学期末、必ず受け取っていた通知表。この通知表を廃止する動きがあります。また、宿題にも変化が起きているそうです。
「令和の学校の新常識」を詳しく見ていきます。
一方通行ではなく双方の意見交換に…「通知表」の廃止
南波雅俊キャスター:
まずは「通知表の廃止」について。
新宿区立西新宿小学校で、勉強ができる・できないの評価をすることに、教員が疑問を感じるということで、2023年度から全学年の通知表を廃止しました。
その代わり、学期末に保護者と担任が面談をします。通知表で評価をするだけという「担任からの一方通行」ではなく、「双方向の意見交換」にしていきたいという理想だそうです。
山内あゆキャスター:
私は(通知表が)なくてもいい派です。特に低学年というのは月齢の差が大きいので、評価するのがなかなか難しいと思います。だから、6年生ぐらいになるとドキドキし始めることがあります。
蓮見孝之キャスター:
親として、通知表を「成績表」として見るのか、それとも「連絡手段のツール」として見るのかで、大きく差があると思います。
私(の考え)は、「成績表」として見るのならば、山内さんと全く同じ意見です。ですが、学校での様子などを知る「連絡手段のツール」としてならば、すごくありがたいと思います。忙しい先生たちが(子どもの様子を)観察して、書き留めてくださることがすごくありがたいです。そういう意味では、残してもいいのかなと思いますね。
高柳光希キャスター:
正直、最初に聞いたときはフィードバックがもらえないのが怖いと思ったのですが、保護者を通してもらえるのであれば、(通知表の廃止は)アリかなと思いました。
「自分で考える」ために校長が発案 「宿題」を廃止した結果
南波キャスター:
変化という意味では、「宿題」がなくなっている学校もあります。
山形県新庄市立日新小学校では、「自ら考え学ぶ力」を育てるために、2023年度から宿題を廃止しました。
では、帰宅後に何をするのかというと、自由で自主的な家庭学習。例えば「予習・復習」「自然観察」「プログラミング」など、自分で興味を以て学ぶことができるものであれば、何でもOKとのことです。
最初の1年ぐらいは、他の教員に「テストの点数が下がるのではないか」と反対されたそうです。しかし、実際に宿題廃止を導入したことでテストの点数は以前と大差がないそうです。
始めようと思ったのは校長先生。“詰め込み教育”を元々やっていたそうですが、この時代に「自分で考える子どもを育てるにはどうしたらいいか」を突き詰めて、宿題廃止をやっていこうと思ったそうです。
教育評論家の尾木直樹氏は「一斉に評価をするのではなく、個別評価をすることで、自己肯定感を伸ばすべき」としており、通知表・宿題の廃止について大賛成の考えを示しています。
評価軸が変化している動き?「探求」授業の考えを自主学習で
山内キャスター:
(帰宅後にすることとしてあった)「自由で自主的な家庭学習」というのは、自分でテーマを決めて、物事を決めて調べていくという「探究」という授業があります。何がいいかというと、就職活動のときにエントリーシートに書くようなことが増えるんです。
日比麻音子キャスター:
就職活動のときにネタを慌てて探さずとも、小学生のときから実はできているのかもしれないということですね。
蓮見キャスター:
「テストの点数に影響はあったかどうか」という評価軸を変えていきませんか、といった動きなのかなと思うところがあります。
あと、子ども自身の自己肯定感を育ませるためには、先生や親の自己肯定感が育まれていないと褒める余裕がないなと思います。
日比キャスター:
通知表・宿題が新しくブラッシュアップされると、先生方など教育現場の負担も、少し軽くなるのかなと思いました。
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