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【work23】「部下の方が給与高い」令和の管理職は“罰ゲーム”? コンプラ・働き方改革・部下のケア 悩める管理職に「コーチング」「AI上司」サービス続々【news23】

国内
2025-06-27 22:03

管理職になることを望まない若者が増えています。業務量は増え続け、もはや“罰ゲーム”とも言われる管理職。その悩みを解決するヒントを探ります。


【写真を見る】半年前に立てたチーム目標をどう振り返るか…コーチングの様子


「自信ない」「興味ない」管理職を望まない若者が増加

まずは若手社員に聞きました。「管理職に将来なりたいですか?」


サービス業 男性新入社員(23)
「管理職にはなりたいです」

サービス業 男性新入社員(22)
「自信ありません...人を導くカリスマ性を持っていないかな」

サービス業 女性新入社員(22)
「自分がやりたいと思うことを重視したいと思って働いてるので、そういう役職には興味ない」


日本能率協会マネジメントセンター2023年によると、管理職に関する調査では、一般社員の77.3%が「管理職になりたくない」と回答。出世を望まない若い世代が増えている傾向が伺えます。


すでに管理職の人は...


車のソフトウエア制作 管理職(54)
「管理職になって20年以上だが、一番悩むのは部下のこと。色んな部下がいるのでその部下とどう向き合うか」

サービス業(ホテル業界)管理職(45)
「慣れたら管理職の方が楽なんじゃないかなと。責任は重いんですけど」


製造業 管理職(48)
「(管理監督者は)残業代がつかないので、残業代を含めると部下の方が給与が高いとかはある」

アニメーション制作 管理職(45)
「(以前は)根性でみたいなのはあったが、今は働き方改革とかもあり、自分たちがやっていたからやれ、みたいなことは言えない」


管理職の悩みはどう解決したらよいのでしょうか。


管理職の悩み どう解決?重要なのは“問いかけ”

そのヒントが、こちらの会社に。企業の悩める管理職に対して、プロコーチによるコーチングを提供するmento(メント)です。


メント 木村憲仁CEO
「定期的に1on1で、オンラインでお話をさせていただいていて、ご本人の中から答えを導いていくような対話を行っています」


そのコーチングを早速実践してもらいました。


コーチの寺田さんに相談するのは、10人の部下を抱える大手製造業の管理職Aさんです。相談内容は、半年前に立てたチーム目標をどう振り返るか。


大手製造業 管理職Aさん(40代)
「膝を突き合わせてやれる会を作りたいなと。最初にいきなり集まるのか、事前に何か考えてきてもらったうえで集まるのか」

プロコーチ 寺田貴哉さん(52)
「それぞれを想像したときに、どんな場になりそうかを想像して言葉にしてもらっていいですか」


管理職Aさん
「準備を全くしないのは、ハードルは低いかなと。逆にもう1つのパターンは、『(仕事が)降ってきたな』と」


コーチの寺田さんは、質問を繰り返します。


プロコーチ 寺田さん
Q.いまどういう風に組織は見えている
Q.口に出してもらうとどういう課題
Q.どんなものを伝えたい


管理職Aさん
「ポジティブに臨んで欲しいという思い」


約20分間のコーチングを終えたAさん。
相談の結果、部下に事前課題を与え、半年間を振り返ることにしました。コーチの寺田さんは、相手の話を聞いて“問いかけ”が重要だといいます。


プロコーチ 寺田さん
「僕自身は良い問いを設定するか、ということに尽きると思っていて。その問いを使うことで、クライアントが自ら考えて、考えたことを口にする。これがすごく大事」


寺田さんが担当する管理職は15人。ただ、プロコーチが本業ではないそうです。


約3500人を支援 「少しでも皆さんの力になれば」寺田さんの思い

本業の職場は、メッセージアプリ「LINE」などを運営する「LINEヤフー」。


LINEヤフー 寺田さん
「コーポレートコーチ室というのがあって、そこの室長とコーチをやっています」


LINEヤフーでは、“リーダー支援”に力を入れていて、コーチング専門の部署を設置。寺田さんはそのチームの室長で、役員などにコーチングを行っています。


寺田さんがコーチングを行ってきた人数は、これまでに延べ3500人。しかし、なぜ自らの会社だけでなく、“社外”でもコーチングしているのでしょうか。


LINEヤフー 寺田さん
「日本を元気にしたい。(日本は)失われた30年とか言われていますけども、結構ポテンシャルがあってまだまだ伸びる国だと信じている。そういった思いとか力を持ったリーダーが日本にはたくさんいるかなと。僕の力が、少しでも皆さんの力になればということで、副業で外部でもコーチをさせていただいている」


