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毎日の食事選びに役立つ「三大栄養素の黄金バランス」とは

2018-03-31 18:30:47


執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
体内でエネルギーを産生する栄養素は、たんぱく質、脂質、炭水化物で、これらを三大栄養素と呼びます。
それぞれ持っている働きが違いますので、健康維持のためにはバランスよく摂取することが大切です。
このバランスを「エネルギー産生栄養素バランス」といい、目標値が設定されています。
今回は三大栄養素の理想的な摂取バランスや、その実践方法をご説明いたします。

三大栄養素の黄金バランス


バランスの良い食事は、「量」と「質」の観点から評価することが重要です。
三大栄養素の摂取バランスを見る「エネルギー産生栄養素比率」は「質」を評価する指標のひとつであり、摂取するエネルギーのうち三大栄養素がそれぞれ占めるエネルギーの割合を示しています。

各栄養素のエネルギー産生栄養素比率の計算方法


◆たんぱく質(%)=たんぱく質(g)×4(kcal/g)/ 全体のエネルギー(kcal)×100
◆脂質(%)=脂質(g)×9(kcal/g)/ 全体のエネルギー(kcal)×100
◆炭水化物(%)=炭水化物(g)×4(kcal/g)/ 全体のエネルギー(kcal)×100
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(※)では、エネルギー産生栄養素比率は次のような目標量が設定されています。
◆たんぱく質 13~20%
◆脂質    20~30%
◆炭水化物  50~65%
おおよそたんぱく質2:脂質2:炭水化物6が理想なのです。
ただし、これは重量ではなくエネルギー量です。
重量に換算してみると、1日2000キロカロリーをとる場合の適量は、たんぱく質100g、脂質44.4g、炭水化物300gとなります。
※厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2015年版)』(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf)

黄金比率を満たす食事の選び方


実際に食事をするときには、栄養素が何グラム入っているかはわからないですよね。
そこで、三大栄養素の黄金比率をクリアする食事選びのコツをご紹介しましょう。

(1)主食・主菜・副菜をそろえる


食事をするときは、栄養素のバランスを整えるために次の3つの要素をそろえましょう。
 ◎主食(ご飯やパンや麺類など)
 ◎主菜(肉や魚、卵や豆腐など)
 ◎副菜(野菜、海藻、きのこなど)
定食スタイルはもちろんのこと、「牛丼(主食・主菜)とサラダ(副菜)」「シーザーサラダ(副菜)、焼き鳥(主菜)、お茶漬け(主食)」など、ファストフード店や居酒屋でも3つの要素はそろえられます。
最近では、主食を抜いたり、副菜だけにしたりといった食生活も珍しくありませんが、そうするとエネルギー産生栄養素比率は偏ってしまいます。

(2)和食を選ぶ


実際のメニューを例にエネルギー比率の傾向を見てみましょう(おおよその数値です)。
 ◎てりやきハンバーガー、ポテト:たんぱく質9%、脂質53%、炭水化物38%
 ◎ミートソーススパゲッティ、サラダ:たんぱく質12%、脂質37%、炭水化物51%
 ◎親子丼、サラダ:たんぱく質20%、脂質22%、炭水化物58%
 ◎アジフライ定食(アジフライ、キャベツの千切り、ホウレン草のお浸し、ご飯、味噌汁):たんぱく質17%、24%、59%  
洋食は脂質が多く炭水化物が少ない、和食は黄金比率に近い…という傾向がわかりますね。
ただし、この比率にはビタミンやミネラル、食物繊維が含まれていません。
総合的なバランスを考えると「和定食」がいいでしょう。

(3)適量の目安を知る


しかしながら、現代では毎食和食を食べるのは難しいものです。
また、外食、自炊など食べる場所もさまざまです。
そこで、黄金比率に近づけるための1食あたりの目安量を知っておきましょう。
 ◎主食:ご飯はこぶし1個分が目安。食パンは6枚切り2枚、麺類は1人前で茶碗軽く1杯分
 ◎主菜:肉、魚、卵、大豆製品は、手のひら1枚分が目安。肉は薄切り3枚、魚は切身1切れ程度
 ◎副菜:生のものは両手いっぱい、加熱したものは片手いっぱいが目安
野菜ならいくらでも食べていいわけではありません。
野菜は味付けをしますから、脂質が加わることが多いですし、三大栄養素ではありませんが塩分も多くなりがちです。
上記の目安はどこでもチェックできます。
ぜひ、料理を選ぶときの参考にしてみてください。

(4)良く食べるメニューのバランスは把握しておく


最近の外食メニューや加工食品の多くに栄養成分が表示されています。
定番メニューや自分の好きな料理は、先に示した計算方法でバランスを確かめ把握しておくとよいでしょう。
エネルギー産生栄養素バランスは、あくまでもエネルギー源となる三大栄養素のバランスです。
健康や美容のためには、ビタミンやミネラル、食物繊維など、そのほかの栄養素をきちんと補うことも大切です。
毎日の食事バランスを見るひとつの指標として活用しましょう。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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