不要品の買取業者を装い、ヤミ金融を営んだとして、会社社長の男らが逮捕されました。ヤミ金業の“隠れ蓑”になっていたのは「先払い買い取り」と呼ばれる巧みな手口でした。
「あなたのアイテムを即日買い取ります!」「借金せずに現金化」
不要品の買い取りを謳うサイト。押収された冊子にも“甘い言葉”が踊ります。
警視庁に逮捕されたのは、コンサルティング会社社長の萩原教章容疑者(40)ら男3人。男性客3人に対し、違法な高金利であわせておよそ180万円を貸し付けた疑いがもたれています。
買い取り業者を装った「先払い買い取り」というヤミ金の新たな手口でした。
まず、萩原容疑者らは出品物として客にゲーム機などの写真を送るよう指示し、現物を受け取る前に代金を先払いするといって金を貸し付けます。しかし、客の多くが借金目的とみられ、品物の取り引きはありません。客側から出品を取りやめた「キャンセル料」という建前でペナルティー風に利息を上乗せし、金を返済させていました。
被害者からの相談
「利息の返済が出来なくて困っている」
利息は最大で法定金利の13倍。こうした“先払い買い取り”により、返済が困難になるケースが各地で問題になっていて、専門家は背景に利用のハードルの低さがあると指摘します。
買い取り金融対策全国会議 代表幹事 前田勝範 司法書士
「一般的なヤミ金と違ってホームページとか、怖いイメージは全くない。スマホだけで融資を受けて、すぐに現金になる。安易に利用する方も結構います」
しかし、深刻な被害も…
買い取り金融対策全国会議 代表幹事 前田勝範 司法書士
「『審査』というかたちで、免許証や会社の社員証を提供する。もし返せなかった時には職場に連絡をすると。インターネット掲示板の方で個人情報を晒すサイトが結構ある」
今回も萩原容疑者らは客に本人証明書と顔写真を送らせていました。
萩原容疑者らは全国1600人に2億4000万円を貸し付け、総額およそ1億3000万円の違法な利息を得ていたとみられていて、警視庁が全容解明を進めています。
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