管理職が“罰ゲーム”ともいわれる時代 昭和上司と令和部下のはざまで… 

小川彩佳キャスター:
管理職が“罰ゲーム”と言われる時代です。確かに、いろんなことがのしかかってきます。


昭和時代の上司と令和時代の部下に挟まれ、上からは昭和型の常識をベースに結果を求められる。下からは「今の価値観やライフスタイルに合わない」と拒まれる。


さらに、業務は増えるけれども残業代は出ないことも大きいと思います。実感としてはどうですか。


藤森祥平キャスター:
私の場合は、アナウンサー業務をしながらnews23のマネージャーという立場で管理職をやっています。みんなでいいチームを作ろうと思って日々やっているので、やりがいはあります。

ただ、今大きく社会が変わり、コンプライアンスなどある中で、部下に対する丁寧な説明や評価はするけれども、心を砕いていろんな負担がかかっている分、その自分たちの評価・対価は正しく行われているのかというのを私の周りの管理職のメンバーからもよく聞きます。それが実は本音として言いづらくもあります。


家本賢太郎さん:
私の会社も「管理職になりたくない」という声が、一定程度聞こえてきます。

逆にしっかりと自分でチームを作って、大きなことを成し遂げたいんだと思うときに、その手段が「管理職」という道なんだ、という人たちも当然いる。そこをきちんとフォローしたいですね。


管理職に求められるスキルは「裏表ないこと」「サポートが大事」

小川キャスター:
一般的に管理職に求められるスキルは、▼リーダーシップ、▼部下の指導・評価、▼危機管理能力、▼信頼される人間性だと言われます。

もし会社勤めであったら、管理職になりたいと思われますか。


トラウデン直美さん:
お声がかかればチャレンジしたいと思うかもしれませんが、今のを見ると、「私にできるかな」って自信がなくなる感じもわかります。

同世代が3~4年目ですが、やっぱり転職している方も多いです。だから、次の仕事や他のところに移ることを想定して、「責任のある立場になると辞めづらいかも」という考えもあるのかもしれません。


小川キャスター:
確かに管理職になると、「会社のために何かをしなければ」というタスクも増えてきます。昭和・平成と比べ、会社への帰属意識そのものが薄れている令和においては、管理職が遠い存在になっていくのかもしれないですね。


家本さん:
管理職になる人たちも、自分たちが初めて管理職になったとき、どうしたらいいかわからない。それを誰に相談したらいいのか。

今までは先輩もいたかもしれないけど、その先輩ももっと(役職が)偉くなって忙しくなっている、というようなこともある。だから、やっぱり誰かがそこをフォローし、サポートしてあげることが大事だと思います。


トラウデンさん:
終わりが見えない中で管理職になる、というのも勇気がいるような気がして。前段階のプロジェクトリーダーなど、もっとリーダー経験をたくさんやってからであれば、もう少し自信がつくかなと思います。


藤森キャスター:
いきなり始まってしまう感じですからね。管理職に重要なスキルは何だと思いますか。


家本さん:
やはり周りからどれだけ「信頼されるか」は、リーダーになっていく上で重要だと思います。

もちろん能力の面で必要な部分もあるんですけど、裏表がないこと。例えば上の人間には良い顔していても、部下には良くしないとか。やはり見抜かれてしまいます。オープンであることや、なぜこれをして欲しいのかなど、自分の思いをはっきり伝えることが、大事だと思います。


管理職の業務量 AIが負担軽減の懸け橋に…?

藤森キャスター:
管理職の業務負担を減らすという点で、AIを活用した取り組みがあります。


社内データを分析し、人事業務を見える化する‟AI上司”(PeopleX社・HR Operator)は、部下の業務の成績や勤務時間を、AIが分析し、最終的に管理職がその評価を出します。こうした動きで、管理職の負担が変わってくるのではないかということです。


家本さん:
管理職の人たちが今まで悩んだことは、過去何十年も長く続いていたことがあるはずで、それをAIがアドバイスをして、寄り添ってくれる。そのような世界もあるかなと思います。


トラウデンさん:
他にも、部下の方が直接言いづらいような悩みなども、AIに打ち込むとAIがうまくまとめて、それを伝えてくれるとか。間に立ってくれる役割として、対人ではない分、気軽に言えるので良いクッションになり得るのかなと。


小川キャスター:
管理職って孤独ですからね。


藤森キャスター:
そうですね。ときには愚痴をこぼしながらですね。なるべく後回しにならないように、みんなで盛り上げることもあってもいいのかなと。


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<プロフィール>

家本賢太郎
15歳で起業 8社を経営し中国でも事業展開
米ニューズウィーク「21世紀のリーダー100人」

トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行


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