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イチロー氏 「怪我した人は実は強くなる」そして「優しい人になって欲しい」高校野球女子選抜に贈る言葉【後編】

総合
2024-09-25 00:55

50歳を迎えても、いまなお、気付き、進化を続けるイチロー氏。4年目を迎えた「高校野球女子選抜」VSイチロー選抜「KOBE CHIBEN」の試合後に共に戦った高校野球女子選抜の選手たちに、イチロー氏(50)が常識を超えたイチ流の金言と熱きメッセージを伝えた。開始から熱を帯びたメッセージは“人に対する敬意”の大事さ、イチ流の“心技体”と“勝負強いバッター”の思考を伝えた。


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イチロー氏 バッティングで「詰まりは負けだという考え方は捨てた方がいい」高校野球女子選抜に贈る言葉【前編


新たな気付き  “実戦練習”と“ユニホームを着てちゃんとやる”が大事

(勝負強いバッター。相手が嫌がるタイプ。を目指すには…)
バッティング練習では、しっかりストライクゾーンを、強い打球を打つ。それでいいと思うし、実戦形式じゃないとこれはなかなかできない技術か練習だと思うね。試合前の今日の打撃練習では、なかなかそれができない。あくまでも試合形式で4打席3打席でもその練習の方がバッティングピッチャーの球を100球打つよりもいい練習が出来るという事も言える。実は、今回はMLBがシーズン中なので、まだ。マリナーズは今遠征中で僕は今ここ東京へ戻ってきているのです。だからシーズン中は、僕(※マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターとして)シアトルのホームゲームには必ずいるのね、球場行くの。でも選手たちいるから外でなんか(練習を)当然できないし、(球場内に)ケージがあって、そこで時間がある時にバットを振るんだけれど、その時間も中々、ないから、どうしようかなと。いつもだとオフの11月に(この試合を)やる事が多かったので、オフになってから集中的に練習してバットを振る、体力を着けていた。今回、それは出来なかったので…じゃあどんな練習がいいかなと思って日本に戻ってきた時に、もう4打席5打席でいいからゲーム形式でバットを振る。数としてはもう、10もいかないぐらい。だけどそっちの方がいい練習が出来るって、すごく思った。今までたくさんバットを振ってきて、バットを振る力は着いているけれども、ゲームの球に全然対応出来なくて。去年も初めてヒットが2本出たんだけれども、今回すごくそう思った。実戦のピッチャーの球を4打席5打席打つ方が、試合前の打撃練習を数やるよりもいい練習になるなって。まあ、生きた練習というかね、そう思った。じゃなかったら、今回、こんなヒット打てなかった(6打数4安打)。 全然無理です。


 あとはユニホームを着てちゃんとやること。暑い時期“短パン”“Tシャツ”でやる事も男子は多いけれど、それとねこの負担が全然違うのユニホームは…で、ヘルメットを被るがまた違って。それを今回少ないけど、結構やった。今までよりも。言っても、大した数じゃないんだ。それ、すごい大事だなと思った。もちろん、バットを振る力も必要だから、普段のバッティングピッチャーの球を数打つ。このトスバッティング、フリップで形を作るとか、それももちろん大事なんだよ。大事だけれど、じゃあ、どっちがゲームに生きるかというと、実戦の数は少ないけれど、実戦練習の方がやっぱり生きるなとは今回すごく思った。


気持ちの切り替え方とは

Q.上手くいかなかった時にイチローさんはどのように気持ち切り替えたりとか、上手くいかなかった時はどのように考えますか
イチロー:
試合中の話?


Q.試合中…
イチロー:
いや、試合中はね、もうそんなすっきりは無理です。切り替えられない。だからどんどん苦しくなって行く、やっぱり結果出ないと。どんどん苦しくなるけど…もう、しょうがない、もうそれでやらなきゃ、しょうがない。1日終わった時は次の日に残さないようにしっかり結論を出して、グラブの手入れをしたりバットを綺麗にしたりスパイクをきれいにしたり。それは凄い大事なことで。翌日、前日のグラブの汚れが残ってたらさ、やっぱり何か残ってんだね前日のこと。それは1日終わった時にちゃんとホコリを取って綺麗にする、それはすごく効果的です。でも、試合中に結果が出なくてストレスを抱えてしまう事、切り替えられない事は、これはしょうがないね。もう当然のこと。


 大事なのは、じゃあ、打てなかった、その次の守備とか走塁とか、それに影響しないようには、大事な事。そういう人、結構います。バットで打つ方で結果が出ないと守備にも走塁にも影響してしまう。これは一番やっちゃダメな事。で、守備走塁、それをしっかり、守備だね主に。守備をしっかりやっていたら、リズムが出来ているという事もあるし。それは悪循環の守備も疎かにして、今度ミスしてたら、また落ち込むからね。自分でそれは何か自分の首を絞めてるようなものだと思います。そういう時ほど守備をしっかりするのは大事なことだと思う。もう追い打ちをかけちゃう、自分で。打てない守れない…ってなるから。


