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重体事故→ひき逃げ→無免許運転…今年3度目の逮捕の男(74)いったい何が? 増加する高齢者の“無免許運転”を防ぐためには【news23】

国内
2025-06-12 11:58

鳥取市で今年3月に小学生をはね、重体となる事故を起こし、3日後、高校生をひき逃げしたとして2度逮捕された74歳の男。釈放された後に無免許で運転したとして、また逮捕されました。男は「運転していない」と容疑を否認しています。


【写真を見る】2度の事故現場はどちらも“見通しの良い”道路


「なんで乗るのか」事故で2度逮捕の男 無免許運転で再び逮捕

鳥取市の住民
「(1回目の事故の被害者は)意識不明に最初はなったみたいなので、その時点で運転するのはやめようと思うのが普通なのではないか。3日後にすぐひき逃げというのは、許されることじゃないと思う」


――3回目は無免許で逮捕

鳥取市の住民

「それはそれで、ちょっと…なんで乗るのかなと不思議でたまりません」

鳥取市の住民
「いやいや、もう本当にありえんでしょ。軽い刑で済ましてもらったら困りますね


住民の怒りの矛先は、10日に逮捕された鳥取県伯耆町の無職、野口誠容疑者(74)。

実はこの男、この3か月の間に小学生が意識不明の重体となる事故や、高校生に対するひき逃げで2度逮捕され、さらに今回、釈放されたあと無免許運転をしたとして逮捕されたのです。

一体、何があったのでしょうか。


「事故後も変わった様子はなく、農業や犬の散歩を…」

最初の事故は、3月31日。野口容疑者は、鳥取市内を乗用車で走行中、県道交差点で横断歩道を渡っていた9歳の男子小学生をはねる事故を起こし、過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕されました。


目撃者
「ドーンという音ですよね。(外へ)出たら(小学生が)横たわっておられてね。口から血が出ていたりして」

――跳ねた男は近くにいた?
「そうです」


小学生は一時意識不明の重体に。野口容疑者は送検後に釈放されましたが…


記者
「児童をはねた事故から3日後、男はこのあたりで男子高校生と車で事故を起こし、現場から逃走したということです」


島根県安来市で自転車に乗った男子高校生(15)と衝突、足などに軽傷を負わせて逃走しました。


高校生の知人
「(高校生は)軽い傷だったようなんですけども、すごい怖がってるって聞いてる。私も子どもがいるので、本当に許せない気持ちですね」


このひき逃げから8日後、野口容疑者は再び逮捕されましたが釈放されました。運転免許は取り消しとなりましたが、5月7日に自宅近くで軽トラックを無免許で運転したとして、6月10日に3度目の逮捕となりました。

野口容疑者の知人は…


野口容疑者の知人
「ぱっと見普通の人ですけどね。車を販売しておられたから(野口容疑者から)車を何回か買った。やっぱり自分に負けたんじゃないですか。不便さがあるから、それで負けて運転したのかもしれない」


別の知人はnews23の取材に対し、「事故後も変わった様子はなく、農業や犬の散歩をしていた」と話しました。


「事故後も車を運転している」といった情報を警察が入手し、特定に至った今回の無免許運転。取り調べに野口容疑者は「運転していない」と容疑を否認しているということで、警察が詳しいいきさつを調べています。


免許返納後に運転したケースも 高齢者の無免許運転を防ぐには

藤森祥平キャスター:
これまでのいきさつを振り返ります。


【野口誠容疑者(74)】
3月31日:9歳小学生をはね現行犯逮捕
4月3日:15歳高校生を“ひき逃げ”→逮捕

運転免許取り消し

5月7日:国道で“無免許運転”
6月10日:逮捕


野口容疑者は容疑を否認しているということですが、無免許運転は言うまでもなくルール違反。特に被害者からしてみれば、いかなる事情でも許しがたいと思います。


警察庁によると、無免許運転等の事故(条件違反などを含む)70歳以上の割合は、▼2015年:8.4%でしたが、▼2022年:13.4%に増加しています。この中には、免許返納後に運転をしたケースもあるそうです。


小川彩佳キャスター:
高齢者が起こす事故を減らしていくために、まずは免許返納を促す動きがあります。しかし、免許返納しても、無免許運転をして事故を起こしてしまう人もいる。どう対策をしていけばいいのでしょうね。


トラウデン直美さん:
高齢ドライバーの免許返納の流れは、事故を防ぐ上で必要なことだとは思います。しかし、これまで車がある生活をしてきた中で、車のある便利さは置き換えがたい部分ではあると思います。なので、免許返納後の暮らしをどのようにフォローしていくか、というのが重要なことだと思います。

一方で、今回の野口容疑者のケースのように、事故後、運転免許取り消しされても、運転してしまうような悪質なケースでは、厳罰化も必要になってくると思います。

免許返納後の暮らしをフォローしていくためのインセンティブと、悪質なケースに対応するための厳罰化。これらを両輪で回していく必要があると感じます。


伊沢拓司さん:
免許に関すること全般、特に高齢者関連で言えば、全体的に高齢化が進んでいるので、統計上、高齢者による事故等の割合が増えた事は、高齢者だけを一概にターゲットにすることはできない、というのは一つ言えると思います。

厳罰化が必要な中で、より包括的・長期的な目線で考えるならば、「地域の繋がり」というのを回復していかなければいけないと思います。

周囲とコミュニケーションが取れていたら「運転やめたら?」「大丈夫?」などの声掛けができたはずです。免許返納後も例えば、相乗りをするとか、「相乗りが必要だ」ということを行政に伝えるなどの、コミュニケーションもより取りやすくなります。

やはり近年、日本の地域社会において、繋がりが失われてきたということは、一人ひとりの行動などで歯車が狂ってきたところに、歯止めが利かなくなってしまう、ということを産んでいます。やはり、「人との繋がりを作っていく」という手段で、様々なことに対応していくのが、今後の社会のあり方としては求められると思います。


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<プロフィール>
トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行

伊沢拓司さん
株式会社QuizKnock CEO
クイズプレーヤーとして活躍中


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