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コメ農家がレモン栽培 豪雪地帯の新潟でなぜ?「もったいない」ハウス活用で新たな収入に【Nスタ解説】

国内
2025-04-28 20:23

日本一のコメどころの新潟県。
その新潟県で「国産レモン」を栽培する挑戦をしているといいます。
なぜ、コメ農家がレモン栽培に挑むのでしょうか?


【写真で見る】「新たな名産に」コメ農家がレモンを作るワケ


「もったいない」豪雪地帯でレモン栽培 コメ農家がなぜ?

新潟駅内にある青果店「YAOYA SUN」で販売されていたのは、豪雪地帯・新潟で作られた「すかっとレモン」。


買い物客
「(新潟県産は)あまり見たことがない。初めて聞いたのであまり想像がつかない」
「(新潟で)作っているところあるのかな。寒いから」


新たな名産にしようと挑戦しているのは、なんとコメ農家なんです。


木龍拓也さん(31)は、明治時代から続くコメ農家の7代目で、毎年約40トンのコメを生産しています。

レモン栽培は2024年に始めたばかり。一体どこで栽培しているんでしょうか?案内されたのは…


コメ農家 木龍拓也さん
「コメの育苗ハウスになります」


このビニールハウスはコメの苗を、田植えができる状態になるまで育てる場所。ただ、課題が…


コメ農家 木龍拓也さん
「10か月ちょっととかは(ハウスを)使っていない状態。もったいないと、土地が空いているのに、ちょっともったいないなと」


苗を育てるために、ハウスを使用する期間は4月~5月中旬にかけて、わずか1か月半。ハウスが開いてしまう残りの10か月を活用するため、レモン栽培を行うことにしたんです。


今は苗を育てているので、レモンはビニールハウスの外。


コメ農家 木龍拓也さん
「今、芽が出てきている感じですね。春芽が出てきて」


これらは「ビラフランカ」という品種で、レモンが名産の広島などでも栽培されています。

レモンを育てることで空いたビニールハウスのもったいないを解決。さらに…


コメ農家 木龍拓也さん
「コメ不足って、今話題になってますけど、天気には抗えないので、そこの部分で(コメ栽培は)大変。毎年(コメの)金額の上げ下げがあるので、今年はどれぐらいの価格になるのか心配になる」


Nスタ
「レモンの収穫で収入に変化の見込みはありますか」


コメ農家 木龍拓也さん
「そうですね。見込んで頑張ろうと」


コメの価格が安定しない中、新たな収入源として期待しているそうです。


“鉢で栽培”の意外なメリット 活用の動きも

豪雪地帯・新潟で作るレモンとは?新潟でのレモン生産の第一人者・石黒正良さんを訪ねました。


石黒正良さん
「このハウスで今のところ(レモンが)110本入っています。土に植わってるものもありますけど、基本的には鉢で」


レモンといえば露地栽培が一般的ですが、ビニールハウスへの出し入れを考え、鉢植えで栽培することを選択。ただ、これが意外なメリットに。


石黒さんは自身のハウスで地面に植えての栽培と鉢植えでの栽培を行ったところ、約1000個のレモンを収穫できたのですが、そのうち800個が鉢植えで栽培したもの。地面に植えるより、はるかに収穫できる個数が多いことがわかったのです。


石黒正良さん
「ある程度こういうふうに狭いところでレモンを作ることによって、子孫を残そうとして実をつけるわけですよ」


3年前、石黒さんが始めたレモン栽培。今では40件ほどの農家に広がっています。


少しずつ活用する動きも。新潟市内のベーカリー「MOUNT TEN BREAD」では、このレモンを使った新メニューを開発。


MOUNT TEN BREAD 商品開発 中田翔貴さん
「海外産のレモンとかは、爽やかな香りが少し弱かったりするが、フレッシュな香りはすごく強く感じました」


はちみつ漬けにした新潟県産レモンが主役です。


MOUNT TEN BREAD 商品開発 中田翔貴さん
「甘くなりすぎない、はちみつ漬けにしても。すごく酸味が残ったまま漬けあがるので、そこが魅力的だなと」


コメどころ新潟で生まれた「すかっとレモン」、本格出荷は2025年の冬を目指しています。

コメ農家の木龍さんは…


コメ農家 木龍拓也さん
「コシヒカリとかは有名ですけど、それに並ぶような雪国レモンというところを期待してます。(名産に)なると思います」


新たな名産へ さまざまな可能性を秘めたレモン栽培

山形純菜キャスター:
新潟のコメ農家が挑戦しているレモン栽培。コメの苗を育てるために使っている農業用ハウスを活用しているということです。


「育苗ハウス」でコメの苗を育てるのは4月~5月中旬で、ほかの期間は使用していなかったそうです。そこで、ハウスを有効活用しようと、残りの10か月でレモン栽培を行っているということです。

今回取材したコメ農家の木龍さんは、2026年に初めて収穫ということになりますが、天候に左右されるコメ生産者として、レモンが新たな収入源になることを期待しているといいます。


井上貴博キャスター:
露地栽培ではないので、極力農薬を減らすことができ、皮まで食べられるなどの可能性も秘めているようです。


スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
この発想の転換のきっかけを知りたいです。

例えばコメ農家の持続可能性と考えると、どうしても「コメをどうしよう」という狭い視点になってしまいそうですが、「ハウスが開いているからレモン栽培を」となぜなったのでしょうか。そうした点がわかると、さまざまな部分に発想を転換していけそうですよね。いろいろな方々の力があったのだろうと想像が膨らみます。


山形純菜キャスター:
木龍さんがレモン栽培を始めたきっかけは、新聞でレモン栽培を知ったお姉さんからの「やってみれば?」という一言だったということです。

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<プロフィール>
田中ウルヴェ 京さん
スポーツ心理学者(博士) 五輪メダリスト慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰


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