リップを塗っても、カッサカサ… もしかしてケアを間違っている?
2018-02-22 18:30:37
執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
乾燥しがちな冬はもちろん、季節に関係なく手放せないリップクリーム。
女性だけでなく、今や男性にも必需品になってきました。
しかし「塗った直後は潤うのに、しばらくするとカサカサして唇が荒れる…」という悩みを持つ方も多いようです。
さて、アナタは正しいリップケアができているでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
唇が荒れる原因
唇がカサカサして荒れるのは、次のような原因が考えられます。
唇の乾燥
唇は水分が蒸発しやすく乾燥に弱い部分です。
角質層が薄く、皮脂腺や汗腺がないため潤いを保持しにくいのです。
乾燥しがちな冬場は、とくに唇の水分が奪われ唇がカサカサしやすくなります。
外気だけでなくエアコン使用中の乾燥にも注意しましょう。
また、唇をなめる、口呼吸をする、といった癖に加え、身体全体の水分不足も唇の乾燥を促進します。
唇の汚れや摩擦
香辛料など刺激の強い物を食べたり、口紅がきちんと落ちていなかったりすると、唇に負担がかかって荒れやすくなります。
また、食後に強く唇をぬぐう、メイク落としで強くこする、といった行為でも摩擦が起こりますので、唇の荒れにつながります。
紫外線の影響
皮膚の日焼けと同じく、唇も日焼けをしますので、乾燥し、ヒリヒリする痛みが出ることもあります。
酷い症状では、シミやくすみになる可能性もありますから要注意です。
体調不良
「皮膚は内臓の鏡」といわれます。
内臓の状態が悪いと、粘膜である唇は影響を受けやすく、荒れや炎症をきたします。
食生活や生活習慣の影響
食生活の乱れも唇に影響が出やすいといいます。
前述のとおり、食生活の偏りが内臓などに負担を与え、唇に何らかの症状が出ると考えられています。
同じように、睡眠不足や無理なダイエット、ストレスが溜まっているなど、生活習慣の悪化も唇の荒れをもたらします。
皮膚炎の影響
「口唇炎」は、口の周りに発症する皮膚炎です。
体調不良などが原因で発症します。
また、口紅や歯磨き粉などによって唇が荒れる「接触性皮膚炎」も口唇炎のひとつです。
さらに、アトピー性皮膚炎も慢性皮膚炎として唇に影響を与えます。
リップクリーム使用のポイント
そんな唇の乾燥や炎症を防ぐ手軽なアイテムとして登場するのが、今回のテーマであるリップクリームです。
乾燥には油性のクリーム、炎症には薬用のリップクリームが効果的です。
どちらも、カサカサ、ヒリヒリする前の使用がポイントです。
そのほか、次のような点に留意して使用しましょう。
塗りすぎない
:頻繁に塗ると、かえって摩擦が唇に負担を与えることになります。
過度な塗りすぎには注意しましょう。
タテに塗る
:唇に対して横方向にリップクリームを塗る人が多いのですが、タテに塗りましょう。
唇のシワはタテにできていますから、タテ方向に塗るほうが潤いを与えやすく効果的です。
テクスチャーを柔らかくする
:クリームの種類によっては、テクスチャーが固めのものがあります。
また、気温が低くリップクリームが固くなることもあります。
固いまま使うと唇に負担がかかるので、指先で軽く温め柔らかくしてから唇に塗りましょう。
もちろん、手指は清潔にしておいてくださいね。
リップクリームを効果的に使うために
ふだん何気なく使っているリップクリームですが、多様な製品が出ていて使用感や効果には個人差があります。
成分を調べる、使い心地を確かめる、信頼できるサイトから情報を得るなど、リサーチも大切です。
唇の荒れがなかなか解消されないという人は、今のリップクリームが自分に合っているか、唇の状態や体質を考慮して見直してみてはいかがでしょうか。
また、日常生活において、唇の荒れや炎症を促進するような要因から回避する工夫も必要です。
次のようなことに気をつけましょう。
乾燥を防ぐ
紫外線を避け炎症を防ぐ
唇を汚れたままにしておかない
刺激物や強い圧力で過度の負担をかけない
リップクリームはリップケアのなかでも手軽な方法です。
荒れる前にケアをはじめることをオススメします。
さらに手厚くケアしたい方はリップパックもあります。
プルプルの唇を保つために正しいリップケアを心がけましょう。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku