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若者の77%「管理職なりたくない」GW明け退職代行に依頼殺到 SNS時代の“即ヤメ”と働き方の変化【サンデーモーニング/風をよむ】

国内
2025-05-11 17:05

ここ最近、離職や転職がごく当たり前になるなど、若者を中心に働き方が以前と変わってきているようです。背景には何があるのでしょうか。


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「もう五月病です」最大11連休のGWが終わり・・・

2025年、最大11連休に達したゴールデンウィークも終わり、街のサラリーマンからは、こんな声が...


会社員
「もう五月病です、しっかり」
「取り戻さなきゃという焦りもあり、疲れが出ています」


実はこのゴールデンウィーク明けが、新入社員を中心に、会社を辞めるケースが1年で最も多いといいます。


本人に代わって退職の意思を会社に伝える、いわゆる「退職代行サービス」の会社を取材しました。連休明けの7日だけで依頼件数が256件に達するなど、退職の依頼が殺到しています。


退職代行「モームリ」スタッフ
「退職届であったり、保険証、ユニフォームは労務課あてにお送りするようにいたします。本人様とご家族への連絡は控えていただきたい」


22歳の男性、4月に入った会社を、こうしたサービスを利用して退職した一人。入社前に聞いていた話より、残業時間が長いといった会社への不信感から、退職を決めました。


代行サービスで退職(22)
「せっかく採用してくれた会社なので、自分の意思で伝えないのは甘えだということは分かるんですけど、そういう(退職代行)サービスがあって、便利なので使うに越したことはないかなと」


こうした入社1か月で会社を辞める若者だけでなく、今、離職・転職する若者の数は大きく増加しています。


退職代行モームリ 谷本慎二 代表
「人が足りないから何としても求人数を増やしたいという企業が多いので、求人票を良く書いてしまう。だから実際入ったときに乖離がある」
「やはりSNSでより(待遇の)良い企業が見えてしまうので、転職を選ばれる方が増えている」


2009年に入社した大卒社員の約5人に1人だった離職数は、2021年入社の社員になると、約3人に1人に増加しています。


若者 30代
「ずっと1か所に居続けるだけの道は、今はむしろスタンダードじゃない」


若者 20代
「さまざまな経験を、いろんな職場でしたい」


様々な働き方を模索する今の若者たち。中にはこうした会社を選ぶ若者も...


変わりゆく働き方 会社選びにも…

株式会社グローバルパートナーズの社員たち「根性‧根性‧ど根性!」


ベンチャー企業の支援事業などを手がける株式会社グローバルパートナーズは、一見するとパワハラとも取られかねない指導が見られます。


TikTokの動画では・・・


グローバルパートナーズ 山本康二 社長
「やれよ!お前が変わるか、お前を変えるしかないんだよだからどいてくれよ」


社員「僕が変わります」


一方で社員も、自らノルマを課して、その達成のためには、残業もいとわないといいます。


入社2年目の社員
「1回(ノルマを)達成すると、自分からやりたいなって」


入社5年目の社員
「(残業は)やりたいからやっている。それだけ」


達成すれば、それに見合った報酬が得られることもあって、2024年の離職率は約2%です。


グローバルパートナーズ 山本康二 社長
「流行語大賞で『不適切にもほどがある』とありましたけど、僕は逆で『適切にも程がある』と。怒りたい時は本気で怒るし、褒めたい時は本気で褒める。『何か大きなことをしたい』という若者に、思いっきり仕事ができるフィールドを与えてあげるべき」


あえてこうした厳しい職場を選ぶ若者がいるなど、働き方も多種多様。しかし以前は違いました。


いわゆる「企業戦士」「モーレツ社員」が美徳とされた、昭和の日本。


終身雇用、年功序列制度の下、多くの若者が残業や休日出勤もいとわず懸命に働きました。苦労の末に目指したのは...


1990年代のサラリーマン
「出世ですよね」
「取締役」
「役員くらいにはなりたい」


ところが、そんな思い描く将来像が、今では大きく様変わり。若者からは...


若者 20代
「管理職という目標は立てられてない」


今、若者が目指す “将来像”が変わりつつあります。


「管理職になりたくない」若者の目指す“将来像”

若者 20代
「責任がその分重くなるので、管理職という目標は立てられていない」


若手社員を中心に「管理職になりたくない」とする人は、現在約77%に達しています。働き方改革などで、若手に代わって、負担や責任を負わされる管理職に尻込みする若者が増えたのではないかと、組織の働き方を研究する専門家は指摘します。


パーソル総合研究所 小林祐児 主席研究員
「『あんな働き方はとてもできない』と思う若者が増えています。かつてであれば、いつか“部長”に、いつか“社長”にという風な道筋がなんとなくありましたが、今はそうじゃない。経済が停滞して、組織が高齢化し、上が詰まっている状態。今の若者のキャリア観の変化ですね」


実際、世界的に見ても、管理職になりたい人が、日本は突出して低いのが実状。


【「管理職になりたい」と思う人の割合】出展::パーソル総合研究所(2019年)


・インド…86.2%
・ベトナム…86.1%
・中国…74.2%
・韓国…60.2%
・シンガポール…49.6%
・オーストラリア…44.8%
・ニュージーランド…41.2%
・日本…21.4%


その弊害について...


パーソル総合研究所 小林祐児さん 主席研究員
「若者が管理職を目指さなくなると、次世代のリーダーが現れにくくなってしま
う。優秀な若手からどんどん抜けて、例えば、ベンチャーや外資系の企業へその会社の戦力から抜け出てしまう。会社の経営全体にネガティブな影響を与えます」


若者の働き方の変化は、日本社会をどう変えていくのでしょうか。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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