモードを使うケースとしては、ホワイトバランスを変えて撮影したいときに使うといいでしょう。
レストランのテーブル上に置いてあるテーブルクロスやナプキンなどの色で、料理が赤っぽくなってしまったり、青味がかってしまったりといったことがあります。Pモードでホワイトバランスを変えることで自然な撮影ができます。
Aモード(絞り優先オート)
こちらのモードは、絞り値を自分で決定できるモードです。それ以外はカメラが自動的に設定してくれます。
背景をボカした雰囲気のある写真を撮りたいといったケースでは、この絞り優先オートを使うといいでしょう。
絞りの数値(F値)を大きくすると、ピントが全体に合うようになります。逆に絞りの数値を小さいほうに設定すると、ピントの合う範囲が狭まり、背景がボケる写真になります。
Sモード(シャッタースピード優先オート)
シャッター速度を決定できるモードです。設定したシャッター速度に従って絞り値をカメラが自動で設定してくれます。
動きのあるものを撮影するときに使うのがシャッタースピード優先オートです。たとえば、川の流れを水流がはっきりと流れているように撮影したいなんてときには、シャッター速度を遅くします。
逆に、素早く動いているものの一瞬を切り取りたい場合は、シャッター速度を速くすることで一瞬を切り取ることができます。
これら以外にもデジカメは様々に「特別」なモードを持っています。そして、そうしたモードはそのデジカメ特有の機能だったり、そのカメラメーカー独自のモードだったりします。
それらは、デジカメの説明書などに詳しく記載されているので、そちらを参考にしてください。
関連記事
情報提供元: クチコミ.jp