E START

E START トップページ > マガジン > 健康と美容に! 毎日取り入れたいオリーブオイル活用法

健康と美容に! 毎日取り入れたいオリーブオイル活用法

2018-12-18 18:30:29


執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
食用油としてはもちろん、美容にも利用されるオリーブオイル
その名はすっかり定着しましたが、実際は「良さそうだからなんとなく使っている」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、オリーブオイルが持つ素晴らしい効能に改めて注目し、活用法や注意点などをお伝えします。

オリーブオイルの特徴


オリーブオイルという名前のとおり、オリーブの実を絞って作られる植物油です。
食用としての用途で広く知られていますが、それ以外に化粧品やスキンケア製品などにも利用されています。
オリーブオイルの特徴を詳しくご紹介します。

栄養価が高い


 オリーブオイルは、ごま油や大豆油など他の植物油と比べ、精製の仕方に大きな違いがあります。
 他の多くの油は原材料から油を抽出する過程で加熱されますが、オリーブオイルは加熱や溶剤の利用などをすることなく、オリーブの果肉から搾取されます。
 そのため、脂質以外にもビタミンEやポリフェノール、植物ステロールなどの栄養素が含まれます。

不飽和脂肪酸が豊富


 油の種類は、分子構造の違いによって飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。
 ・飽和脂肪酸(肉の脂身、ラード、ココナッツオイルなど)
 融点(溶ける温度)が高く常温では固体の脂です。
 そのため、体内でも固まりやすく、血流を悪くする、悪玉コレステロールや中性脂肪の増加につながる、などの点が指摘されています。
 ・不飽和脂肪酸(オリーブオイル、ごま油、アマニ油など)
 融点は種類によって異なり、オリーブオイルは0~5度、ごま油やアマニ油は0度以下です。
 体温は36度前後ですので体内でも固まることはありません。

酸化しにくい


 一般的に不飽和脂肪酸が多い油は、構造が不安定で酸化しやすいという特性があります。
 しかし、オリーブオイルに多く含まれる「オレイン酸」は例外で、安定性が高く加熱にも強いのです。
 オレイン酸は、オリーブオイル以外にキャノーラ(菜種)油やナッツの油にも多く含まれています。

オリーブオイルの分類


オリーブオイルにもさまざまな種類があり、それぞれ品質が異なります。

オリーブオイル


 オリーブの果肉から搾取した油で、さらに酸化度合によって次のように分類されます。
 ・エキストラバージンオリーブオイル(酸度0.8%以下)
 ・バージンオリーブオイル(酸度2.0%以下)
 ・ランパンテバージンオリーブオイル(酸度2.0%超)
 ※食用には適さない、生成されるか工業用に使用
 ・精製オリーブオイル(酸度0.3%未満)
 ※バージンオリーブオイルを脱酸・脱臭・脱色などをして精製したもの
 ・ピュアオリーブオイル(酸度1%未満)
 ※精製オリーブオイルにバージンオリーブオイルをブレンドしたもの

オリーブポマースオイル


 油を搾取したあとの搾りかすから溶剤で抽出されたもの
 ・精製オリーブポマースオイル(酸度0.3%未満)
 ・オリーブポマースオイル(酸度1%未満)
 ※精製オリーブポマースオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたもの
なお、日本ではJAS規格によって、食用のオリーブオイルは酸度1.006以下と定められています。
つまり、日本で販売されているオリーブオイルはエキストラバージンオリーブオイル、ピュアオリーブオイル、オリーブポマースオイルの3種ということです。

オリーブオイルの働き


油としてエネルギー源になることはもちろん、オリーブオイルには次のような特徴的な働きがあります。

コレステロールの調整


 コレステロールは細胞やホルモンの構成成分として重要な役割をしています。
 しかし、コレステロールのうち「LDL(悪玉)コレステロール」が過剰になると血液を汚して血管を傷つけもろくしてしまうため、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる疾患につながりかねません。
 オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、このLDLコレステロールを低減する作用があります。
 また、植物ステロール(植物の細胞を構成する成分の一種)も腸管でのコレステロール吸収を抑える働きを持っています。

抗酸化作用


 ビタミンEやポリフェノールには酸化を抑える抗酸化作用があります。
 体内での酸化は、肌で起こるとシミやシワの原因となったり、血管で起こると動脈硬化を進めたり、健康にも美容にも悪影響を及ぼしてしまいます。

オリーブオイルの上手な活用法


日々の食生活でオリーブオイルの効果を活かす、上手な活用法をご紹介します。

保存方法


 オリーブオイルは光(紫外線や蛍光灯など)、温度、湿度に影響を受けやすいため、適切な保存によって品質を保つことができます。直接光の当たらない、暗く涼しい場所に保管しましょう。

加熱し過ぎない


 加熱に強いオリーブオイルですが、煙が出るほど高温になるとその働きが変わってしまうと言われています。
 ですから、生で食べる、炒めるなどの調理法がおすすめです。
 アヒージョのように長時間グツグツ加熱する料理は、弱火でじっくり加熱しましょう。
 風味を楽しむためには生で使う方法が最適です。
 サラダにかける、パンにつける、素材を漬ける…などをおすすめします。

摂り過ぎには注意


 いくら健康によい油と言っても、摂り過ぎはエネルギーの過剰摂取につながり、肥満の原因になります。
 調理油をオリーブオイルにする、パンにバターではなくオリーブオイルを使うなど、他の油に代用してなおかつ食事全体の脂質バランスを考えて取り入れる方法が、賢い活用法です。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

関連記事

情報提供元: mocosuku

  • Twitter投稿
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気記事

この記事へのFacebookのコメント