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健康や美容にイイ糖質? 「レジスタントスターチ」をご存じですか

2018-03-19 18:30:10


執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
なにかと注目を集めているロカボ(低糖質)。
糖質制限ダイエットを試された方もいるかもしれません。
その一方、最近ではハイ-レジスタントスターチ、略して「ハイレジ」も話題になっています。
そもそも、「レジスタントスターチ」とはどのようなものなのでしょうか。
ご一緒に詳しく見ていきましょう。

レジスタントスターチとは?


「レジスタントスターチ」と聞いても、あまり馴染みがないかもしれません。
レジスタントは「消化されない」、スターチは「でんぷん」の意味を持つ造語で、「健康な人の小腸で吸収されないでんぷん」のことです。
かつては、消化されないため役に立たない栄養素といわれていました。
しかし、近年その働きが見直され、健康や美容に効果的であると話題になっているのです。
ご存知「でんぷん」とは植物が作り出す物質で「糖質」の一種です。
でんぷんは、米、小麦、ジャガイモ、豆など、多くの食材に含まれる糖質です。
日本人の主食をはじめ馴染み深い食材ばかりですね。
そんなレジスタントスターチは現在4タイプに分類されています。
(1)もともと消化されにくい細胞壁などに包まれていて、物理的に消化されないもの
 ●含まれる食品:全粒粉、豆類、パスタなど
(2)でんぷんそのものが消化されにくいもの
 ●含まれる食品:未成熟なバナナやジャガイモ
(3)冷やされて老化したもの
 ●含まれる食品:冷えたご飯やポテトサラダ
 ※一度糊化したでんぷんは消化しやすくなりますが、4~5℃に冷却放置するとレジスタントスターチが形成されます。しかし、再加熱するとなくなってしまうので注意しましょう。
(4)植物ではなく物理的、化学的加工などにより作られたもの
 ●含まれる食品:加工でん粉など

レジスタントスターチの効果


糖質制限や低炭水化物など、糖質を控えるダイエットが広まっているなか、健康や美容に糖質は有効…という真逆の話では混乱してしまいますよね。
まずは、糖質がもつ働きや取り入れ方を詳しく見ていきましょう。
通常でんぷんは小腸で消化吸収されます。
しかし、消化されにくいレジスタントスターチは、食物繊維と同様の働きがあるのです。
具体的な効果をご紹介します。

腸内環境の改善


小腸で消化されなかったレジスタントスターチはそのまま大腸まで運ばれます。
大腸を進むとビフィズス菌のエサとなり、大腸の腸内環境を整えます。

肌荒れ予防


腸内環境の悪化は、栄養素の吸収が悪くなり、老廃物が排出されず血液中に滲み出るなど肌荒れにつながります。
前述のとおり、レジスタントスターチを摂取すると腸内環境が整いますから肌荒れ予防になります。

血糖値の急上昇を抑える


血糖値の急上昇は、老化物質や脂肪を作りやすくし、その状態が続くと糖尿病をはじめとした生活習慣病の要因になります。
消化されないレジスタントスターチは、腸内をゆっくりと進むため糖質の消化吸収も緩やかになります。
よって、血糖値(血液中の糖質量)の急激な上昇が抑えられます。

糖質は不足も過剰もよくない!


糖質の過剰摂取は脂肪や老化物質を作りやすくしますので、制限している方は少なくありません。
しかし、糖質は生きるためのエネルギー源であり、他の栄養素の働きを助けるなど重要な働きを担う欠かせない栄養素でもあります。
また、ご飯はとくに保水量も多いことから、水分補給や便通を整える役割があります。
ですから、糖質は極端な制限も過剰な摂取も良くありません。
とはいえ、レジスタントスターチ一辺倒で、冷たい食品ばかりを食べるのは難しいですよね。
適度に糖質を摂取するために、レジスタントスターチの効果も活用する…というスタンスをおすすめします。

レジスタントスターチの取り入れ方



日常の食生活には、レジスタントスターチのタイプでご紹介した(1)と(3)が、取り入れやすいです。
糖質はおもに主食から摂取しますから、ご飯やパン、麺類などに取り入れると効率的です。
具体的には、全粒粉のパン(ライ麦パンなど)やうどん、パスタ、冷蔵したご飯、おにぎり、寿司などです。
主食以外のメニューでは、カボチャやコーン、ジャガイモなど糖質を多く含む食材で作ったポタージュやサラダ。
また、大豆水煮や豆腐などの豆類加工品も、加熱して冷やして食べるとレジスタントスターチを摂取することができます。

レジスタントスターチの摂取で注意すること


食品に含まれるすべてのでんぷんがレジスタントスターチになるわけではありません。
また、たくさん摂れば良いというわけでもありません。
食事のバランスを整える上で、糖質を摂取する選択肢のひとつとして取り入れるのが賢い方法です。
なにより、冷たい食材ばかり食べていると内臓を冷やしてしまいます。
温かい汁ものや飲み物を添えるなど、献立に工夫をしましょう。
日本人は食物繊維が不足傾向であると指摘されています。
とくにダイエットを意識する女性は、食事量を減らすことにより食物繊維も不足しがちです。
結果的に便秘や肌荒れを起こすことも少なくありません。
レジスタントスターチを上手に取り入れると、食物繊維不足を補う効果もありダイエットや美容をサポートしてくれます。
ぜひ今回の記事を参考に、毎日の食生活で「レジスタントスターチ」を上手に活用してください。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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