陸上自衛隊の「精鋭」とされるレンジャー隊員について、一部の部隊を除き、今年度中の新たな育成が中止されたことがJNNの取材でわかりました。長期間にわたって中止となるのは部隊が発足してから初めてで、異例のことです。
(今年1月)
「防衛大臣、中谷元、飛びまーす。レンジャー!」
掛け声とともにジャンプしたのは中谷防衛大臣です。元自衛官の中谷大臣は、陸上自衛隊の精鋭と呼ばれるレンジャー隊員を育てる教官でした。
「お前らはレンジャー旗を持った瞬間にレンジャーを目指す者になった」
「レンジャー!」
陸上自衛隊のレンジャー隊員は、有事の際に最前線に立って任務を行うことが想定されています。
「洗っているのか、洗ってねえのか、どっちや」
「洗ってないです」
「陸自で最も過酷」と言われる部隊の訓練。およそ3か月間の厳しい教育課程を通過した自衛官だけがレンジャー隊員になれます。
しかし、一部を除いた全国の部隊で、今年度中の新たなレンジャー隊員の育成を中止していたことがJNNの取材でわかりました。背景を取材すると…
陸上自衛隊 幹部
「教育課程が『非科学的でやり過ぎ』と言われても否定できない」
陸上自衛隊 関係者
「教育を止めてでも見直しを行う必要がある」
レンジャー隊員の教育をめぐっては死亡事故が相次いでいます。2021年には熊本県で、去年8月には京都府で男性自衛官がそれぞれ熱中症で搬送され、死亡しました。
関係者によりますと、一部の部隊では教官側が定められた安全管理の体制を適切にとらず、教育課程の内容を自由に決めていた実態も明らかになったということです。
陸上自衛隊は「情勢の変化を考えてレンジャー隊員が持つべき能力の見直しが必要になった」としています。
陸上自衛隊 幹部
「『世間から乖離した組織』と言われるのも分かる。だからこそ(全面的な中止を)判断をした。組織の在り方を見直さなければいけない」
陸自では今後、死亡事故の再発防止策などを踏まえた教育内容を検討し、新たなレンジャー隊員の育成を再開する時期を判断するということです。
すでにレンジャー資格を持つ隊員の訓練は続けて行われますが、新たな隊員の育成が長期間にわたって全面的に中止となるのは、育成する教育が始まった1958年以来、初めてです。
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