鼻がつまって眠れない… 寝るときの鼻づまりを解消する方法
2018-06-24 18:30:09
執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
寒暖差が激しい季節の変わり目や花粉症の影響などから、鼻づまりで夜眠れないという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
鼻づまりになると口呼吸をしやすくなり、喉の渇きや痛みを招くこともあります。
今回は、寝るときの鼻づまりをケアする方法についてご説明しましょう。
寝るときに鼻がつまる理由
鼻づまりにはいくつかの原因があります。
おもに次のような原因が鼻の不調につながるものと考えられています。
副鼻腔炎
副鼻腔は、鼻腔(鼻の孔)を取り囲むように左右合計8つある空洞のことです。
ここに膿が溜まるのが副鼻腔炎です。慢性化すると「蓄のう症」という別名で知られています。
アレルギー性鼻炎
花粉症に代表される鼻炎で、アレルギー反応を引き起こす原因物質(アレルゲン)によるアレルギー反応です。
症状のひとつに鼻づまりがあります。
慢性上咽頭炎
鼻とのどの境目にある上咽頭(じょういんとう)部分の炎症。
3週間以上続くと「慢性」になります。
鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)
左右の鼻を分けている、鼻の真ん中にある仕切り壁のことを「鼻中隔」と言います。
ここが歪んで曲がってしまう、構造上のトラブルによって鼻づまりが起こります。
それぞれの病気や症状によって、鼻づまりの状態や鼻水の性質も違ってきます。
鼻づまりがしばらく続く場合は、耳鼻咽喉科を受診して鼻づまりの原因を特定し、適切な治療を行うことが必要です。
鼻づまりは口呼吸になりやすい!
鼻づまりを放置していると口呼吸が常態化してしまいます。
とくに寝ているときは口呼吸に偏りがちですから、次のようなリスクが考えられます。
・細菌やウィルスの侵入を許して喉を傷めやすい
・風邪やインフルエンザなどに罹りやすくなる
・口の中が乾燥(ドライマウス)して咽頭炎を起こしやすくなる
・冷たい空気によって喉を冷やす
・口臭の原因になる
鼻づまりの解消法:寝ているときの対処
寝ているときに鼻づまりが気になったら、次のようなことを試してみてはいかがでしょう。
首の後ろを温める
首の後ろを蒸しタオルなどで温めます。
とくに「大椎(だいつい)」というツボを温めるとよいでしょう。
鼻づまりに効くツボを押す
大椎のほかにも鼻づまりに効くとされるツボがいくつかあります。
たとえば、鼻の両側にある「晴明(せいめい)」や「迎香(げいこう)」。
耳の付け根の「外鼻(がいび)」「内鼻(ないび)」「腎上腺(じんじょうせん)」「内分泌(ないぶんぴ)」などです。
鼻をつまんで頭を上下に動かす
できるだけ深く息を吸い、ゆっくりと息を吐きます。
そのあと鼻をつまんで頭を上下にゆっくりと動かします。
身体を起こして行ってください。
舌で上あごを押す
舌で上あごを上方に数秒押します。
その後、舌を離して眉間を指で押します。これを数回繰り返します。
ペットボトルを使う
つまっている鼻の反対側の脇の下に500mlのペットボトルを挟みます。
横になって寝ることで上側の鼻の通りがよくなることがあります。
脇が圧迫すると交感神経が刺激され、鼻の血管が収縮して一時的ですが鼻の通りがよくなるとのこと。
耳鼻咽喉科専門医が考案した方法です。
鼻づまりの解消法:寝る前の対処
前述の寝ているときの対処に加え、さまざまなグッズの使用を含む寝る前の対処も検討してみましょう。
薬を使う
点鼻薬など鼻炎薬の服用とあわせて、風邪対策の塗り薬を使用する方法もあります。
使用に際しては、症状を医師や薬剤師に説明して助言を得ることが大切です。
メンソールやハッカ油などの使用
メンソールやハッカ油などはアルコールの一種の有機化合物で、ご存知のように少量使うことで鼻をスッキリさせる効果が期待されます。
蒸しタオルで温める
寝ている時と同じように、寝る前にも蒸しタオルで温めると楽になります。
ベッドで寝る
ハウスダストは床から15センチメートル付近にたまるという説があります。
布団はハウスダストを吸い込む可能性が高くなります。
加湿器の使用
乾燥によって鼻の粘膜を傷める、低湿度によってハウスダストやウィルスが浮遊しやすくなる、などの状態を防ぎます。
鼻うがいをする
ペットボトルにストローを挿すなどして手製の「鼻うがい器」ができます。
30~35度のぬるま湯に塩を小さじ2分の1くらい混ぜ、鼻うがい器を鼻の穴に当てて「えー」と声を出しながら容器を押して鼻の穴にぬるま湯を入れます。
終わったらティッシュペーパーで鼻を押さえて、鼻腔内の水けを取り除きます。
鼻カイロ
朝起きたてに温かい蒸しタオルを鼻に乗せる「鼻カイロ」も専門医のおすすめです。
鼻腔拡張テープ
鼻に貼って鼻腔を拡げる「鼻腔拡張テープ」というテープがあります。
自分の鼻にサイズを合わせることがコツだといいます。
以上、鼻づまり対策のあれこれをご紹介してきましたが最後にもう一つ。
アルコールを飲むと鼻づまりが起こりやすいことはご存知でしょうか。
アルコールには脱水を促す利尿作用があります。
それによって粘膜が乾燥して鼻づまりになりやすくなります。
さらにアルコールは血行も良くしますから、血管が広がり鼻の粘膜の「海綿体」が血液を溜め込んで腫れ、鼻づまりにつながることも指摘されています。
鼻づまりに関しては、お酒の「百薬の長」は通用しないようです。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku