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子どものためにも。 虫歯になりにくい「おやつ」はどれ?

2018-12-28 18:30:23


執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
食事よりも甘い物が選ばれやすい「おやつ」。
甘いので虫歯になりやすいイメージがあると思いますが、実際に甘い物の食べ過ぎは虫歯につながります。
とくにお子さんの虫歯は気になるところ。
虫歯になりにくい「おやつ」があるといいですよね。
そこで今回は、虫歯とおやつの関係を詳しく解説していきます。

どうして甘い物を食べると虫歯になるの?


虫歯菌は糖質を栄養源として生きています。
ネバネバしたプラーク(歯垢)を作り、これが虫歯菌の巣となり、繁殖していきます。
虫歯菌は糖質を取り入れると酸を作り出します。
この酸が歯の表面にあるエナメル質を溶かして虫歯を作るのです。
糖質には多くの種類がありますが、なかでも虫歯菌が好むのは、「ショ糖」という種類の糖です。
これは甘さのもととなる、いわゆる「砂糖」を作っている糖です。
砂糖を多く含む甘い飲み物や食べ物を食べると虫歯になりやすいのはこのためです。
子どもの乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄くて弱いので、より虫歯になりやすい状態であることを理解しておきましょう。

おやつが虫歯になりやすい理由


一日3回の食事にも糖質は多く含まれるのですが、一方でおやつが虫歯になりやすいのはなぜでしょう。
その理由を整理してみます。

砂糖を使うものが多い


食事で摂取する砂糖の役割は多くの場合味付けですが、おやつで食べる甘い物の砂糖は主原料のひとつになります。
たとえば、肉じゃが1人前の砂糖は3g(小さじ1)なのに対して、クッキー3枚、板チョコ3かけ、それぞれの砂糖は約9g(大さじ1)、サイダーコップ1杯の砂糖は約20g(大さじ2以上)です。
このように、甘い食べ物や飲み物はお惣菜などよりもずっと砂糖を多く含むため、過剰に摂取しやすいことがお分かりでしょう。

歯に糖が残りやすい


食べた糖が全て虫歯菌のエサになるわけではなく、歯に残った糖を虫歯菌がエサにします。
おやつは次のような理由で、歯に糖が残りやすいのです。
・粘度が高い
キャラメル、クッキー、ウエハース、あられ、ケーキ、和菓子などは粘度が高く、口に入れるとねっとりしているため、歯の隙間に残りやすいおやつです。
・唾液が出にくい
チョコレート、あめ、ゼリー、アイスクリーム、ジュースなどは、あまり噛まずに食べられるおやつです。
噛む回数が少ないと唾液が出にくくなります。
唾液は虫歯菌が作り出す酸を中和したり、歯に残った食べかすを洗い流したりする、いわば虫歯予防の働きを持っています。
ですから、唾液の分泌が少ないと虫歯になりやすいのです。
・食べたあとの歯磨きが習慣化されにくい
食事のあとに歯を磨くのは習慣化されているでしょう。
しかし、おやつのあとは歯を磨かないという人は少なくありません。
甘い物が多い上に歯磨きを怠ると、虫歯になりやすい状況になるのは当然と言えます。

虫歯になりにくいおやつ


おやつが虫歯になりやすい理由を踏まえると、これらに当てはまらないものが「虫歯になりにくいおやつ」になります。
おすすめのおやつをご紹介します。

果物や野菜


イチゴやミカン、リンゴ、キウイ、ブドウ、バナナなど、果物は年間を通して多くの種類が出回っています。
また、とうもろこしやトマト、さつまいもなど、糖度が高い野菜もおやつに適しています。
もちろん果物や野菜にも糖は含まれますが、砂糖を使うお菓子に比べるとショ糖は少なく、また、水分のほか、ビタミン、食物繊維などの栄養素が豊富で噛み応えもあります。
ただし、果物の缶詰やコンポート、ドライフルーツ、ジャムなど、砂糖を使う加工品の食べ過ぎには注意が必要です。

乳製品


牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品は砂糖が少なく、水分のほか、ビタミン、カルシウムなどの栄養素を摂ることができる食品です。
ただし、ヨーグルトドリンクやコーヒー牛乳などは砂糖が多い製品もありますので避けたほうがいいでしょう。

ナッツ類


ナッツ類は糖が少なく、噛み応えがあり唾液の分泌が促されます。
とくに食物繊維が多く、ビタミンやミネラルも摂取できるアーモンドはおすすめです。

キシリトール入りのおやつ


「キシリトール」は虫歯菌のエサにならずに酸を作らず、さらに虫歯菌の増殖を抑えるとして、砂糖の代わりに利用されている甘味料のひとつです。
キシリトール入りのガムや飴、チョコレートなど、スーパーやコンビニでもよく売られています。
ただし、キシリトールは砂糖よりも甘みが低いため、砂糖で甘味を加えている製品もあります。
選ぶ際は食品表示の原材料を確認するようにしましょう。

虫歯を作らないための工夫


おやつの選び方に加え、虫歯を作りにくくする習慣も一緒に取り入れると効果的です。

食べ終わったら水やお茶を飲む


食べたあとに歯磨きができればベストですが、おやつの場合そうはいかない状況も考えられます。
そのようなときには、最後に水やお茶を飲んで口のなかをすすぐことを習慣化するとよいでしょう。

ダラダラ食べはしない


ダラダラとおやつを食べていると、歯磨きや口のなかをすすぐタイミングを失います。
また、虫歯菌が作った酸を唾液が中和する時間も減ってしまい、さらに虫歯ができやすくなります。

よく噛んで食べる


噛み応えのあるおやつを選ぶことも大切ですが、どんなものを食べるときでもしっかりと噛むことを習慣づけましょう。
唾液が十分に分泌され、虫歯や歯周病の予防になります。
虫歯予防は、毎日食べるものやその食べ方の積み重ねが大切です。
ご説明した選び方や食べ方を上手に取り入れて、美味しく健康的におやつを楽しみましょう。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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