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実はあまり知られていない納豆菌のすごさ。インフルエンザを抑制する免疫力アップの納豆レシピ

2018-11-30 18:00:32

納豆の売れ行きが絶好調です。2017年の年間消費量は過去最高の2,313億円を記録。今、空前の納豆ブームがきています。

そんななか、先日、納豆の健康価値をさまざまな角度から研究、明確化し発信してゆくことを目的とした、おかめ「納豆サイエンスラボ」が、「感染症予防にみる「S-903納豆菌」の可能性」と題したセミナーを開催。編集部も参加してきました。

「S-903納豆菌」とは?

納豆は、納豆菌による発酵によって、肌や髪などの整形をうながす「ビタミンB2」、骨の形成をうながす「ビタミンK2」、抗酸化作用のある「ビタミンE」、代謝を助ける「ビタミンB6」「葉酸」「パントテン酸」など多くの栄養素が増加するそうです。

実は、私たちが普段食べている納豆は、納豆菌の種類によって味やにおい、ねばり、栄養素などの品質が異なります。「S-903納豆菌」は、ウィルス感染の初期防御に重要なNK細胞の活性化に関与する、体内で作られるタンパク質の一種「IL-12」が多く含まれていることから、風邪やインフルエンザ、花粉症などのアレルギー抑制が期待されているといいます。

さらに最近では、口腔内の免疫調整作用にも影響するという研究結果もあり、その守備範囲の広さは、もはや「うがい・手洗い・納豆」と言ってしまっても過言でないのでは、と思うほどです。

口腔内環境における「S-903納豆菌」の可能性

写真)日本大学 松戸歯学部 小林良喜 助教

「S-903納豆菌」が、口腔内環境にどのような影響をおよぼすのかを実験した日本大学 松戸歯学部の小林良喜助教は「納豆菌でお腹のなかの環境を変えると、口腔内環境も変わる傾向がみられた」と成果を報告しました。

腸菅には免疫細胞の約70%が存在するといわれ、さまざまな生態系に影響をあたえています。そこで小林助教は「S-903納豆菌」をお腹のなかに経口投与したマウスと、生理食塩水のみを投与しマウス、それぞれの経過を8週間にわたり観察したところ、納豆菌を投与されたマウスは、重度の歯周病に影響を与えるといわれるジンジバリス菌とプレボテラ菌が減少し、口腔内環境の改善が示唆されたそうです。

小林助教は、「歯周炎はさまざまな全身疾患の原因のひとつになりますが、食事に納豆をとり入れると日常生活のなかで、歯周炎抑制などのベースアップが期待できる」と説明しました。

免疫機能と「S-903納豆菌」

写真)中部大学 大学院工学研究科 林京子 客員教授

空気が乾燥する季節になると猛威をふるうのがインフルエンザ。飛沫感染だけでなく空気感染も起こすインフルエンザウィルスは、感染力が極めて強く広範囲にわたります。このインフルエンザ感染を抑制する作用があると期待されているのが「S-903納豆菌」です。

インフルエンザに感染させたマウスに「S-903納豆菌」を投与した群と、水だけを投与した群に分け実験したところ、「S-903納豆菌」を投与した群はインフルエンザウィルスが有意に減少。さらに感染14日目には血清中の抗体が上昇したそうです。

中部大学 大学院工学研究科の林京子客員教授は、この結果をふまえ「現代は、高齢化や多様化するストレス、生活習慣病の増加などから免疫力の低下した人が増加しており、病原微生物に感染しやすく、また重症化もしやすい傾向にある」とし、最近、流行している風疹やインフルエンザ。また、11月から感染者が急増するノロウィルスなどに感染しないためにも、免疫力をアップさせる必要を訴え納豆菌の有意性を示唆しました。

この冬、受験生に食べさせたい納豆レシピ

ちなみに1日の摂取量の目安としては、市販の納豆パック1個分がちょうど良いそうです。納豆には、納豆菌以外にも免疫機能を向上させる粘着成分である多糖の一種「レバン」やアミノ酸重合体の「ポリグルタミン酸」が含まれ、食べることで免疫増強作用のある複数の食品成分を簡単に摂り入れることができるとのこと。

セミナーの後半には、腸管免疫研究所 管理栄養士の馬場美穂さんと、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 免疫恒常性研究特別チームリーダー 辻典子上級主任研究員がトークセッションをおこない、栄養学に基づいた「冬の感染症に負けない!S-903納豆菌健康レシピ」の試食会も開催されました。

写真)代謝を高めるアミノ酸が豊富にふまれる鶏肉と殺菌作用のある生姜をあわせた「ふわふわ納豆鶏つくね」。(生姜に含まれるジンゲロールは加熱することでより効果が増すそうです!)

写真 右奥)胃壁を守るムチンが含まれる長芋と、納豆、キムチ、チーズ、ヨーグルトなど発酵食品をふんだんに使った「納豆キムチの長芋グラタン」。右前)豆板醬とパック納豆のタレ、からしなどを合わせた“納豆板醬”に、消化を助ける働きのある大根、カロテンを多くふくむニンジンをあえた「納豆板醬ドレッシングサラダ」。辛味とさわやかさと粘りがアクセント。

写真)水溶性食物繊維が豊富に含まれるアボガドと発酵食品であるクリームチーズをあわせた「納豆のアボカドクリチ和え」。

「酒のつまみとしてもイケるよねぇ」と話す記者もおり試食は大好評。これら、さまざまな具材とあわせた納豆レシピを試して、この冬は免疫力アップを目指したいものです。受験生や仕事を休めない社会人などすべての人におススメですよ。

情報提供元: マガジンサミット