
俳優の中井貴一さんが、舞台『先生の背中~ある映画監督の幻影的回想録~』の開幕前会見に俳優の芳根京子さん、キムラ緑子さん、行定勲さんらとともに登壇しました。
【写真を見る】【中井貴一】自身の名付け親・小津安二郎をモデルにした役に挑戦「名前をいただいた恩返しに」
本作は、日本映画界の名匠・小津安二郎監督をモデルに、苦悩する名匠のとある一日をユーモアたっぷりに描いた作品です。
中井さんは ‟小田昌次郎という映画監督で、晩年に一本の映画を撮る時に自分の人生と映画との葛藤をしながら歩んでいく役をやらせてもらいます。小津安二郎という人が一応モデルです” と演じる役について語りました。
実は、今作は演出の行定さんから中井さんへ熱烈なアプローチがあったそう。行定さんは ‟中井さんから日本映画界の全盛期のお話を聞いて、名匠たちを巡る話に感動した。時代が進む中で、(名匠たちを)知っている人たちが減っていく中で、良き日の日本の芸能があったんだということを伝えていきたいと思いました。” と回顧。続けて、‟その中で、僕が憧れていた小津安二郎監督の話と中井さんのお父さん、お母さんが絡んでいって、いち人間としての小津安二郎が面白いと思って、演じるなら中井さんにやっていただけないかっていうところから今作を着想しました。” と明かしました。
その思いを聞いた中井さんは ‟最初は、「中井さんが生まれるまでの話をやりたい」って言われて、「てめぇの生まれる芝居に自分が出るのは嫌だ」と思って、「小津イズムはお伝えするから他の方でおやりになってください」って断りました” と告白。しかし、監督の「映画人としての姿を舞台で残したい」という熱意を受けて、中井さんは ‟天国に行った時に、「小津さんに怒られるのは俺が一番いいかな?」と思ってお受けすることにしました” と出演の決め手を語りました。
中井さんの「貴一」という名前を付けたのが小津監督だったそうで、中井さんは ‟僕にとってはおじいちゃんみたいで、育ってくる中で「小津安二郎」が刷り込まれてきていたので、それを始めて使うときが来た” とアピール。
また「小津さんが本作を観たら何と言うと思うか?」と質問が出ると、中井さんは ‟「俺はあんなんじゃない」って言われると思う。ここにいる美しい女性との関係を赤裸々にされるなんて思っていないと思う。実際はフィクションですけど、それに対して文句言われると思います” と会場の笑いを誘いました。
最後に中井さんは ‟この劇場に来てくださったお客様の一人でも、帰って小津安二郎の映画を観ようと思ってくださったら、名前もいただいた恩返しができるんじゃないかなと思っています。そうなるようにみんなで努力をしながらやっていきたい” と意気込みました。
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