健康空間を“発生”させる技術。DENBAが目指す、水分子から整えるウェルビーイングの未来
2025-07-09 12:00:08

その空間にいるだけで、全身の体調が整っていく──。そんな魔法のようなアイテムを販売する会社がある。DENBA JAPAN株式会社だ。食品の鮮度を保存する特許技術を応用した健康機器を展開しており、スポーツ界や介護現場で広がりを見せている。さらに、世界最高峰の研究機関との共同研究も進んでいるという。同社の社長補佐・乾寿昭氏に、事業への想いと今後の展望を聞いた。

人間の水分子に作用し、さまざまな体の悩みにアプローチ
当社は「電場」を人工的に発生させる技術を活用し、食品鮮度保持装置や健康機器を製造・販売する会社です。電場とは電気の力が伝わる空間を指します。電場の発生は本来、電位差が必要で、+極と−極の2つの電極によりつくられます。その点において当社では、1つの電極のみで空間全体に電場を発生させる特許技術(特許第5683032号)を開発しました。電場は水分子に作用する性質を持っています。その性質と特許技術を応用して2014年、食品内の水分子を共振させて細胞を活性化させることで食品の鮮度を保つ装置「DENBA+」を開発。中国や韓国、アメリカなど世界各国の特許も取得し、海外展開も行ってきました。
その技術の応用として、2018年にヘルスケア用途へと製品展開したのが「DENBA Health」です。人間の体は半分以上が水分でできています。電場の性質と当社の技術を活用すれば、人の体内の水環境が整い、自律神経や細胞の活動が安定するのではないか──。こうした仮説のもと生まれた商品です。ベッドやソファに敷くマットタイプで、機器のスイッチを入れると、360度にドーム型の電場空間が形成されます。その空間にいることで、安眠や体調の変化など、幅広い健康の悩みにアプローチできる仕組みです。

触れずに、やさしく、体の水分子に働きかける
DENBA Health最大の強みは、直接触れずに、体の水分子に働きかけること。EMSや低周波治療器は、機器が体に接触した箇所だけに作用しますが、DENBA Healthは形成された電場空間にさえいれば、マットに触れていなくても全身のコンディションを整えられます。電気による刺激を感じないくらい優しい電位空間なので、高齢者や皮膚が敏感な方でも使いやすいです。睡眠中や読書中などの「ながら利用」も可能。電圧ごとに3つのグレードを用意しており、一番小さいものは小ぶりのティッシュ箱くらいのサイズ感で、家庭やオフィス、介護現場などさまざまなシーンで活躍できます。
健康機器としての販売が中心ですが、同スペックの医療機器(医療機器認証取得済み)があります。このような特長も後押しし、スポーツ界で活用されるケースが増えてきました。世界大会に出場する体操選手が、競技中のインターバルタイムに使用したり、プロバスケットボールチームのストレッチの一環として採用されたりしています。体が一番の財産とも言えるアスリートの方々から支持されていることに、大変うれしく感じております。
研究機関からの注目も高まっています。現在、東京大学・伊藤忠商事(株)と研究を行い、DENBA Healthが自律神経系の働きに及ぼす影響を検証しているほか、世界最高峰の研究機関での実用化も進んでいるところです。

さらなる健康分野への貢献、そして、誰もが知る技術へ
電場空間を発生させ、水分子に作用する。そんなシンプルな特許技術で、今後も健康分野への貢献を続けていく所存です。例えば最近では、当社の技術を不妊治療に役立てようと、婦人科クリニックと共同研究を実施。妊娠率や分娩率の向上を目指して検証を重ねています。また、自律神経を整える効果が実証された際には、メンタルに不調を抱える中高生や社会人向けに、学校の保健室や企業の休憩室にDENBA Healthを導入することも検討中です。
ただ、当社の技術が病気の治療に使われるなどといった、国内で確固たる地位を築くためには、複数のプロセスを一つひとつ丁寧に踏んでいかなければいけません。多数の論文が不可欠であり、論文を執筆するために膨大な症例や臨床試験が必要なのです。すでに産学連携による共同研究は進めていますが、それでも実現は気の遠くなるような話だと思います。だからこそ焦らず、長期的な視点で、健康・医療の課題解決の一翼を担う存在となれるよう、尽力してまいります。そして、この先の未来で「DENBA」が一般名称となるくらい、広く世の中に普及していくことを願っています。
一例として、プロ野球の新人選手が入寮する際、メディアの取材に対し、持参品として当然のようにDENBA Healthの名を挙げるようになるほど、社会に浸透させていきたいと考えています。
【取材協力】
DENBA JAPAN株式会社(https://www.denba.co.jp/)
新規事業部 部長 乾 寿昭
情報提供元: マガジンサミット