158の国と地域が参加した大阪・関西万博。大阪の商人たちは“万博効果”に商機を見いだしています。戎橋筋商店街は英語で魅力をアピール。道頓堀クルーズは大にぎわいで「調子いいです!」。万博は10月13日まで開催。インバウンドで「ウハウハ」に?
万博初日は“電波障害”に“天気大荒れ”
13日から始まった大阪・関西万博。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに158の国と地域が、次世代につなぐ技術や文化などを紹介しています。
展示の中には先週、news23でも紹介したiPS細胞から作った「心臓の筋肉のシート」も。その会場には、シートを開発した澤芳樹特任教授も駆けつけていました。
藤森祥平キャスター
「ついに始まりましたね。いかがですか?」
大阪大学 澤芳樹 特任教授
「沢山の方に来ていただいて、皆さんが食い入るように見てくださって、『早く実現してください』と、私にエールを送ってくださる方が沢山いて、強い手応えを感じています」
“iPS心臓”を見た人
「実際、心臓が動いているようにリアルな動きをしていたので驚いた」
校外学習の中学生
「こういう人工の心臓ができて、本当だったら救える人を、もっと救えるようになったらいいな」
初日の13日は、約14万1000人が来場。東側の入場ゲートには長蛇の列が…
来場者
「入るまでに1時間かかりました」
「駅から東ゲートに入るまで、1時間半くらいかかった」
主催者によると、東側の入場ゲートで約5時間ほど電波障害が起き、入場用のQRコードの表示に時間がかかったということです。
さらに、13日は一時、大荒れの天気に…
藤森キャスター
「雨と風がすごく、傘の骨が折れないように短く持っている方が多いですね」
「トイレの列に並ぶ皆さんも、傘をさして大変です」
パビリオン5か国は“開館メド立たず”
14日の万博会場は…
記者
「万博2日目。平日ですが天候も良く、賑わいを見せています」
来場者
「今日は最高。雨の日は行かない方がいい」
「天候に左右されますね」
また、内装工事などの関係で開幕日に間に合わなかったパビリオンもありましたが、工事関係者に話を聞くと…
インドのパビリオン 現場責任者
「(公開は)水曜日!水曜日!水曜日の2時だ」
一方で博覧会協会は、インドを含む5か国のパビリオン開館の目途が立っていないと話しています。
このほかにも開幕前に、爆発の危険があるメタンガスが基準値を超えて検出されるなど、様々な課題を抱えながら始まった万博。
それでも、この万博を商機ととらえているのが大阪の商人たちです。
万博に“商機” 商店街もウハウハに?
株式会社大阪バスワンダークルーズ 南谷 聡さん
「調子いいです!このまま大阪を盛り上げていって、万博も半年間ですけど、このまま走り切って欲しいなと思います」
万博によるインバウンドに期待を寄せるのは、大阪の観光地・道頓堀でクルーズ船を運営する企業の担当者。乗り場は行列で、ほとんどが外国人観光客です。大阪の街をおよそ20分かけてまわりますが、早くも“万博効果”が出ていました。
アナウンス担当者
「大阪万博に行く人は?おー、思ったよりいました」
1日およそ1000人の観光客のうち、ほとんどが外国人。そのためガイドも日本語と英語で行います。
アナウンス担当者
「道頓堀のグリコサインです!後ほど写真撮影の時間設けますので、慌てる必要ありませんよ」
運営企業は万博にあわせ増加する外国人観光客に対応するため、英語を話せるスタッフを増やす方針だといます。
インドネシアからの観光客
「サクラの季節でもあるし大阪万博もあるから、この時期がいいと思ってきました」
イタリアからの観光客
「日本は素晴らしいところだと思います。明日は大阪万博へ行きます」
約100の店が軒を連ねる、戎橋筋商店街では、外国人観光客に向けて、クイズなどを使って店主らでつくる振興組合が、商店街の魅力や観光マナー向上をPR。
さらにスマホの翻訳アプリを駆使しながら、商店街を案内します。自分の店の前を通った時には、しっかり商品をPR。
藤森キャスター
「商店街のツアーはどうでした?」
フランスからの観光客
「とてもよかったです。新しい情報を探してくれたので、とても良かったです」
戎橋筋商店街 堀六人 副理事長
「万博が外国の方に認知されていって、さらに(観光客が)増えて、私のお店の売り上げも増えたらいいなと思っています」
藤森キャスター
「そうなるんじゃないですか?」
戎橋筋商店街 堀 副理事長
「そうなるとウハウハじゃないですけど、嬉しい悲鳴になればと思う」
この万博で、大阪府と市が負担する費用総額は、約1348億2000万円の見通しです。
「万博に期待?」大阪の街、居酒屋では…
10月13日まで開催される万博。地元の期待感は…
大阪市民
「まだ行けてないが、ぜひ行きたい。終わった後も含めて経済的にも、もっともっと盛り上がって、文化でも盛り上がっていくようになれば、めちゃめちゃいいかなと思います」
「お父さんお母さんの年代は、昔の万博に影響された人だから、『行きたい』ってなったと思うけど、(自分たちは)お金出していくようなところじゃないかもしれない。タダやったら行くて感じ」
女性
「ジンジャーハイは…220円。安いです」
藤森キャスター
「普段からコスパ気にしますか?」
女性
「気にします」
藤森キャスター
「万博に興味ありますか?」
女性
「あんまりですね」
藤森キャスター
「あんまりの理由は?」
女性
「なんやろ…」
男性
「物価が高いから、そっちの方が気になる。万博よりも物価」
「盛り上がって大阪の知名度も、万博で新しいことが日本で取り入れられて、プラスになることがあれば、まだ良いかなと思う」
“関税戦争”真っ只中…万博現地のムードは?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
万博のような国際イベントでは、平和と自由な交流というのが、大事だと思います。しかし、パレスチナはイスラエルの妨害にあって展示が遅れたり、ウクライナは戦争の実情を訴えたりしていますよね。
トランプ政権は、「関税」という形で分断と対立を煽って、自由な交流とは縁遠い感じなので、万博を通じて日本から「平和と自由な交流の大切さ」みたいなものを発信できるといいですね。
藤森キャスター:
自由な交流が、個人間であちこちで行われていたのが、すごく強烈に感じました。澤特任教授のパビリオンの中で心筋シートが展示されていますが、外国人のお客さんが本当に多いです。
みんなで集まって「写真を撮る」「驚く」「拍手をする」。ネットですぐにいろいろな世界と繋がれる時代だからこそ、「一緒になって、驚いたり喜んだりできるっていいな」と感じました。リアルを共感できる楽しさを、忘れていました。
例えば、海外のパビリオンに入れば、各国の担当者もいて繋がれる。お客さん同士でも繋がりや、やり取りが生まれる。そういった出会いの場でもあり、可能性を感じました。課題は色々ありますし、これから「梅雨の時期」「猛暑の夏」が来て大変だと思いますが、目を背けずに1つずつ解決しながら、やっていければいいのかなと。
小川彩佳キャスター:
多額な税金も投入されて開催されたからには、万博が開幕される“意味”というのが、多くの方に示される万博であってほしいなというふうに思います。
==========
<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年
※動画内で紹介したアンケートは15日午前8時で終了しました。
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「水道水がおいしい都道府県」全国1位は?“蛇口からミネラルウォーター”の地域も【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】