医師の清水彰子先生が解説!生理の気になるトラブルとは
2018-02-11 18:00:00
正常な生理周期の目安は25-28日
生理のことを医学的には月経(げっけい)といいますが、生理不順や生理痛の悩みをよく耳にします。
1~2日生理が遅れても不順だ、と感じる人もいれば、自分の周期ははっきりとは分からないけれどだいたい忘れない程度には来ているから正常だ、と考える人もいます。
生理が始まった日から次の生理までを生理周期といいますが、あなたの生理周期はどのくらいか一度計算して知っておくといいですね。
医学的には、正常な生理周期は25~28日とされていますが、いかがですか?
例えば生理が月に2回がくる、2ヶ月に3回以上くるなど、正常よりも短い期間で何度も生理がきている人は頻発月経(ひんぱつげっけい)の状態といいます。
逆に、生理が2ヶ月に1回、3ヶ月に1回など、なかなか生理がこない状態を希発月経(きはつげっけい)といいます。
生理がきすぎるのも、全然来ないのも不安になってしまいますよね。
そんな時は、今、ストレスがたまっていたり生活習慣が乱れていたりしませんか?
生理不順は無排卵での生理が起こっている可能性があります
生理が月一回以上きたり、全然こなくなったりする原因は、排卵していない無排卵の状態で生理になったことが考えられます。
少し専門的で難しくなってしまいますがお付き合いください。
受精(妊娠)していないと生理の血となって出てきます。ですが、排卵していない状態でも子宮が準備していた内膜が出てくることがあります。これが無排卵の生理です。
無排卵で起こる生理は、強いストレスや体調不良も一因
無排卵になる理由として、受験勉強や大きな仕事の前、恋人との心配事?!などの強いストレスを感じた時や、高熱が出るといった体調不良の時などがあげられます。
このような場合には一時的に生理が不順になることがありますが、1年間に2~3回ぐらい生理が遅れて間隔が開いたり、早まって短くなったりするぐらいなら問題ないでしょう。
でも、無排卵による生理不順が続いていると、不妊症の原因にもなります。また、無排卵での生理が長い間続くと、子宮内膜がんのリスクを高めてしまいます。
生理不順になる原因には隠れた病気があるかもしれません
無排卵の生理不順が続く原因として、またまた漢字が並んで難しく見えますが、多嚢胞性卵巣症候群、甲状腺機能異常、高プロラクチン血症などがあります。
毛深くなったり(多毛)、ニキビなどの肌荒れが気になることはありませんか?
多嚢胞性卵層症候群は、女性ホルモンの分泌が異常になり無排卵になりますので、生理不順や不妊の主な原因の一つです。出産可能な年齢の女性の5~8%にみられます。
女性ホルモンの分泌が異常な状態なので、多毛やニキビなどの肌荒れという症状も出ることがあります。
※専門的ですが、インスリンの効きが悪くなったような状態になり血糖値が高くなることもあります。
その他、甲状腺ホルモンや、プロラクチンという母乳に関係するホルモンの分泌がおかしいといったことでも無排卵になることがあります。
生理不順が続くなら婦人科で早めに原因を知っておきましょう
生理不順の女性の中には、「まだ妊娠したくないし、月経は面倒だから来なくてもいいわ」という方も時々いらっしゃいます。
ですが、将来のためにも婦人科で検査をおすすめします。
無排卵かどうか自分で調べられる「基礎体温」
自分で、排卵しているかどうかをみる方法があります。それは「基礎体温」です。
基礎体温をつけるには婦人体温計を使います。一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
婦人体温計は、普通の体温計より細かい目盛になっておりますので微妙な体温変化が分かります。
朝目覚めてすぐに口の中に入れて測ります。その値をグラフにつけていくことで、排卵しているかどうか、またいつ排卵したかというタイミングもわかります。スマホにも基礎体温表機能があるアプリがありますよ。
また、生理前に体調が悪くなる方などは体調管理にも使えます。2~3ヶ月つけて婦人科で相談すれば生理不順の診断の助けになるでしょう。
無排卵での状態かどうか、他に隠れた病気がないかどうかを調べるためにも、生理不順が1年に2-3回以上起こる場合には、そのままにしないで受診をしてくださいね。
生理がくる年齢になったら、できればかかりつけの婦人科をつくるといいですね。生理トラブルや女性にまつわる病気も相談できますので安心ですよ。
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情報提供元: michill (ミチル)