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「肩書きではなく、人として尊敬されるリーダーに」元ソニーCEO・平井一夫が中高生に熱弁

2025-12-15 16:33:30

東京都では、「チルドレンファースト」の社会の実現に向けて、子供を大切にする気運を一層高めるため、企業・NPO・学校・区市町村など幅広い主体と連携しながら、官民が一体となって、子供の笑顔につながる様々なアクションを展開する「こどもスマイルムーブメント」を推進している。

この取組の一環として、こどもスマイルムーブメントのアンバサダーである平井一夫による特別授業を帝京中学校・高等学校にて12月13日(土)に開催。同じくアンバサダーの村山輝星もVTR出演にて参加した。

特別授業では、ソニー株式会社社長兼CEOを務めた経験のある平井による「グローバルリーダーに求められる力」をテーマとした講演が行われた。特別授業は、同学校の約80名の生徒が聴講し、生徒たちが「これから挑戦したいこと」を発表する「挑戦宣言リレー」も実施された。

平井が登壇し、自己紹介を終えると生徒たちに「皆さんは『グローバルリーダー』」という言葉を聞いて、どのような人を思い浮かべるでしょうか?どういう場面で活躍している姿を想像しますか?」と問いかけた。

そして「グローバルな舞台で活躍するということは、日本の基準ではなく、世界の基準、いわゆるグローバルスタンダードの中で評価されるということです。そのため、多くの皆さんが英語を学び、専門分野を深く掘り下げ、海外の文化や制度、日本の文化や仕組みについても説明できるよう努力されていると思います」と説明し、グローバルリーダーの姿をその場にいる全員で共有した。

「グローバルリーダーに必要な3つの要素」として、平井は「(1)自分軸を持っていること」「(2)高い心の知能指数(EQ/EI」「(3)多様性を尊重し、行動できること」という3つの要素を挙げた。

「(1)自分軸を持っていること」に関して、「自分軸」とは、周囲の評価や社会の風潮に流されず、「自分にとって何が大切なのか」を基準に物事を判断できること、と説明。「自分軸」を構成する要素として「明確な価値観」「感覚・感情」「目標・目的」があると伝えた。

加えて「ゴールは途中で変わっても構いません。ただ、何も考えずに日々を過ごすことだけは避けてほしい。悩み、考え続けること自体に価値があります。これを別の言い方で表すと、『優先順位』です。人生における優先順位を常に考えることが、自分軸を持つということなのです」と語った。

「(2)高い心の知能指数(EQ/EI」に関しては、リーダーにとって、知識やIQと同じくらい重要なのがEQであり、EQは主に4つの要素から成り立っているとした。

その4つの要素とは「自己認識」「自己制御」「社会的認識」「関係管理(人との信頼関係)」である。そして「本当に尊敬されるリーダーとは、肩書きではなく『人として』尊敬されている人です」と述べた。

「(3)多様性を尊重し、行動できること」に関しては、多様性について、いつも表している言葉として「同意しないことに同意する(Agree to disagree)」を提示し、「考え方や価値観が違っても構わない。論破する必要はありません。違いがあるからこそ、組織は強くなります。国籍、人種、性別、宗教、育った環境が異なる人たちと働くのがグローバルな現場です。その違いを受け入れ、尊重する姿勢が不可欠です」と主張した。

特別授業後の質疑応答では、生徒が将来の夢やAI時代における事業展開などの幅広い質問が平井に投げかけられた。「挑戦宣言リレー」では、国際的な患者に対応できる看護師になるという目標や、将来社会的に貢献ができる影響力の大きい人物になるための学習計画の発表などが宣言され、グローバルリーダーになるための志の高さが示されていた。

情報提供元: マガジンサミット