 でも、1日の終わりは結論をしっかり出して翌日に引きずらない。ということが大事。


「怪我した人は実は強くなる」4年前の気付き

イチロー:
51歳に来月なります。おじいです。おじい、みんなのお父さんよりも上だと思います。でも続けてたら出来るんです、出来るんですよ。元プロ野球選手が例えばこの試合に向けて1週間だけ練習してやったらもう確実に怪我します。でも僕はずっとやっているので。まあ不安…今日はなんかそういう感触はなかったね。だから続ける事、すごい大事です。


 でもオーバーワークはケガにもつながるんでね。それはいいところで止めてほしい。それはもうもう自分にしか分からないことなので。オーバーワークだと、そういう時期も必要だけれど、基本的には追い込む時期じゃなければ、今日これ以上やるとなんか嫌な感じだなというのが感じられる体だといいよね。それはもう怪我の一歩手前で、それを回避できる能力の一つなので。無理して無理して怪我はダメね。


 でもまた難しいのはさ、怪我しないと怪我の感触を分からないっていうところもあるから、怪我した人は実は強くなるっていうことも言えるんだけど。僕はだからもうほんと怪我をすることは、ケガが少ない選手だったんだけど、第1回目の女子この東京ドームじゃなくて第1回目が神戸の寒い中でやった時に147球を投げて肩を痛めた。もう生涯初めてです。それが4年前。無理するとこうなるんだって。まあその試合は実はもう、一度もブルペンにも入らずに…もちろんキャッチボールだ、ランニング、バッティングでやっていたけれども、マウンドから一切、投げずにそれをやったら肩を怪我した。そういう苦い経験があって、マウンドから投げるって、フラットのグラウンドで投げるのと全然負担の違うんだな、でも投げている時はわからなくて。結局の半年ぐらい苦しんだんだけど、それがその経験したから肩について注意深くなれているっていう所はあるんだけど。その怖さを知らないと俺、どこまででも行けるわって、やっちゃうと、こういうことになるんだなって…だから意図的に怪我をする必要は全くないんだけど、怪我はどうしたってアスリートにつきものなんで。怪我てしまったら、それをどう生かすかがすごい大事なことだからね。その後に生かす。その時しんどいけど、リハビリもしんどいけど、大きなそれは武器と言えば武器だね。痛みを知っているとか。


一番期待する事 “優しい人になって欲しい” 

体だけじゃないですよね。人の心の痛みみたいなの分かるためにはさ、ある程度自分も傷つかないと分からないってこともあるでしょう。自分が傷つくとやっぱり人はこういう事で、自分はそういうつもりないけどそんな事で、本人からすればね、そんな事で傷ついちゃうんだとかっていうこと、そういうふうに考える事、すごい大事な事なので。結局人間なんて周りに人間がいなくなっちゃった、自分だけになっちゃったらさ、もう何か生きていく意味もなくなっちゃうわけでさ。


 だから仲間すごい大事。すごく大事だから、仲間を大事にしてほしいし、高校野球で一緒だった仲間とずっと生涯の友だったら、それはすごく素敵なことだし。でもなかなかね、時間が経つとそうなれないというのも実際にはあるし。野球上手くなってほしいけど、もっと僕が期待するのはそういう人の痛みとか気持ちを自分なりに想像したり考えたりする事。そういう何か優しい人になって欲しい、というのが僕の一番期待する事ですね。みんなとこうやって縁があって出会ったことだから。何かただ野球がうまくなってほしいだけじゃ全然ないんです。もっと大きなところ、そういう優しい人になってほしいね。僕は厳しいですけど。僕は厳しいですけどね。みんな優しい人になってください。生涯忘れない日になりますから、これは。みんなどこかで僕を見かけたら必ず声を掛けてください。野球をやっていれば、どこかで会うこともあるでしょう。続ける事、大事ですよ。ありがとうございました。


常識を超えたイチ流の金言あふれる【前半】は…
イチロー氏 バッティングで「詰まりは負けだという考え方は捨てた方がいい」高校野球女子選抜に贈る言葉【前編】



【過去の対戦成績】
2021年 KOBE CHIBEN  1-0 高校野球女子選抜 
2022年 KOBE CHIBEN  7-1 高校野球女子選抜
2023年 KOBE CHIBEN  4-0 高校野球女子選抜
2024年 KOBE CHIBEN17-3 高校野球女子選抜


【イチロー選抜 KOBE CHIBEN】
チーム名の由来は高校野球の強豪・智辯和歌山から。イチローが試合観戦時に応援団のブラスバンドに魅了され大ファンになり、練習拠点とする神戸を掛け合わせて「神戸智辯」となった。
 


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