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南海トラフ地震確率「80%程度」に引き上げの意味 地震調査委員会“活断層”の最新情報を公開【Nスタ解説】

国内
2025-01-17 21:16

6400人以上が犠牲になった「阪神・淡路大震災」から30年。日本では、いつ、どこで地震が起きてもおかしくないと言われています。政府の地震調査委員会は、「日本の活断層」の地震リスクの最新情報を公開しました。


【写真を見る】地震発生確率「Sランク」とは?“活断層”最新情報を公開


阪神・淡路大震災から30年 戦後初 大都市直下型地震

小林由未子キャスター:
甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災。マグニチュード7.3、最大震度7(神戸市など)を観測しました。

▼犠牲者 6434人、▼重傷者 1万683人、▼住宅被害 約64万棟と、戦後初めての大都市直下型の地震となります。

この地震で様々な法律や制度が改正され、防災体制強化のきっかけになった災害ともなっています。


そして17日、地震発生時刻の午前5時46分には黙とうが捧げられ、追悼の集いが行われた会場には灯篭で描かれた「よりそう」という文字がありました。


東京大学 斎藤幸平 准教授:
当時は東京にいて、当日の強い記憶はないのですが、その後のテレビのニュースを見て「こんなことが起きてしまうんだ」と子どもながらに恐ろしくなったのを覚えています。


日比麻音子キャスター:
私も幼かったので当時の記憶はほとんどないのですが、親戚が被災をして毎年1月17日には当時の記憶を昨日のことのようにいろいろと教えてもらっています。


山内あゆキャスター:
当時私は高校3年生でした。その時期はセンター試験が行われる週だったので「関西の子たちは一体どうなってしまうんだろう」と心配になりました。

当時はスマートフォンがなかったので、朝に大きい地震が起きて、その後、家に帰って「大変なことになっている」ということが徐々にわかっていくという状況でした。今と違って情報の伝達が全く違うので不安だった人が多かったと思います。


南波雅俊キャスター:
当時、私は野球少年でイチロー選手が所属していたオリックスが「がんばろうKOBE」というスローガンを掲げてプレーするなど、スポーツの力で何とか復興していこうという姿を子どもながらに覚えています。


地震発生確率「Sランク」とは?

日本では地震がいつどこで起きてもおかしくないと言われています。そんななか政府の地震調査委員会は「社会・経済に大きな影響を与えうる114の活断層を評価」を発表しました。今後30年以内に地震が発生する確率をSランクからXランクの4段階に分けて示しています。

【地震発生の切迫度】
・Sランク 3%以上
・Aランク 0.1~3%未満
・Zランク 0.1%未満
・Xランク 不明
(地震調査研究推進本部発表)


114の活断層を日本地図で確認すると北海道、東北、北陸、関東地方などにありますが、特に岐阜や長野あたりに活断層が密集している印象です。ほかにも西日本も近畿、中国、四国、九州にあり、114の活断層は日本全国に広がっているのです。


ランク付けされてしまうと、切迫度が一番高いところだけを気をつけようと思ってしまいがちですが、京都大学防災研究所の西村卓也教授は「Zランク、Xランクは大丈夫というわけではありません」といいます。


西村教授によりますと地震の発生周期は1000年~1万年以上と非常に長く、今回一番高い『Sランク』でも3%以上と数字が小さくなっています。これは確率の問題で、周期が長ければ長いほど確率が大きな値にはならなくなってしまうからです。

ただ、この1000年に一度が明日かもしれないし、明後日かもしれないという性質が地震にはありますので常にどこで大きな地震が起きてもおかしくないということです。


南海トラフ地震確率引き上げ「80%程度」の意味とは

地震調査委員会はさらに「南海トラフ地震の発生確率」について、これまでの確率70%~80%から新たな確率『80%程度』と発表しました。

一見、10%程度引き上げられたと思いがちですが、これまでの確率70%~80%は『74%~81%を四捨五入した数字』で、新たな確率80%程度は『75%~82%を四捨五入した数字』になるということです。

京都大学防災研究所の西村教授は「1年間地震が発生しないと確率は上がります」といいます。


地震の備えは“基本の備え”を 心の苦しみに寄り添う社会づくりも

小林キャスター:
地震の備えについて、京都大学防災研究所の西村卓也教授は「家の耐震化、家具の固定、避難経路や連絡手段の確認といった基本の備えが大切です」と話します。


日比キャスター:
繰り返し何度も防災について震災について考え続ける。これを忘れてはいけませんね。


東京大学 斎藤幸平 准教授:
追悼会場の灯篭に「よりそう」という言葉がありましたが、阪神・淡路大震災は『心のケア元年』と言われました。目に見えない心の苦しみに日ごろから耳を傾けて寄り添うような社会を作っておくことも大事な震災対策だと思います。


日比キャスター:
私は能登半島地震の際にも被災地に取材に行きました。被災された方々のお話を聞きますと、例えばトイレや避難所のことについて「どうしてこの経験をうまく活かさなかったのか」という声を多く聞きました。

改めて今日という日にその経験を無駄にしないためにもう一度、震災について様々な意見を交わしていきたいと思います。


南波キャスター:
南海トラフ地震の発生確率は以前はもっと低かったそうです。それが70%~80%になり、今回は80%程度と高くなってきています。

やはり日常からの備えとして、ヘルメットを置く、履き慣れた靴を玄関に置くなど、できることからやっていくのも大事だと思います。


日比キャスター:
恐れず命を守るために備えていく、これが大切ですね。


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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済思想 社会思想
著書『人新世の「資本論」』が50万部突破


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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