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“補正予算案”提出見送りへ、バラマキ批判で方針転換? 物価高対策どうなるの? 消費税減税は?【Nスタ解説】

国内
2025-04-16 20:45

政府・与党は物価高対策などのための補正予算案について、今の国会への提出を見送る方向で調整に入ったことが分かりました。


【写真を見る】“減税”めぐる各党の主張 党内で対立する意見


「補正予算見送り」で物価高対策はどうなる?

井上貴博キャスター:
ニュースになっている「補正予算案見送り」とは、どういうことなのでしょうか。

日本の国家予算は、▼防衛費、▼公共事業、▼社会保障、▼国債などを含めて約115兆円で、この中に物価高対策にも使える「予備費」7400億円があります。

予備費で足りないという場合に「補正予算」で調整していくのですが、16日、この補正予算を見送りの方向で調整しているというニュースが入ってきました。

国会の会期は6月下旬までなので、あと2か月あまりですが、補正予算を組み提出するまでに1か月以上かかるといわれています。しかも、今は少数与党なので野党の協力が必要だと考えると、スケジュール的に厳しそうだというところもありそうです。

「補正予算見送り」というニュースは、どう受け止めるべきでしょうか。


TBS報道局政治部 岩田夏弥 部長:
減税が必要だとか、補助金・お金を配った方がいいなど、いろいろな意見が出ているのですが、意外とお金を配ることに対しての抵抗感があるということです。

週末に世論調査が行われましたが、それ(現金給付)をネガティブに受け取る人も多いという中で、あえてやるのかという判断は、なかなか政府・与党も難しいです。

また、やはり与党が少ないので、どこかの党と協力して成立させなければいけませんが、そう簡単ではないという中で、今こういう方向に来ているということでしょう。


出水麻衣キャスター:
お金を配ることをネガティブに捉えるというのは、選挙対策のバラマキであるという批判とイコールですか?


TBS報道局政治部 岩田部長:
お金を配っても、選挙前にバラマキをやるのか、それはどうなのかという反発も起きるということです。


政府・与党の現金給付案は最大約6兆円 予備費では不足

井上貴博キャスター:
各党が選挙に向けてどう対策していくのか議論が行われている中で、現金給付や減税など、いくつかの案がありました。物価高対策はどうなるのでしょうか。

予備費は7400億円ということですが、政府・与党が検討している現金給付案は、3~5万円給付で最大で約6兆円が必要になるといわれています。つまり、「予備費」だけでは足りないということになり、事実上、「現金給付」は困難になったといえそうです。


今回、補正予算が見送りになったそのワケについて、TBSスペシャルコメンテーターの星浩氏は、▼トランプ関税の影響の精査、▼円高と原油安で物価高が落ち着きそう、▼現金給付への評判がよくないという点をあげています。

今後、選挙に向けていろいろな案が出てくるのでしょうか?


TBS報道局政治部 岩田部長:
みなさん、物価高に困っているというのは共通していますので、「本当に何もしなくていいのか」という議論にはなると思います。なので、夏の参議院選挙の前には、各党がどういう対策をするのかというのは、すごく大きな争点になってくる可能性があります。


出水麻衣キャスター:
(現金給付は)事実上困難にということですが、無くなったと見てよいのでしょうか。


TBS報道局政治部 岩田部長:
自民党内でも、選挙になる参議院議員もいますので、その議員たちから「何かやらなくてはいけないのでは」という声が上がってくる余地はあると思います。

16日時点では「事実上困難」なのですが、この先どうなるのかは、なかなか言い切れないところもある状況です。


航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん:
岸田政権の一人当たり4万円の減税を「4万円もらった」と実感できているのか。国民にとって、岸田政権時と同じレベルの政策なのであれば、生活が向上しないということで、もっと抜本的にやってほしいという国民の声が強いのではないかと思います。


井上キャスター:
コロナ禍の「10万円配布」も、結局は7割ほどが貯蓄にとどまってしまったということもありました。消費喚起されていないのではないかということもありますね。


航空・旅行アナリスト 鳥海さん:
GoToトラベルの期間限定の地域共通クーポンのように、「儲かった」と思えるような、わくわくする感じが必要なのかなと思います。

給付されても貯蓄に回ってしまう政策より、期間限定で、期間中に使わないといけない、そして、地域の経済が潤うというところまで、トータル的に考えないと、結局ただのバラマキで選挙対策と言われかねないと思います。

実際、出してみた結果、支持率の上昇には繋がらなさそうだなということで、今回は「通せない」となったのではないでしょうか。


物価高対策…“補助金”→補正予算→消費税減税の議論に?

井上キャスター:
自民・公明与党としては、▼ガソリン価格の引き下げ、▼電気・ガス代の補助を予備費(7400億円)からと検討しているということです。どのくらい使うことになるのでしょうか。

星氏によると、予備費は災害対策用に予算を残す必要があるため、物価高対策としては2000~3000億円になるのではないかということです。


つまり物価高対策としては、▼参議院選挙に向けて、ガソリン代の引き下げ、電気代などの補助金、そして、▼夏以降は関税の影響を見極め、補正予算の編成も考えられ、▼秋以降に本格的に消費税減税の議論を始めようとしているのではないかといいます。

財源をどうするのかという点も含めての議論になるわけですね。


TBS報道局政治部 岩田部長:
消費税を変えるというのは全国民に関係し、しかも、今だけでなく将来の若い世代にもかかわってくる非常に大きな問題です。

基本的には選挙のときにしっかりと各党が争点として、「こう考える」と(政策を)出して、国民に選んでもらってから変えていくものです。国会の中だけで決めてしまっていいのかという問題でもあります。

なので、この夏の参議院選挙、そしていずれある衆議院選挙なども見据えた大きなテーマになっていくと思います。

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<プロフィール>
岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当

鳥海高太朗さん
帝京大学 非常勤講師
航空・旅行アナリストとして国内外の旅行事情に精通


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